小説・詩・妄想ドラマ

2014年11月 7日 (金)

左目充血探偵!

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

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僕の名前は田中猫之助、ひょんなことから左目が充血eye、それ以降、僕の左目には不思議な力が宿ったflair

その左目に映るものは、真実?とれとも嘘で塗りつぶされた世界?

その答えは、左目にしか分からないsign03

実は今日も、とある事件を解決するために、とある現場へとやってきたpaper

そこは、とあるマンションの一室building一人の男性がフローリングの上で倒れているshadow

その様子から、襲われてから、まだそんなに時間は経っていないclock

部屋は荒らされた様子はないが、男性の近くには、ひっくり返った金魚鉢があり、男性の廻りは、まさに血の海だったsign03

おそらく、何者shadowかに襲われた際に、近くにあった金魚鉢で頭部を殴られimpact大量の出血により、死亡したと考えられる。

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僕の充血した左目が、そう僕に語りかけてくれている。

と、その時だった、死んでいるはずの男性が起き上がったのだsign03

えっ??嘘だろsign02ゾンビかよ~shock

実は、彼は誰かに襲われたわけでも、そしてもちろん死んだわけでもなかった・・・

酒に酔ってbeer帰宅した際に、金魚鉢を倒してしまい転倒downそのままそこで眠りに就いていただけだったのだsleepy

つまり、僕が見た血の海は、金魚鉢からこぼれた大量の水だったのだcoldsweats01

僕の左目が充血しいていたばっかりに、それが赤い血の海に見えたとは、何ともお恥ずかしい限りですcoldsweats01

そんな僕のことを人はこう呼ぶ、左目充血探偵とねgood

といった感じで、今日のブログはまたしても僕の得意とする「妄想ドラマ」をやっちゃいましたsmile

もしかしたら・・・・

もしかしてだけど~♪もしかしてだけど♪また左目充血しちゃったら、シリーズ化しちゃんじゃないの~♪

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ちなみに、こちらはモノホンの「左目探偵」山田涼介君(役名は田中愛之助)ですhappy01

こっちの続編の方が見たい僕でしたconfident

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

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2013年2月 8日 (金)

タイムトラベラー光~その七~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

「ここはどこだ・・・暗い、何も見えない・・・私はいったいどうなっているのだ・・・」

タイムトラベラー銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)は、時空の中をさまよい続けていたsign03

と、その時、遥か彼方に微かな光が見えたshine

「もしや、あの光の先に出口があるのか!そうであって欲しい・・・」

光は強く念じた。

そしてその光りは徐々に光のもとに近づき、大きな閃光を放ったのだったshine

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光は、暗闇の中から脱出することに成功したgood

「ここは?やっと時空の狭間から抜け出せたのか?」

と、その時、光が装着している無線から声が聞こえたmobilephone

「銀龍さん、銀龍さん、聞こえますか?」

その声の主は「ノースジャスト社」の司令室にいる園田ユリだった。

光:「園田さんですか!」

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園田:「良かった、銀龍さん、やっと戻ってこれたのね!」

やや興奮気味に声を発した園田に対し、光は尋ねた。

光:「私はどれくらい時空をさまよっていたのですか?」

園田:地球の時間にするとおよそ半年ほどですが、私達の世界の時間では300年程です。」

光:「300年sign02そんな長い間、私は・・・」

園田:「銀龍さん、とにかく、コードナンバーと現在地の確認をお願いします。」

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光:「わかりました。コードナンバーは227891、西暦1926年8月19日、現在地はこの時代の地理学で言いますと、北緯35度70分、東経140度50分、日本の千葉県香取郡久賀村というところです。」

園田:「了解しました。異常はありませんか?」

光:「はい、機器には特に目立った異常は見当たりませんし、辺りにも人は見受けられません。いつものタイムワープよりはかなり強めの頭痛thunderがしますが、何とか大丈夫です。」

園田:「わかりました。まずは安全な場所に移動して、こちらからの連絡を待ってください。ただち・・・」

光:「あれ、園田さん?園田さん!」

話の途中で無線機器が故障し、光の声が園田に届くことは無かったbearing

光:「ちくしょう、これじゃ司令室とも交信できないし、タイムアウトして向こうの世界に戻ることもできない・・・どうすればいんんだ・・・」

ということで、いきなり物語をスタートさせてしまいましたが、今日は久しぶりsign03実に昨年8月以来となるあのシリーズ企画をお送りしますhappy01

昨年末に発表された『猫デミー大賞』でも、見事に「シリーズ部門賞crownに輝いたこ『タイムトラベラー光』、今日はその第seven話をお送りしますpaper。そして、残念ながら今日でこの『タイムトラベラー光』は最終回を迎えますbell

過去にこのシリーズ企画をご覧になった方であれば、その内容はご理解できると思いますが、何せ8ヶ月ぶりの事なので、初めてご覧になるという方もいるかと思いますpc

最終回ではありますが、簡単にこのシリーズ企画についてご説明しますと、この『タイムトラベラー光』という妄想ドラマは、NHKで過去4シーズンに渡り放送された『タイムスクープハンター』という番組をモチーフに、僕猫男爵の脚本のもとに作られたものですpencil

よってストーリーは全て妄想ですが、話の中に出て来る「歴史上の出来事」は全て実際にあった出来事ですpaper

その時代で起きた出来事を未来に伝えるということが、銀龍光に課せられた役目ですが、常に彼は危険と背中合わせですdanger

そんな、これまで様々な年代の様々な場所へとタイムトラベルを続けた銀龍光の最後の旅を、どうぞ思う存分楽しんでくださいhappy02

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『タイムトラベラー光』

~その七~ 「鬼熊事件」

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープマシン」の開発に成功したsign03

その開発にあたった「ノースジャスト社」では、極秘プロジェクトとして「時空瞬間移動システム」(STS)の実験を行っていたのだsign03

その実験として時空を超えた旅を続けていたのが、銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)。「ノースジャスト社」の社員である光は、時空を超え、過去の歴史の出来事を調査して未来に住む人々に伝えるために、旅を続けているのだ。人は彼の事を「タイムトラベラー光」と呼ぶconfident

ここでブログを見ている方にご説明してきますが、私が「時空」を超えてやってきたこの時代の人にとっては、私は「宇宙人」のような存在です。したがって、この時代の人々に接触する際には十分に注意が必要となりますdanger。なぜなら、私自身の言動ひとつで歴史が変わる可能性があるからです。

そこでこの時代の人々に接触する際には、特殊な機器を使って調査を敢行します。それについては極秘事項secretなので、詳しくお話することはできませんが、今回も無事に何とか取材してみることにしますscissors

光:「まずは、今回の取材対象者を探さなければ・・・資料によると、確かこの辺りにいるはずなんだが。」

その時、私の耳に男女の口論する声が聞こえてきたear

私はその声がする場所へと入っていった。すると、そこでは横たわる1人のと、店から走って逃げる1人の、そしてその前に立ちすくむ1人の男shadowの姿があったsign03。既に女性は息絶えている様子だったbearing

光:「あなたはもしかして、熊次郎さん?あなた何をしたんですか!」

私のその声に、驚いた熊次郎は、私を突き飛ばして店を出て行ったrun

光:「ちょっと待ってください、熊次郎さん!」

私は必死に彼を追った、そして彼に追いつき、事情を説明し、彼から今起きたことの全てを聞くことにした。

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彼が今回の調査対象である岩淵熊次郎、歴史上では「鬼熊」と呼ばれることになった人物であるshadow

光:「熊次郎さん、まずは落ち着いて、事態を詳しく教えてくれませんか?」

熊次郎:「わかったよ。」

熊次郎から聞いた話に寄ると、熊次郎は荷馬車引きの仕事をしながら、妻と5人の子供と平凡な生活をしていた。しかしある日、上野国からやってきたおけいという女性と深い恋仲になったそうだheart04

ところが、そのおけいには他にも恋仲の別の男shadowがいて、それを知った熊次郎は逆上し、刃物でおけいを脅し、村の駐在所の巡査に逮捕されてしまう。

その結果、執行猶予3年の判決を受け、昨日釈放されたばかりだった。

釈放された熊次郎は、再びおけいの所を訪ねた。熊次郎は自分がしたことを詫びるつもりだったbearing。しかし、そこへタイミングが悪い事に、おけいと恋仲の他の男がやってきて、抑えていた感情があふれ出した熊次郎は、2人に殴る蹴るの暴行impactを繰り返したうえに、薪でおけいの頭を殴り殺害したのだったsign03

光:「熊次郎さん、あなたが怒る気持ちもわかるが、人を殺してはだめだ。それよりも何よりも、あなたには奥さんと子供という大切な家族がいるじゃないですか!」

熊次郎:「なんだ、お前は俺に説教をするのか!」

光:「そういうわけではないですが、とにかく自首しましょう。罪はちゃんと償いましょう。」

熊次郎:「何言ってるだ!俺は自首などしないぞ!」

そう言うと、熊次郎はもの凄い勢いで、どこかへと走って行ったrun

私は必死で彼の後を追ったrun

熊次郎はその後、逃げたおけいの恋仲の男の家に行くが、そこにはその男の姿はなく、次におけいとその男の仲を取り持っていた知人の菅松の家に火を放ったのだったsign03

そしてそこへ駆けつけた消防団数人にも鍬で殴りかかり負傷させimpact、次に自分を逮捕した巡査への恨みを晴らすために、駐在所へと向かったが不在だっために、サーベルで電燈と電話線をぶった斬ったのだったsign03

こうして狂ったように狂気と化した熊次郎は、一晩で2件の殺人、1件の放火、4件の傷害を起こし、山へと逃走したのです。

もちろん私も、その熊次郎の後を追い、山で彼と行動をともにしたfuji

光:「熊次郎さん・・・何てことをしたんだsign03

熊次郎:「俺だって、好きでこんなことなどしたわけじゃねえ・・・ただ、許せなかったんだ、みんなして俺のことを馬鹿にしやがってshock

先程までの狂気と化していた熊次郎の頬には涙が伝っていたweep。私はそんな彼にかける言葉が見つからなかった。

その後、逃亡した熊次郎は「鬼熊」と呼ばれ、警察官、消防団、青年団などおよそ5万人を動員した山狩りにより捜索が開始された。

それから数日後のことだった。

私は熊次郎と山中を逃げながら夜を明かしていたが、食べ物も無いこの山中で体力にも限界が来ていたdown

と、その時、近くの竹やぶで何かが動く音がしたsign03

熊次郎:「誰だ!」

光:「・・・・」

私は自分も熊次郎と共に殺されると恐怖に脅えていたbearing

すると、そこにいたのは1人の村人だったshadow

村人:「熊さん、こっちだ、こっち。向こうに良い隠れ家があるんだ、そこなら安全だ。」

熊次郎:「そうか、助かるよ。」

光:「熊次郎さん、信じていいんですか?きっと罠じゃないですか?」

熊次郎:「馬鹿言うな、あいつはそんなことをするような奴じゃない。なあ、そうだよな?」

村人:「俺は熊さんを裏切ったりしねえ。」

実は熊次郎は、本来は実直な性格の働き者で、仲間に気前良く酒bottleをおごったり、面倒見もよく、村では「熊さん」の愛称で、人望の厚い人物だったのだshine

村人たちは、熊次郎がおけいに夢中になっている事を知ると、「熊さんは、あばずれ女に騙されている」と常々心配していたそうです。

こうして、村人たちは熊次郎をかくまったり、嘘の目撃情報を流すなどして、捜査を長引かせ、熊次郎を援護していたのですpaper

その後も度々、捕まりそうになっては捜査員を殺害したり負傷させながら逃亡を続けた熊次郎の名は、「鬼熊」として全国に広まり、「鬼熊狂恋の歌」という曲が作られる程になりました。

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そして事件から1ヶ月が過ぎた9月25日、ついに事態に動きが出ましたsign03

何と熊次郎は、消防団長らと会うことにしたのです。そこには、スクープを狙いやってきた、坂本という新聞記者も同席していましたshadow

坂本は熊次郎に自首を勧めたのですが、彼はこう述べました。

熊次郎:「すまねえ、それは堪忍しておくんなせえ。わしは村の衆にも、ここから大声で謝って死にてえbearing。だが、ここから怒鳴ったぐらいでは20、30人の衆にしか聞こえねえ・・・だから記者さんよ、わしのこの気持ちと無念を字に書いて、何百万という人に伝えてくだせえ!」

隣りでその熊次郎の涙ながらの訴えを聞いてた私は、何とも言えない切ない気持ちになってしまいましたbearing

その後も村人にかくまってもらう生活を続けた熊次郎と、私は夜をともにしたnight

この1ヶ月間、行動を共にしているが、私の隣りにいるのは、誰が何と言おうと人を殺害した殺人犯、しかし純情な心を持つ1人の人間に過ぎない、この何とも言えない2つの事実の中で、彼は今、誰にも分からない感情の中で生きているんだ・・・そう思うと、彼を早く楽にしてあげたい気持ちになった。

9月28日夜、うとうとsleepyしていた私が目を覚ますと、熊次郎は首を吊って死のうとしていたsign03

光:「熊次郎さん!」

私は必死で彼を助けた。でも、この判断が良かったのか悪かったのか、私には分からない。

その2日後の9月30日未明、私が眠りsleepyに就いている間に、熊次郎は自分の先祖が眠る墓前へ行き、毒の入った最中を食べ、息を引き取ったdown

光:「熊次郎さん・・・どうして・・・」

私はこの1ヶ月間生活を共にした熊次郎という男に、知らぬ間に親近感が沸いていたのかもしれないconfident

こうして、1ヶ月以上に及んだ、極悪犯の逃亡劇は幕を閉じた。

年が明けた2月に、千葉地裁は熊次郎を匿った数名を「犯人隠匿罪」で有罪判決を下したが、村人の多くは無罪となった。

これが俗にいう「鬼熊事件」である。

しかし、私はこれからどうすればいいのだろう・・・司令室と連絡の取れない今、私は他の世界へ「タイムワープ」することも不可能だ。となると、私はこの世界で一生暮らしていかなければならないのか・・・

それは辛い、早く元の生活に戻って愛するに会いたいbearing

そう強く私が願った瞬間だったsign03無線から音が聞こえてきたear

園田:「銀龍さん、聞こえますか?こちら司令室の園田です!銀龍さん?」

確かにその声は園田ユリの声だったsign03

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光:「園田さん、銀龍です!聞こえます、聞こえてますよ!」

園田:「良かった、やっと繋がって。」

光:「園田さん、今すぐタイムアウトして元の世界に戻りたいのですが!」

園田:「銀龍さん、それが・・・システムが故障して、タイムアウトができなくなったのです。」

光:「それは、本当ですか?」

園田:「ええ、残念ながら・・・でも、そちらに今、助っ人をタイムワープさせました。その人が、持っているHTS(緊急タイムアウトシステム)で、一度だけタイムアウトすることが可能です。それで、銀龍さんは元の世界に戻れます。」

光:「本当ですか!助かります。」

と、その時、僕の背後に誰かの気配を感じたshadow

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「銀龍さん!」

その声の主は、何とあの要潤、いえ本物のタイムスクープハンター沢嶋雄一だったhappy02

沢嶋:「銀龍さん、園田さんから話は聞いていますね?」

光:「ええ。」

沢嶋:「ただちに、このHTSでタイムアウトしてください。」

光:「しかし、沢嶋さんはどうするのですか?私がこれを使えば、沢嶋さんはもうタイムアウトできなくなってしまうじゃないですか。」

沢嶋:「私の事は心配いりません、園田さんが何とかしれくれますから。それに私はどの時代でも生きていけるタイムスクープハンターですから!」

私は沢嶋のその言葉に促せられながら、タイムアウトすることにしたclock

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光:「ありがとう、沢嶋さん!」

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沢嶋:「さよなら、タイムトラベラー光・・・」

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光:「ここは?私は戻ってこれたんだ、現実の世界へ!」

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娘:「あれ、パパ。どこ行ってたの?」

私は妻と娘のいる世界に戻れた喜びでいっぱいだったhappy02

さあ、いかがでしたか「全7話」による妄想劇場でしたが、楽しんでいただけましたか?

「タイムワープして過去や未来の世界へ行く」という夢のような話を実現した「タイムトラベラー光」の旅は幕を閉じますが、私達が生まれてくるよりも遥か昔の歴史上の出来事には、決して表には出て来ること無い、人々のそれぞれのドラマが存在していたということを報告し、この妄想企画を終了しますpaper

どうぞ、本当にNHKtvで放送されていた『タイムスクープハンター』の方も一度ご覧になってください。きっとその魅力の虜になるはずですからhappy01

それでは、またいつかお会いしましょうpaper

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生日birthday2> 2月8日生まれ

山本寛斎(69歳)、柴田勲(69歳)、土井善晴(56歳)、ストイチコフ(47歳)、田中卓志〔アンガールズ〕(37歳)、高岡蒼甫(31歳)、松下奈緒(28歳)、佐々木希(25歳)

偉人たち→ジェームズ・ディーン(俳優・1931年生まれ)

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2012年10月10日 (水)

あの天才が帰ってくる!

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

一昨日の「駅伝大会」の筋肉痛は幾分楽になってきましたが、今朝起きた瞬間から背筋通thunderがひどい猫男爵ですbearing

やっぱり40歳を前にすると、急激な運動の後は、体がおかしくなるのは当然といえば当然ですねcoldsweats01

これからはちゃんと準備をしてから運動する事にします。でないと、ただの筋肉痛ではすまずに、大ケガに繋がりますからねhospital

皆さんも運動する前には、それなりの準備期間を設けましょうねpaper

さて話は変わりますが、先週末から幾つかの注目映画が全国の劇場で公開movieされましたが、皆さんはもう観に行きましたか?

“世界のキタノ”こと北野武が描いたバイオレンスアクション、『アウトレイジ』の続編『アウトレイジ ビヨンド』sign03

中山美穂と向井理の共演が話題を呼んだ恋物語、パリで偶然出会った男女の3日間の恋を描いたラブストーリー『新しい靴を買わなくちゃ』sign03

現在若手注目株の松坂桃李が主演、第32回吉川英治文学新人賞に輝いた辻村深月の小説を実写化したファンタジー・ドラマ『ツナグ』sign03

などなど、この秋は注目の映画がズラりとならんでいますshineまさに「映画の秋」ですscissors

映画の中でも特に最近は「邦画」に興味がある僕ですが、今年はがお腹が大きいので映画館には足を運んでいませんが、映画には凄く興味がありますwink

昔はどうしても「邦画」よりも「洋画」に目がいっていましたが、30歳を超えたくらいから「邦画」の素晴らしさが徐々に分かってきたような気がしますconfident

もちろん「洋画」も好きなので「洋画」も鑑賞はしていますが、今はやっぱり「邦画」の方が好きですgood

そんな僕にさらなる朗報が届きましたbellそれは、あの天才が帰ってくる!という知らせでしたhappy02

その「天才」とはsign03

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そうです、天才“ガリレオ”こと湯川学ですshine

皆さんもよくご存知の『ガリレオ』は、2007年に連続ドラマとして放送されtv、多くの方から支持され人気を博したドラマでしたhappy01

僕もこのドラマは大好きでして、毎話楽しみに見ていましたhappy02

その『ガリレオ』が、再び映画として帰ってくる事がこのたび発表されましたflair

今や“飛ぶ鳥を落とす勢い”の作家東野圭吾のミステリー作品であるこの『ガリレオ』は、まさに福山雅治のハマり役といっても過言ではありませんpaper

ドラマ化された翌年には、『容疑者Xの献身』として映画化されたこの『ガリレオ』ですが、今度の映画の題名は『真夏の方程式』で、来年の初夏に公開予定ですmovie

今回の映画は、子供嫌いで有名な湯川が、10歳の少年と海辺の町で夏を過ごす姿を描いた作品で、テーマは「科学の進歩と自然環境の破壊」という事で、震災というものを経験した私達が真正面から考えなければいけないテーマがそこにはあるそうです。

既に撮影movieは先月からクランクインしており、5年ぶりに帰ってくる『ガリレオ』に、今から僕は胸がワクワクして仕方ありませんhappy02

そして「ガリレオ」が帰ってくるということは?勘の鋭い方なら、すぐにピンflairときましたよねsmile。そうです、あのもう1人の天才shadowも帰ってくるという事ですsign03

そのもう1人の天才とはsign03

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“ガリナオ”こと湯川遊が皆さんの前に帰ってきますscissors

「実におもしろい!」「さっぱり分からない。」

本物の「ガリレオ」同様に、「ガリナオ」が発するその言葉が今にも聞こえてきそうですear

『ガリレオ』の撮影に合わせるわけではりませんが、『ガリナオ』の撮影movieもまもなくスタートしようかと勝手に思っていますhappy01

『ガリナオ』をご存知でない方もいるかと思いますので、ここで簡単にご紹介しますと、『ガリナオ』は基本的に『ガリレオ』をモチーフにした妄想ドラマで、僕猫男爵が准教授役の湯川遊を演じ、数々の難解な事件を解決するというストーリーですpaper

『ガリナオ』は2008年10月~12月にかけて、全9話がこのブログ上で「妄想ドラマ化」されましたpc。まだご覧になっていない方は、ぜひご覧になってみてくださいhappy01。数々の妄想ドラマの中でも、僕は一番好きな作品なのでgood

2010年2月に『ガリナオ~特別編~』として、ブログでアップされて以降、約2年半に渡りその沈黙を守ってきました。

しかし、いよいよその沈黙は解かれて、本家の『ガリレオ』よりもひと足早く、来年の春頃に妄想公開される予定ですので、ぜひとも楽しみにしてくださいねhappy02

「実におもしろい!」

来春は、『ガリナオ』をご覧になった皆さんの口から、この言葉が聞こえるかもしれませんconfident

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 10月10日

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「松茸」(まつたけ)

花言葉は「控えめ」です。

「松茸」は花ではないと思うのですが、一応「今日の誕生花」に分類されていました(笑)

「松茸」は担子菌類のキノコで、アカマツ林の地に自生します。寒地ではエゾマツやツガの林に生える事もあります。

とても芳香があり、美味なので、秋の味覚として人気があります。生きているマツの根に寄生し、いまだに本格的な人工栽培ができない貴重な植物です。

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2012年8月19日 (日)

タイムトラベラー光~その六~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

「お盆」が過ぎましたが、めっきり「残暑」が厳しい今日この頃ですが、皆さんどうお過ごしでしょうかpaper。この暑さは天気予報によると、まだしばらくは続きそうな気配ですcoldsweats01

「お盆」が過ぎたからといって油断せずに、まだまだ「熱中症」にも注意してくださいねdanger

さて今日のブログは、「ロンドン五輪」と「高校野球」に夢中になっていたために、すっかりご無沙汰になっていたシリーズ企画をお送りしたいと思いますhappy01

実に1ヶ月半ぶりになりますが、今日はあの人気シリーズ企画『タイムトラベラー光』第6回をお送りしますshine。久しぶりに皆さんも、妄想の世界にどっぷりと浸って、一緒に「時空」を超えてみてはいかがですかhappy02

それではそろそろ「妄想劇場」の幕が開きそうなので、早速見てみましょうsign03

「よ~い、アクション!」movie

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『タイムトラベラー光』

~その六~ 「世界初の列車強盗」

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープマシン」の開発に成功したsign03

その開発にあたった「ノースジャスト社」では、極秘プロジェクトとして「時空瞬間移動システム」(STS)の実験を行っていたのだsign03

今日もその実験の一環として、あの男shadowが「時空」を超えた旅に出発したのだったsign03

もの凄い轟音impactを響かせて「タイムワープマシン」が到着したようですdash

タイムトラベラー

彼の名前は銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)、「ノースジャスト社」の社員である光は、今日も時空を超え、過去の歴史の出来事を調査して未来に住む人々に伝えるために、旅を続けているのだ。人は彼の事を「タイムトラベラー光」と呼ぶconfident

タイムトラベラー

光:「こちら銀龍です、司令室応答願います。」

光のその呼びかけに対応したのは、「ノースジャスト社」の司令室にいる女性オペレーターの園田ユリだった。

園田:「はい、こちら司令室です。銀龍さん、コードナンバーと現在地の確認をお願いします。」

光:「了解、コードナンバーは2557903、西暦1873年7月21日、現在地はこの時代の地理学で言いますと、北緯41度35分、西経93度37分、アメリカ合衆国アイオワ州のデモインというところですgood

園田:「了解しました、異常はありませんか?」

光:「特に異常はありません。いつものように、タイムワープの影響で若干の頭痛がしますが、作業には支障がないようなので、すぐに調査に入りますgood

園田:「わかりました、気をつけて調査を開始してください。」

光:「了解しました。」

ここでブログpcを見ている方にご説明しておきますが、私が「時空」を超えてやってきたこの時代の人にとっては、私は「宇宙人」のような存在です。よって、この時代の人々に接触する際には細心の注意が必要となりますdanger。なぜなら、私自身の言動ひとつで、歴史が変わる可能性もあるからです。

そこでこの時代の人々と接触する際には、特殊な機器を使って調査を敢行しています。それについては「極秘事項secret」なので、詳しくお話する事はできませんが、今回も何とか無事に取材する事に成功しましたgood

それでは早速、調査を開始する事にします。

今回、私が調査するのは1873年7月21日に発生した「世界初の列車強盗事件」ですsign03

私が今回の取材対象として追うのは、ジェシー・ジェイムズという人物ですshadow。彼は1866年2月13日に世界初の「銀行強盗dollar」に成功し、その名が世界に知れ渡った人物で、この2月13日という日は今でも「銀行強盗の日」となっています。

彼には4歳上のフランク・ジェイムズという兄shadowがいますが、彼もジェシーと共に強盗団の仲間でした。

当時、ジェイムズ兄弟といえば「強盗犯」として有名な存在で、彼らの名を知らない者はいない程でした。

そんな彼らの名を最も有名にしたのは、さかのぼること1年前の1872年9月の事でしたpaper

競馬場horseの収益を乗せた輸送車carを狙ったジェイムズ兄弟は、見事に強盗に成功してその場から逃走していったのですが、逃げる際に1人の少女が馬の蹄horseに引っ掛かりケガをしてしまったのですhospital

その数日後、犯人であるジェイムズ兄弟から新聞社に「ケガをした少女に治療代を払いたい」という声明があったのですpaper

その声明の中には「自分達は自衛のため以外に人を殺さず、金持ちから金を奪って貧乏人に配っている。」という釈明がなされていたのです。

話だけ聞くと、日本版「ねずみ小僧」と言ったところでしょうかconfident。それが“真意”なのかどうかは定かではありませんが、「悪人」でありながらどこか「同情」をかう伝説的な存在である彼らに、今日は密着してその“真意”を尋ねてみたいと思いますpaper

私はデモインの駅から、シカゴ・ロックアイランド太平洋鉄道の列車trainに乗る事にしました。

光:「すみません、まもなく到着する列車に乗りたいのですが。」

駅員:「それなら、そこで切符を買ってくれ。」

光:「わかりました。」

その時、私の前に並び、切符ticketを買おうとしていた人物shadowの顔を見て、私は思わず声をあげてしまいましたsign03

光:「あなたはもしかして、ジェシー・ジェイムズさん?」

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私のその問いに男性はこう答えた。

ジェシー:「いかにも俺はジェシー・ジェイムズだが、お前は誰だ?」

私は特殊な「交渉術」を使い、彼に同行する事を許可してもらったgood。これで私も強盗団の一員という事だ。いや、それは違う、ただ同行させてもらうだけですcoldsweats01

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列車に乗り込んだ私は、ジェシーとともに席についたchair。歴史があっていれば、あと数時間後に「世界初の列車強盗事件」は起きるはずだ。その前に、彼にその“真意”を聞かなければsign03

光:「ジェシーさん、あなたは強盗犯として名高いですが、なぜ強盗を繰り返すのですか?」

ジェシー:「理由なんてないさ、やりたいからやる、それだけさ。」

光:「本当にそれだけなのですか?」

ジェシー:「まあ、あえて言うなら、世のためかな。金持ちから金を奪い、困っている人に渡す、そんなところかな。」

光:「でも、どんな理由があっても強盗は立派な犯罪ですよね?それでもあなたは良いと思うのですか?」

ジェシー:「それは・・・・俺は、」

とジェシーが言葉を詰まらせながら何かを話そうとした時、強盗団の仲間がやってきたsign03

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それはコール・ヤンガーという、こちらも強盗犯として名高い人物だったshadow

コール:「おいジェシー、誰だそいつは?」

ジェシー:「ああ、ちょっとした知り合いだ。」

コール:「そろそろ時間だぞ。」

ジェシー:「ああ、わかった今行く。」

私はコールのその言葉に、もうすぐ犯行が実行される事を察知した。

ジェシー:「悪いけど話はここまでだ、そろそろ行かせてもらうよ、あんたはここで座ってな。」

光:「あの、私も一緒に行かせてください!」

ジェシー:「一緒に?あんた正気か?」

光:「はい、お願いします。」

ジェシー:「わかったよ、ついて来い。」

私はジェシーと共に強盗団のところへ行く事にした。

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何も知らない乗客を乗せた列車は、スピードを落とす事なく進んでいたtrain

そして運命の事件は起きたsign03

ギッーーーー!!!ゴーーン!!

もの凄いブレーキ音と共に、激しい衝撃音が鳴り響いたimpact

実はジェイムズ兄弟を含む強盗団7人は、入念な列車強盗計画を練っていた。この音は、先まわりしていた強盗団の1人が鉄道のレールを緩め、綱を引いて列車を脱線させた音だったpaper

コール:「おい、行くぞ!」

ジェシー:「よし、もたもたするなよ!」

2人の声に他の仲間たちも続いた。そして私も彼らの後を追ったrun

ジェシー:「おい!そこのお前、金を出せ!それからその時計もこっちへ寄こせ!」

列車内に響く悲鳴と叫び声、しかし彼らの行動を見て、私はある事に気がついたflair。彼ら強盗団が金品を奪っているのは、金持ちそうな男性たちばかり、労働者や女性からは一切、強奪はしていないのだpaper

光:「ジェシーさん、どうして労働者や女性からは何も盗らないんですか?」

ジェシー:「さっきも言っただろ、俺達には決めている事がある。盗むのは金持ちだけってね、それが俺達のポリシーさ。」

私は彼のこの言葉を聞いて、目の前で強盗が行われているにも関わらず、何か彼らにヒーローの姿をダブらせたconfident

しかし実際に行われている事は犯罪、そして歴史上、私にはこれを止めさせる事はできない、見て見ないふりをするしかできないのだ・・・

何とも言えない歯がゆさを感じていたその時、強盗団の1人であるコールが、1人の女性から腕時計watchを強奪しようとしたsign03

私は先程のジェシーの話とは違うその行動に思わず声を出したsign03

光:「それは、ルール違反じゃないんですか!」

その時、私の目の前に向けられのたはコールが持っていた拳銃だったsign03

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光:「ちょっと、ちょっと待ってくれ!」

私は思わず目を塞いだbearing

とその時、後ろから声が聞こえた。

ジェシー:「やめろ、仲間に銃を向けるな!」

それはジェシーの声だった。

ジェシー:「コール、銃を降ろせ!そしてその腕時計を女性に返すんだ。俺達のルールを忘れたのか!」

コールは少し間をおいた後、銃を降ろし、腕時計を女性に返した。

私はジェシーのその一言に助けられた。

光:「ジェシーさん、ありがとう。」

ジェシー:「・・・・」

ジェシーは何も言わず、その場から立ち去った。

これが「世界初の列車強盗事件」と呼ばれた出来事で、強盗したのち逃走したジェシーたち強盗団は、その後も数々の強盗を繰り返し、彼らの名は世界中に知れ渡る事になったのだったconfident

私は、ジェシーから強盗に対するルールや考えを聞く事はできたが、彼の本当の“真意”を聞く事はできなかった・・・その“真意”は、彼のみぞ知る事で、もしかしたら他の誰も盗み知る事はできないのかもしれないconfident

それではそろそろ、「タイムワープ」する時間clockが迫ってきたので、このへんで今回の調査を終えて、「タイムアウト」する事にしたいと思いますgood

タイムトラベラー

さあ、いかがでしたか今回の『タイムトラベラー光』はhappy01。次は果たしてどの時代に「タイムワープ」するのか、どうぞお楽しみにshine

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 8月19日

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「カンナ」

花言葉は「永続、堅実な未来」です。

「カンナ」は春植球根植物で、コロンブスのアメリカ大陸発見において、16世紀にヨーロッパに伝わりました。夏の花壇を彩る花ですが、根を食用にする種類もあります。

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2012年7月 8日 (日)

タイムトラベラー光~その五~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

今日は4月からスタートした、妄想番組『タイムトラベラー光』第5話をお送りしますpaper

この番組の基にもなっている、NHKで放送されていた『タイムスクープハンター』のシーズン4の最終回が、6月26日に放送tvされましたが、皆さんご覧になっていただけましたか?

無実の罪をきせられた1人の男shadowを助けるために、全く関係のない人々が必死になって、真実を伝えようと汗sweat01を流す姿には、“人情”というものの素晴らしさを痛感させられた、そんな最終回の内容でしたconfident

最後のシーンで、要潤演じる沢嶋雄一がタイムワープしようとしている時に、何かトラブルが起きて、ナビゲーター役の演じる古橋ミナミが慌てふためくところで番組は終わりましたが、きっと「シーズン5」があるという事を連想させる、そんな終わり方でしたpaper

本家の方も再び撮影を開始する事でしょうが、それに負けないように、この『タイムトラベラー光』の方も、撮影を続行していきたいと思いますmovie

今日は第5話という事で、僕猫男爵が演じるお馴染み「銀龍光」が、またいつかの時代にタイムワープをしますshine。果たして今日はどの時代で、どんな出来事を取材するのでしょうかsign02それでは早速見てみる事にしましょうsign03

『タイムトラベラー光』

~その五~ 「曾我兄弟の仇討ち」

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープマシン」の開発に成功したsign03

その開発にあたった「ノースジャスト社」では、極秘プロジェクトとして「時空瞬間移動システム」(STS)の実験を行っていたのだsign03

今日もその実験の一環として、あの男shadowが「時空」を超えた旅に出発したのだったsign03

今、もの凄い轟音impactを響かせて「タイムワープマシン」が到着したようですdash

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彼の名前は銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)、「ノースジャスト社」の社員である光は、今日も時空を超え、過去の歴史の出来事を調査して未来に住む人々に伝えるために、旅を続けているのだ。

人は彼の事を「タイムトラベラー光」と呼ぶconfident

光:「こちら銀龍です、司令室応答願います。」

光のその呼びかけに対応したのは、「ノースジャスト社」の司令室にいる女性オペレーターの園田ユリだった。

園田:「はい、こちら司令室です。銀龍さん、コードナンバーと現在地の確認をお願いします。」

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光:「了解、コードナンバーは467002、西暦1193年6月28日、現在地はこの時代の地理学で言いますと、北緯35度2分、東経138度9分、日本の静岡県裾野市というところですgood

園田:「了解しました、異常はありませんか?」

光:「特に異常はありません。いつものように、タイムワープの影響で若干の頭痛がしますが、作業には支障がないのですぐに調査に入りますgood

園田:「わかりました、気をつけて調査を開始してください。」

光:「了解しました。」

ここでブログをご覧になっている方にご説明しておきますが、私が「時空」を超えてやってきたこの時代の人々にとっては、私は「宇宙人」のような存在です。この時代の人々に接触する際には十分に注意dangerが必要となります。なぜなら私自身の言動ひとつで歴史が変わる可能性があらからです。

そこでこの時代の人々に接触する際には、特殊な機器を使い調査を敢行します。それについては「極秘事項secret」なので、お話する事はできませんが、今回も何とか無事に取材する事に成功しましたscissors

それでは早速、調査を開始する事にします。

今回、私が取材をするのは1193年6月28日(建久4年5月28日)に起きた「曾我兄弟の仇討ち」ですflair

今回の調査対象は幼い頃に父親を殺された、一萬丸箱王丸という2人の兄弟ですpaper

今、私の前に1人の商人shadowがいますので、ちょっと話を聞いてみます。

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光:「あの、すみませんが、このへんに“曾我”という姓の兄弟がいると聞いてきたのですが、ご存知ありませんか?」

商人:「曾我という姓の兄弟?ああ、箱王丸の事かpaper。あいつなら時政様のところに、おるんじゃないかな。」

光:「時政様と言いますと?」

商人:「北条時政様じゃよ。」

光:「あの北条時政の事か・・・ありがとうございました。」

商人からの情報を基に、私は北条家を訪れ、そして箱王丸と会う事を許された。ちなみに、北条時政は鎌倉幕府の初代執権で、源頼朝の正室である北条政子の父でもありますpaper

北条家に入り座敷に案内され待っていた私の前に、箱王丸が現れたshadow

光:「あなたが箱王丸さんですか?」

箱王丸:「いかにも、ただし今は曾我五郎時致と申す。」

光:「あの・・・大変聞きにくい事ですか、あなたは父親である河津祐泰の敵である工藤祐経に恨みを持っていますよね?」

箱王丸:「どうしてそれを?まあ良い、そなたの言う通り、私と兄の一萬丸は父を殺した工藤祐経に恨みを抱いている事は事実だ、それがいかがした?」

光:「もし宜しければ、今日に至るその経緯を話してはもらせませんか?」

箱王丸:「・・・・」

箱王丸はしばし無言を貫いていた、するとその時、襖が開き1人の男が入ってきたshadow

箱王丸:「兄上・・・」

光:「兄上?という事は、あなたが一萬丸さんですか?」

一萬丸:「いかにも私が一萬丸じゃ。お話はそこで聞かせてもらった。私の口から話をしよう。」

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そう言うと、一萬丸は私に事の経緯を話し始めてくれたpaper

時は17年前の1176年までに遡る。「所領」争いの事で工藤祐経は曾我兄弟の祖父にあたる伊東祐親に恨みを抱いていた。

工藤祐経は刺客とともに「伊東祐親殺害」を企て待ち伏せをしていた。そして刺客が放った矢が、伊東祐親と一緒にいた嫡男の河津祐泰(つまり曾我兄弟の父親)に当たりdown彼は死んでしまう・・・

これがこの「曾我兄弟の仇討ち」の全ての始まりであるsign03

ここからは話がややこしくなるので、図を参考にしてくださいpaper

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亡くなった河津祐泰には妻・満江御前との間に、一萬丸箱王丸という2人の兄弟がいました。夫亡き後、満江御前は2人の息子を連れ、曾我祐信という男と再婚し、曽我の里で成長していきました。

その後、「平家」方についた伊東氏は没落しdown、曾我兄弟の祖父である伊東祐親は捕えられた後に自害しました。一方、曾我兄弟の父親を殺した工藤祐経は、早くに源頼朝に従って「御家人」となりました。

曾我兄弟は厳しい環境の中で成長し、兄の一萬丸は曽我の家督を継ぎ、曾我十郎祐成と名乗りました。弟の箱王丸は父の菩提を弔うべく、箱根権現社に稚児として預けられました。

1187年になり、源頼朝が箱王丸のいる箱根権現に参拝した際に箱王丸は偶然、父の敵である工藤祐経を見つけて、「復讐しよう!」とつけ狙ったのですが、「仇討ち」をするどころか逆に工藤祐経に諭されて、「赤木柄の短刀」を授けられたのですsign03

結局、弟・箱王丸による父の「仇討ち」は失敗に終わり、その後、箱王丸は出家を嫌って箱根を逃げ出し、曾我兄弟の叔母にあたる女性が前妻にあたる北条時政を頼り、そこで元服し、名を曾我五郎時致と改めました。

こうして、一萬丸と箱王丸の兄弟は離れ離れになりながらも、ともに父の「仇討ち」の事は決して忘れてはいなかったそうですgood

そして話は現在に戻り1193年6月、富士fujiの裾野で源頼朝は盛大な「巻狩り」を開催したのですが、それがいわゆる「富士の巻狩り」です。そこには、曾我兄弟の敵であるあの工藤祐経も参加していました。

歴史が正しければ、その「巻狩り」の前夜に曾我兄弟による「仇討ち」が起きるのですが、それが実は今日なのですbearing

光:「あの、もしやあなたたち兄弟は、父親の仇討ちをしようとしているのではないですか?」

一萬丸:「いかにも、今夜私達は17年前に殺された父の仇を討つsign03

箱王丸:「兄上、遂にこの日が来ましたね。」

一萬丸:「そろそろ時間じゃ、いくぞ箱王丸!」

箱王丸:「はい!」

そう言うと、2人は覚悟を決めた形相で屋敷を出て行った。私も2人の後をすぐに追いかけたdash

2人が着いたのは「巻狩り」をした源氏たちが寝泊りしている宿場であったhotel。静かにバレなういように忍び込み、2人は遂に工藤祐経を見つけたsign03

bottleに酔いつぶれた工藤祐経は遊女と眠りに就いていたが、2人は遂に父の「仇討ち」を決行する事にしたsign03

一萬丸:「起きろ!父の仇じゃ!」

工藤祐経:「貴様、何やつじゃ!」

一萬丸:「17年前にそなたに殺された河津祐泰の息子、一萬丸じゃ!」

箱王丸:「同じく、息子の箱王丸じゃ!父の仇じゃ覚悟しろ!」

そう言うと箱王丸は以前この工藤祐経から授かった「赤木柄の短刀」で、祐経をひと突きでし止めたのだsign03

あまりの迫力に私は声を出す事もできず、ただ呆然とするだけだったbearing

そこへ騒ぎを聞きつけた仲間の武士達が駆け寄ってくる足音footが聞こえてきた。

光:「まずいですよ、早く逃げないと殺されますよsign03

しかし既に遅かった、まわりを大勢の武士に囲まれた私達は完全に逃げ場を失ってしまったshock

一萬丸:「そなたは危ないので、隙をみて逃げなされ!」

光:「しかし・・・」

箱王丸:「いいから、あなたまで巻き込んでしまっては父の仇討ちの意味がなくなってしまう。」

光:「わかりました・・・」

一萬丸:「おりゃ!!!」

箱王丸:「なんぼのもんじゃい!!」

2人は決死の思いで、取り囲まれた武士達に向かい刀を抜いたsign03

私はその隙を見てeye何とか外へと逃げる事に成功したrun

こんな事もあろうかと先程、一萬丸と箱王丸の頭にCCDカメラcameraを装着してあったので、その映像で中の様子を確認してみる事にしたgood

2人はかなりの「刀使い」で武士たちを斬っていたが、兄の一萬丸が斬られてしまった・・・しかし、弟の箱王丸はまだ生きていた!

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次々と敵を斬り、源頼朝の館に押し入っていた。しかしすぐに敵に囲まれ、殺されずに捕えられてしまったbearing

日が変わり翌日になり、捕えられた弟・箱王丸は源頼朝の前で仇討ちに至った心底を述べた。

その話を聞き、頼朝は「命だけは助けよう」としたのだが、昨晩の仇討ちにより殺された工藤祐経の息子に促され、箱王丸の斬首を言い渡し、箱王丸もここで命を落としてしまった・・・

現代社会ではもちろん認められていない「仇討ち」、今から800年以上も前の時代で起きていたその現実を私は目の当たりにし、とても言葉では言い現せない感情になっていたbearing

人と人とが憎しみ合い、そして殺し合う、そんな世界は絶対に失くさなければならないsign03そう強く感じました。

曾我兄弟の「お墓」は現在、神奈川県横浜市にある「願成寺」の無縁仏の一群にひっそりと置かれているそうですconfident

今頃、彼らが天国で父と共に仲良く暮らしている事を祈り、今回の調査を終わりにしたいと思いますpaper

それではこれよりタイムアウトする事にしますcoldsweats01

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さあ、いかがでしたか今回の『タイムトラベラー光』はpaper次はいったいどの時代にタイムワープするのか、どうぞお楽しみにhappy01

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 7月8日

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「グァバ」

花言葉は「強健」です。

「グァバ」はフトモモ科に属する熱帯性低木で、カリブ海沿岸、中央アメリカ、南アフリカ北部、東南アジアなどに広く自生しています。

かつて古代インカ族が栽培していた果樹で、スペイン人によってヨーロッパに伝えられ、栄養豊富な果実として世界各地に広まりました。

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2012年6月18日 (月)

タイムトラベラー光~その四~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

今日は、あの話題の妄想シリーズ企画『タイムトラベラー光』第4話をお送りしたいと思いますhappy01

実はこの企画の元にもなっている、NHKで現在放送中tv要潤主演の『タイムスクープハンター』は明日の放送が「シーズンfour」の最終回となりますbearing

毎週楽しみに見ている僕としては残念で仕方ありませんが、またいつか「シーズンfive」がスタートする事を楽しみにしていますhappy01

それまで僕は自分のブログでお送りしている『タイムトラベラー光』の方で、楽しんでいきたいと思っていますpaper

それでは早速、今日も僕の“妄想劇場”の方にしばしの間、お付き合いの程を宜しくお願い致しますconfident

『タイムトラベラー光』

~その四~ 「天才建築家の最期」

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープマシン」の開発に成功したsign03

その開発にあたった「ノースジャスト社」では、極秘プロジェクトとして「時空瞬間移動システム」(STS)の実験を行っていたのだsign03

今日もその実験の一環として、あの男shadowが「時空」を超えた旅を続けていたのだ。

どうやら、あの男が乗った「タイムワープマシン」がもの凄い轟音impactをたてて到着したようですdash

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彼の名前は銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)、「ノースジャスト社」の社員である光は、今日も「時空」を超え、過去の歴史の出来事を調査して、未来に住む人々に伝えるために旅を続けるいるのだ。人は彼の事を「タイムトラベラー光」と呼ぶconfident

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光:「こちら銀龍です、司令室応答願います。」

光のその呼びかけに対応したのは、「ノースジャスト社」の司令室にいる女性オペレーターの園田ユリだった。

園田:「はい、こちら司令室です。銀龍さん、コードナンバーと現在地の確認をお願いします。」

光:「了解、コードナンバーは539231、西暦変換すると1926年6月7日、現在地はこの地理学で言いますと、北緯42度、東経2度、ヨーロッパ大陸南西部に位置するスペインのバルセロナという所にいます。」

園田:「了解しました。先日交換したスカウターの調子の方はいかがですか?」

光:「はい、スカウターの調子は良好です。」

園田:「他に異常はありませんか?」

光:「特に異常はありません。いつものように、タイムワープの影響で若干の頭痛がしますが、作業には支障がありませんので、すぐに調査を開始しますgood

園田:「わかりました、気をつけて調査を開始してください。」

光:「了解しました。」

ここで、ブログを見ている方にご説明しておきますが、私が「時空」を超えてやってきたこの時代の人々にとって、私は「宇宙人」のような存在です。この時代の人々に接触する際には十分に注意が必要となりますdanger。なぜなら、私自身の言動ひとつで歴史が変わる可能性もあるからです。

そこで、この時代の人々に接触する際には特殊な機器を使って調査を敢行しています。それについては、極秘事項secretなので詳しくお話する事はできませんが、今回も何とか無事に取材する事に成功しましたscissors

それでは早速、調査を開始する事にします。

今回私が調査するのは、20世紀を代表する1人の建築家「アントニ・ガウディ」という人物の生涯ですflair

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私は今、建築が中断したまま放置されている「サグラダ・ファミリア」の前にいます。市民shadowがいますので、少し話を聞いてみる事にします。

光:「すみません、ちょっとお話をうかがっても宜しいでしょうか?」

市民:「はい、何か?」

光:「このサグラダ・ファミリアを設計したガウディさんという方の事はご存知ですか?」

市民:「あっ、ガウディさんね、彼は温厚で無口な人だよ。でも凄く感じの良い人で、これを建築している時も常に私達市民の事を気に掛けてくれていたよ。」

光:「今、彼はどこにいるのですか?」

市民:「さて、どこかな。ここは建築を中断しているから、違う場所で何かを作っているのではないかな。」

光:「そうですか、ありがとうございました。」

市民から彼の人柄を聞いた私は、彼の手がかりを得るべく、彼が生まれた故郷へと向かう事にした。一刻も早く彼に会わなければ、彼から直接話を聞く事ができないのだから・・・

歴史があっているとすれば、今日彼は死を遂げるのだから・・・

その数時間後、光はようやくガウディの生家の前に到着したhouse

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光:「ここがガウディが幼少の頃を過ごした家です。」

1852年6月25日にこの世に生を受けたガウディは、3人の姉妹の末っ子として幼い頃を過ごします。

ガウディの父shadowは鉄板を加工して鍋や釜を作る銅細工師で、その姿を見て育った事が、ガウディにとっては自らの「建築家」としての素地になっていたのかもしれませんpaper

ガウディは幼少の頃は非常に病弱であったために、他の子供達と一緒に遊ぶような事は難しかったようですbearing。そのため、1人で「自然を観察」する時間が多く、かえってそれが彼の感性の豊かさを作ったとも言われています。

その1つのエピソードとして、彼は学校schoolの授業で、「鳥の翼は飛ぶためにある」と説明した教師shadowに対し、「鳥の翼は走るために使っている」と反論したとされていますpaper

これは、幼い頃からガウディが周囲にある物の造形をよく観察していたからで、彼自身は後に「自然は常に開かれていて、努めて読むのに適切な偉大な書物である」と語っていますconfident

12歳の頃、彼は友人達と「タラゴナのローマ遺跡」などに小旅行をしています。そこで彼は、実際にその遺跡を修復するための設計図を作り、修復を計画したともされていますflair

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ここが「タラゴナのローマ遺跡」ですが、奥には地中海が眺められる非常に心が落ち着く場所です。60年程前に彼はここに来ていたのですね・・・

彼は21歳になるとバルセロナの建築学校schoolに進学して「建築」を学ぶようになります。そして彼は、学業と並行して建築設計事務所でも働くようになり、幾つかの仕事にも携わりましたbell

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その1つがバルセロナの「シウタデラ公園」の装飾ですshine。ここに彼の建築家としての“原点”があるのかもしれませんねconfident

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こちらは「カサ・バトリョ」

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こちらは「カサ・ビセンス」

街を歩いていると彼が残した建築の数々が、輝きを放ちshine私の目に入ってきましたeye

彼の姿を捜し求めて街を歩き回っているうちに、私はエウセビオ・グエルの息子と名乗る1人の人物shadowに辿り着きましたpaper

私はその人物と「コロニア・グエル教会地下大聖堂」で待ち合わせをしました。

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実はこの大聖堂もガウディが建築したものの1つで、この設計を依頼したのが何を隠そうエウセビオ・グエルという人物だったのですpaper

光:「あなたが、グエルさんの息子さんですね?」

グエルの息子:「ああ、そうだよ。」

光:「あなたの父親は、ガウディさんとはどのような関係なのですか?」

グエルの息子:「私の父は、まだ“かけだし”だった彼の才能を見い出し、彼を支援し続けていた彼の一番の良き理解者のようなものだったんだ。まあそれは過去の話だけど・・・」

光:「今は違うんですか?」

グエルの息子:「父は8年前に亡くなったよ・・・」

光:「そうでしたか・・・今、ガウディさんがどこにいるかご存知ないですか?」

グエルの息子:「さあ、彼は父が死んでから変わってしまった。親族や友人が相次いで亡くなり、バルセロナの財政危機でサグラダ・ファミリアの建設も思うように進まず、私の父の死も追い討ちとなり、以前のような彼の偉大さは影を潜めてしまったと聞いてるよ。もしかしたら・・・」

光:「もしかしたら何ですか?」

グエルの息子:「もしかしたら、彼はアトリエにいるのかも・・・」

光:「アトリエですね、ありがとうございます!」

私は確信な事ではないが、彼がそこにいると信じてアトリエに向かう事にしたrun。彼にはもう時間が残されていない・・・

その数十分後・・・

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この扉doorの向こうが彼のアトリエです、入ってみましょうsign03

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ここが彼のアトリエ、しかし彼の姿はなかった・・・

この場所で数多くの独走的で芸術的なデザインpencilが描かれていたのかと思うと、思わず不思議な気持ちになってしまいました。

私はすぐにここを出て、ガウディの姿を再び捜し求める事にした。すると、道路を挟んだ向こうの通りに、私が持っている彼の写真と似ている男性shadowを発見したsign03

私は彼に近づき、そして話しかけてみる事にしたpaper

光:「すみませんが、あなたはガウディさんではありませんか?」

男:「いかにも、私はガウディだか、あなたはどなたですか?」

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彼が私が探し求めていたアントニ・ガウディだったshine

私は彼にこれまでの経緯を説明したが、彼は極端な取材嫌いであったために交渉はかなり難航したbearing。そして説得の末、何とか少しの時間だけ話を聞く事の了承を得たgood

光:「あなたが思う建築とはどういうものですか?」

ガウディ:「建築がどういうものかは、私にもいまだに分からない。ただ私は、美しい形というものは造形的に安定しているものだと思っている。そして構造というものは、自然から学ぶべきものだと思っている。つまり、自然の中に最高の形があり、それを建築に活かす事が私の職業でもあると思っている。それでは、私はこれからミサに行かなければならないので失礼するよ。」

そう言い残すと、彼は私に背を向けて立ち去っていた。たった一言ではあったが、非常に重みのある彼の言葉だったconfident

私が感慨深げな想いに浸っていると、少し離れたところで大きな衝撃音がしたimpact

「まさか!!」

私が慌てて向かったその先には、路面電車trainに撥ねられ倒れている1人の老人shadowの姿がsign03それは、紛れもなく先程まで私と会話をしていたガウディだったsign03

「誰か救急車を!誰か・・・」

私が大声を上げようとした時、司令室からの無線が鳴ったsign03

光:「はい、こちら銀龍、今ちょっと大変なところなので、後にしてもらえませんか!」

園田:「銀龍さん、ダメです!今そこであなたが助けを呼べば、歴史が変わってしまいます!やめてください!」

光:「しかし、目の前で今、ガウディさんが苦しんでいる・・・」

園田:「歴史が変わるという事は、多くの人類の存在が変わってしまいます!」

光:「しかし・・・」

私は涙を呑んでweep助けを呼ぶのをやめた・・・

実はガウディは、晩年になると身なりに気を遣っていなかったため、事故直後に「浮浪者」と間違われ手当てが遅れたために、事故の3日後に亡くなったとされていたのですpaper

3日後、歴史上の出来事通りに彼が亡くなったという知らせを聞いた私は、「サグラダ・ファミリア」の前に来た。

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彼が夢半ばで成し遂げることが出来なかったこの建造物は、皮肉にも後に「世界遺産」となり、世界中の人々が訪れる事になった。

彼は今、天国で何を思い過ごしているのか・・・そんな事を考えながら私は小さな花束を1つそこに置き、今回の調査を終える事にしたpaper

それではこれで調査を終え、タイムアウトする事にしますgood

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さあ、いかがでしたか今回の『タイムトラベラー光』confident。歴史を変える事ができないという、この任務がいかに非情で難しい事なのかという事を、今回は改めて感じさせられたそんな内容でしたねconfident

次回は果たしてどの時代のどの場所に「タイムワープ」するのか、次回に期待していてくださいねpaper

明日6月19日は、本家の『タイムスクープハンター』の「シーズン4」の最終回が放送されますsign03。どうか皆さん、ダマされたと思って一度で良いので見てみて下さいhappy01

僕の『タイムトラベラー光』とリンクするはずですからflairぜひ明日の午後10時55分は、NHKにチャンネルを合わせて、30分間の番組ですから目を離さずにご覧になってくださいtv。きっとハマると思いますscissorsこれは銀龍光からのお願いです、宜しくお願い致しますdelicious

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 6月18日

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「面高」(おもだか)

花言葉は「高潔」です。

「面高」はオモダカ科の多年草で、夏に白い花を咲かせ、水田や池沼に自生しています。食用の「クワイ」はこの変種です。英名の「アローヘッド」は葉を矢じりに例えた名前で、日本では葉を顔に見立てて、柄の上に高くつくので「面高」と名付けられたそうです。

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2012年5月27日 (日)

タイムトラベラー光~その参~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

「5月」も終盤になり、そろそろ「運動会」シーズンが到来ですねsports。この土日に「運動会」だったところもあったのではないでしょうかconfident

土曜日はあいにくの雨rainでしたが、今日は非常に天候にも恵まれてsun楽しい「運動会」になったのではないでしょうかhappy01

もうすぐ「6月」になりますが、北海道には「梅雨rain」がないはずですが、何かここ数年の天候を振り返ると、北海道にも「梅雨」があるのではないかと錯覚してしまうような「雨の6月」になっていますdespair。今年の「6月」はどんな天気になるのか気になるところですねconfident

さてそんな今日は、注目の妄想シリーズ『タイムトラベラー光』第3話をお送りしたいと思いますshine

1話と2話を終えて、僕の中ではなかなかの手応えを感じている「妄想シリーズ」ですscissors。皆さんもぜひ、「自分もその中に一緒にいるんだ」というように暗示をかけて、のめり込みながらご覧になってくださいねhappy01

それでは早速、第3話をスタートしますのでどうぞ最後まで飽きずに楽しんでくださいhappy02

『タイムトラベラー光』

~その参~ 「大津事件」

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープマシン」の開発に成功したsign03

その開発にあたった「ノースジャスト社」では、極秘プロジェクトとして「時空瞬間移動システム」(STS)の実験を行っていたのだsign03

その実験の1つとして前回、1789年のピトケアン諸島にタイムワープし、「バウンティン号の反乱」を調査していた銀龍光は、その時代からタイムアウトを試みようとしたのだが、その瞬間にとてつもない磁場に襲われたのだったsign03

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銀龍のその異変に気づいた「ノースジャスト社」の司令室にいるオペレーターの園田ユリは、無線で銀龍の名前を呼び続けたsign03

園田:「こちら司令室の園田です。銀龍さん、どうしました?応答願います、銀龍さん!」

光:「・・・・・」

園田:「銀龍さん!どうしました?銀龍さん!」

園田の必死の叫びにも、光からの応答は無かった・・・

そして、それから約20程の時間clockが過ぎた頃の事だった。

とある時代のとある場所に、「タイムワープマシン」の轟音impactが鳴り響いたsign03

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転がるように、「タイムワープマシン」から出てきた1人の男、そう、彼が銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)、「ノースジャスト社」の社員である光は、時空を超え、過去の歴史の出来事を調査して未来に住む人々に伝えるために、旅を続けているのだ。人は彼の事を「タイムトラベラー光」と呼ぶconfident

光はタイムアウトする瞬間に、何か強烈な磁場に襲われて、違う時代へとタイムワープしてしまったようだsad

光:「こちら銀龍、こちら銀龍、司令室聞こえますか?」

園田:「はい、こちら司令室の園田です!大丈夫ですか銀龍さん!」

光:「何とか無事です。」

園田:「いったい何が起きたのですか?」

光:「それはこちらが聞きたいくらいですbearing。1789年の時代からタイムアウトしようとした時に、何か強烈な磁場を感じて・・・それからの事は何が何だか・・・気がついたらいつかの時代にタイムワープをしてしまったようですbearing

園田:「今いる現在地を教えてください。」

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光:「それが・・・先程のタイムワープの影響で「スカウターeyeglassが故障して、現在地や西暦が分からないのです・・・」

園田:「分かりました、大至急、代用のスカウターを送りますので、現地の人に見つからないようにして、タイムワープマシンの中で待機していてください。」

光:「分かりました、宜しくお願いします。」

光は園田から新しい「スカウター」が来るのを待つために、タイムワープマシンで待機する事にしたpaper

それからおよそ2時間clockが経過し、マシンの中にある装置に園田からの「スカウター」が届いたgood

未来の技術では、どこにいるかも分からないタイムワープマシンにも物質を転送する事ができる程、その技術は進化しているのだgood

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光:「こちら銀龍です、司令室聞こえますか?」

園田:「はい、こちら園田です。代用のスカウターは届きましたか?」

光:「届きました。スカウターの調子は良いようです。」

園田:「それではコードナンバーと現在地を教えてください。」

光:「はい、コードナンバーは549902、西暦1891年5月11日、現在地はこの時代の地理学で言いますと、北緯35度1分4秒、東経135度51分16秒、日本の滋賀県滋賀郡大津町というところですgood

園田:「了解しました。その場所は未来では大津市となっていますが、当時は大津町という場所のようです。こちらで調べたのですが、銀龍さんがタイムアウトしようとした瞬間に、何らかの磁場が発生し、現在の場所にタイムワープしてしまったようです。日本だったのが不幸中の幸いでした。その時代のデーターを送っておきますので、調査を開始してください。」

光:「了解しました。若干、不安もありますが、このまま調査を開始しますgood

ここでブログを見ている方にご説明しておきますが、私が「時空」を超えてやってきたこの時代の人にとっては、私は「宇宙人」のような存在です。この時代の人々に接触する際には、十分に注意が必要となりますdanger。なぜなら私自身の言動ひとつで、歴史が変わる事もあるからです。

そこでこの時代に人々に接触する際には、特殊な機器を使って調査を敢行します。それについては「極秘事項secret」なので、詳しくお話する事はできませんが、今回も何とか無事に取材する事に成功しましたscissors

今回、私が調査するのは1891年5月11日に起きた「大津事件」です。

時計watchは正午を過ぎた頃ですが、大津町では今日、日本を訪問中のロシア帝国のニコライ皇太子の到着を待ち、多くの町民が集まっているようです。

早速、町の人にお話をうかがってみますpaper

光:「こんにちは、皆さんはニコライ皇太子の到着を待ってここにいるのですか?」

町の人:「そうだよ、ロシアからわざわざ来られるっていうからさ、一度お目にかかってみようと思ってさ。」

光:「ありがとうございました。」

どうやらこの町の人々は、ニコライ皇太子の訪問を歓迎しているようですconfident

司令室から送られてきた情報によると、ニコライ皇太子は先に長崎と鹿児島に立ち寄った後、神戸に上陸し、さらにこの京都を訪問するようですgood

当時はまだ小国だった日本では、明治政府をあげてニコライ皇太子の接待をしていたようです。

何か向こうの方が少し賑やかになってきたようですが、もしかするとニコライが到着したのでしょうか。少し向こうの方に行ってみる事にしますpaper

すぐ側に、警備の人がいるのでその男性shadowに少し聞いてみる事にします。

光:「すみません、ニコライ皇太子はもうすぐここに着くのでしょうか?」

警備の男性:「ああ、もうすぐそこまで来ているはずだ。」

光:「それにしても、ニコライ皇太子の人気は凄いですね。」

警備の男性:「人気?それは違う、あんたは何も知らないんだ。あいつはいずれ日本を侵略するつもりだ、その調査の目的で今回は日本に来たに違いないんだ!さあ、そこは邪魔になるから、早くそっちにいったいった!」

光:「分かりました、ありがと・・・うん?あなたはもしや・・・」

私が思わず言葉に詰まったのには理由がありました。それは、その警備の男の顔が、司令室から送られてきた情報の写真と同じ顔だったからですpaper

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その写真がこれですcamera

彼の名前は津田三蔵、彼はこの後、とんでもない事を起こすのですが、私がそれを止める事はできませんbearingなぜなら歴史が変わってしまうからです。

そうこうしているうちに、向こうから数台の人力車が近づいてきました。どうやらあの中に、ニコライ皇太子がいる模様ですpaper

そして、その人力車が私のいる目の前を通過しようとしたその瞬間の事だったsign03私の目の前にいて警備をしていた津田三蔵が、急に腰の「サーベル」を抜いて、人力車に向かって襲いかかって行ったのですsign03

光:「あっ!」

私は思わず声を上げてしまいましたが、津田がニコライ皇太子に向けて「サーベル」で斬りつけたのですsign03

辺りが騒然とする中、ニコライ皇太子は慌てて人力車から飛び降り、脇の路地へと逃げていきました。しかし、そのニコライ皇太子を追い掛けて津田も走っていきますrun

「このままではニコライ皇太子は殺される・・・」そう思った瞬間sign03ニコライ皇太子に同行していたギリシャのゲオルギオス王子が持っていた竹の杖で津田の背中を叩き、さらに人力車の車夫が両足を抑えつけ、警備中の他の巡査により、津田は取り押さえられたのですscissors

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上の写真の彼がニコライ皇太子ですが、彼は右側頭部に9cm近くの傷を負ったのですがが、命には別状はありませんでしたconfident

津田がなぜニコライ皇太子を暗殺しようとしたか?それは、先程彼が私に言った言葉が物語っていますpaper

当時の日本はまだ弱小国であったために、諸外国からの侵略というものは人々にとっては脅威だったのです。実際当時は「恐露病」と呼ばれるロシアを恐れる言葉も存在していましたから。

この津田が起こした事件により、ロシアの報復を恐れた日本政府は、明治天皇自らがニコライ皇太子のお見舞いに訪れるなどの異例の措置をとり、さらに政府は、ロシアに対しての謝意を示すために、津田三蔵を死刑にするべく裁判所に圧力をかけましたgawk

実はこのニコライ皇太子の暗殺未遂事件が起きた時、ロシア帝国の艦隊は神戸港に滞在中で、いつ武力による報復が起きてもおかしくはない緊迫した状況だったのですbearing

しかし、当時の法律からいけば、被害者が「日本の皇族」であれば死刑を宣告する事も可能でしたが、相手は「外国の皇族」という事で該当にはならず、法律上は「一般人」と同じ扱いでしたpaper

従って、ただのケガhospitalを負わせただけで死刑にするのは無理がありました。結果、裁判所は政府の圧力をはねつけ、死刑が宣告される事はなく、津田には無期懲役の判決が下されましたpaper

政府の圧力を跳ね返した事で、日本の法治主義遵守の立場が正当化され、司法の独立を守った事で、「大津事件」は三権分立の意識を広めた近代法学史上重要な事件ともされていますconfident

一方で日本国内では、ロシアの報復に対する恐怖心が強まり、学校は休校になり、神社は教会では皇太子の平癒の祈祷が行われたほか、皇太子の元には見舞いの電報が1万通以上も届いたそうです。

おおまかですが、以上の事が俗にいう「大津事件」ですpaper

ひとつ間違えれば、一触即発になりかねなかった1人の男性の行動でしたが、日本側の迅速な対応がその危機を何とか防ぎ、大問題にならなかったのかもしれませんconfident

それではそろそろ時間がないようなので、今回の調査を終えてタイムアウトする事にしますshine

またへんな磁場に襲われないか凄く心配ですが、タイムアウトする事にしますcoldsweats01

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さあ、いかがでしたか今回の『タイムトラベラー光』happy01次はいったいどの時代へ「タイムワープ」するのか、乞うご期待ですpaper

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 5月27日

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「蔓薔薇」(つるばら)

花言葉は「愛」です。

「蔓薔薇」は枝が蔓状になるバラの総称です。ヨーロッパでは、伝説に由来して「約束を守る」という意味で、「アンダー・ザ・ローズ」(バラの下で)という言葉が使われるようです。

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2012年5月 4日 (金)

タイムトラベラー光~その弐~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

長い人では「9連休」という今年の「ゴールデンウィーク」もいよいよ終盤に差し掛かりましたが、今日は朝から一日中、非常に強い雨が降り続いている一日でしたrain

少しでも早く、太陽さんsunの復活を期待したいものですconfident

さてそんな今日は、前回、衝撃の「第1話」をお送りした注目の妄想番組『タイムトラベラー光』をお送りしたいと思いますので、しばしの間、皆さんも楽しんでくださいねhappy01

『タイムトラベラー光』 

~その弐~ 「バウンティ号の反乱」

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープマシン」の開発に成功したsign03

その開発にあたった「ノースジャスト社」では、極秘プロジェクトとして「時空瞬間移動システム」(STS)の実験を行っていたのだsign03

今日もその実験の一環として、あの男shadowが「時空」を超えた旅に出発したのだったsign03

もの凄い轟音impactを響かせ、「タイムワープマシン」が到着したようですdash

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彼の名前は銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)、「ノースジャスト社」の社員である光は、今日も時空を超え、過去の歴史の出来事を調査して未来に住む人々に伝えるために、旅を続けているのだ。人は彼の事を「タイムトラベラー光」と呼ぶconfident

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光:「こちら銀龍です、司令室応答願います。」

光のその呼びかけに対応したのは、「ノースジャスト社」の司令室にいる女性オペレーターの園田ユリだった。

園田:「はい、こちら司令室です。銀龍さん、コードナンバーと現在地の確認をお願いします。」

光:「了解、コードナンバーは309184、西暦1789年4月28日、現在地はこの時代の地理学で言いますと、南緯25度4分、西経130度5分、南アメリカ大陸の西に位置するピトケアン諸島という島の首都である、アダムスタウンというところですgood

園田:「了解しました、異常はありませんか?」

光:「特に異常はありません。いつものように、タイムワープの影響で若干の頭痛がしますが、作業には支障がないのですぐに調査に入りますgood

園田:「わかりました、気をつけて調査を開始してください。」

光:「了解しました。」

ここで、ブログを見ている方にご説明しておきますが、私が「時空」を超えてやってきたこの時代の人にとっては、私は「宇宙人」のような存在です。この時代の人々に接触する際には十分に注意dangerが必要となります、なぜなら私自身の言動ひとつで歴史が変わる可能性もあるからです。

そこでこの時代の人に接触する際には、特殊な機器を使って調査を敢行しています。それについては「極秘事項secret」なので、詳しくお話しする事はできませんが、今回も何とか無事に取材する事に成功しましたscissors

それでは早速、調査を開始する事にします。

今回、私が調査するのは1789年4月28日に発生した「バウンティ号の反乱」ですflair

現在の時刻は午前10時23分watchです、私は特殊な交渉術で、太平洋上の荒波を航海中の「バウンティ号ship」に乗り込む事に見事に成功しましたgood

バウンティ号はタヒチ島からカリブ海に「パンノキ」を運ぶために、貨物船を買い上げて臨時の軍艦とした小型の船舶です。

この時の乗務員の内訳は、唯一の士官であるブライ艦長と、上級准士官3名、准士官11名、士官候補生6名、下士官14名、水兵11名の合計46名でした。(ただし途中で2名が死んでいるため、正確には44名です)

そもそも、このバウンティ号は1787年12月23日にイギリスのポースマス港を出航shipしたのですが、天候不順のために当初のルートを変更しながら、1788年10月26日にタヒチ島に到着したのです。

しかし、当初の予定より遅れてタヒチ島に到着した事で、「パンノキ」が熟すまで5ヶ月間待たなければならなくなったのです・・・そしてこのタヒチ島での長期滞在が、その後の運命を左右する事になったのですsign03

1789年4月4日にタヒチ島を出発したバウンティ号のブライ艦長は、航海長である上級准士官のフライアーを降格しdown、航海士のクリスチャンをNO・2に抜擢しましたpaper。この事が後の事件の引き金になろうとは・・・

船に乗り込んだ私は、早速すぐ近くにいた船員の1人shadowに会話を試みてみましたgood

光:「お忙しい所すみませんが、この船は今どこへ向かっているのですか?」

乗組員A:「この船はカリブ海を目指しているところだ。」

光:「今はどのあたりを航海しているのですか?」

乗組員A「:今か、今はトンガあたりだろ。」

光:「ありがとうございました。」

そう私が答えている最中、別の乗組員shadowがやってきて口を開いた。

乗組員B:「今日の夜、決行するぞ!」

乗組員A:「わかった!」

光:「何を決行するのですか?」

乗組員A:「今にわかるさ。」

その後しばらく、夜になるまで船の中は怖ろしい程に静かでした。まるで「嵐の前の静けさ」のように・・・

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ご紹介するのを忘れていましたが、この写真の男性が、このバウンティ号の艦長を務めているウィリアム・ブライ士官ですpaper

少しだけ彼にも話を聞いてみましょうhappy01。ただし、この後に反乱が起こる事は絶対に伏せて・・・かわいそうですが、その事を話してしまうと歴史が変わってしまうのでbearing

光:「忙しい所すみません、艦長はなぜこの船の艦長を引き受けたのですか?」

ブライ:「実は私は、この船の舵を取る事にはそもそも乗り気はではなかったのだよ。しかし、私が師と仰ぐキャプテン・クックの最後の航海におともを任された事で、すっかり名が知られるようになり、今回は王立芸術協会の特別な要請でこの船に乗る事になったのじゃ。」

光:「そうでしたか、今日はもう就寝するようですが、誰がこの船の舵を?」

ブライ:「この船は3つの組で当直制で運航しているのじゃ、そうでもしないと体が持たないからな。今日はクリスチャンの組が当直を務めているのだよ。」

光:「そうですか・・・」

私は、まもなく起きるであろう反乱の事を艦長に告げる事なく、その場を後にしましたbearing

いよいよ夜になりましたnight。歴史によれば、まもなくあの反乱が起きるはずですsign03

と、その時、船内に大きな怒鳴り声と物音が響き渡ったsign03

「やめるんだ!何をするんだ!」

それはブライ艦長の声だったsign03

私がその声の方に走って行くと、ブライ艦長は既にクリスチャン率いる反乱軍により拘束されていたbearing

反乱者たちの数はクリスチャンを含め12名と少人数であったが、他の船員達には抵抗する者はいないようだ。幸いにもこの反乱に“血”は流れていないようだ・・・

船を制圧したクリスチャンたちの意図は分からないが、彼らは非反乱者のうち13名を船に残し、ブライ艦長と他の18名の船員を救命艇とともに海に置き去りにしたのだsign03

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バウンティ号から救命艇に降ろされる乗組員たちは、何の抵抗もできずに荒波の中に放り出されたdown

私もブライ艦長の後に続き、救命艇に降ろされてしまいましたbearing

私のこの状況が、歴史を介在する事にならないか司令室に聞いて見ますsign03

光:「こちら銀龍です、司令室応答願います。」

園田:「はいこちら司令室、どうしました?」

光:「え~現在、私はバウンティ号から救命艇に降ろされたのですが、この事で歴史が介在する可能性はあるのでしょうか?」

園田:「大丈夫です。救命艇に乗ったらすぐにタイムアウトすれば、みんなの記憶には残りませんから。」

光:「わかりました、それではすぐにタイムアウトするようにします。」

園田:「お気をつけて。」

時間がないので、私はブライ艦長に最後に言葉を交わす事にした。

光:「艦長、これはいったいどういう事なんですか?」

ブライ:「私にもさっぱり分からない・・・クリスチャンがなぜこんな事をしたのか・・・」

光:「彼らには何か目的があるのでしょうか?」

ブライ:「この船を乗っ取ったところで何のメリットもないと思うのだが・・・タヒチに長く滞在してしまった事で、船員達の仕事に対する士気が下がったのかもしれないな・・・」

そう言葉を残すと、艦長は救命艇に乗っている他の船員達に色々と細かな指示を出し始めた。

その艦長の言葉を真剣に聞く船員達の姿を見ると、この艦長は非常に人望の厚い、信頼のおける艦長のように私には見えたeye。その艦長を裏切ったクリスチャンの行為の意図は、果たしてなんだったのか・・・

後で分かった事ですが、実はタヒチ島に滞在していた際にクリスチャンは島の女性と結婚し、他の船員達も現地での生活を満喫していたそうです。長期間タヒチに滞在した事が、船員の仕事への意欲を失わせたのかもしれませんねbearing

ブライ艦長を乗せた救命艇はその後、47日間かけてティモール島に辿り着き、翌年イギリスに帰国したブライは反乱の事を報告したそうです。

一方、クリスチャン率いる反乱者たちはタヒチ島に戻り、そこに16名が残り、クリスチャンら8名はタヒチの現地人を乗せて再び海に出て、イギリスの地図には載っていない「ピトケアン島」に辿り着き、そこで生活を始めたそうです。

それが、私が今回「タイムワープ」して辿り着いた場所だったという事ですpaper

今回のこの「バウンティ号の反乱」は、タヒチでの快適で楽な暮らしが、船員達の心に隙間を作り、本来の責務を忘れさせ、やがて快楽の道に揺れ動かした事が要因なのかもしれませんねconfident。人間の弱い部分、それを垣間見れたような気がしましたpaper

それではそろそろ時間がないので、今回の調査を終え、タイムアウトしますgood

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「うわっ~!!なんだこの強烈な磁場は・・・体が言う事を聞かない!」

さあ、いかかでしたか今回の『タイムトラベラー光』はhappy01最後で光がタイムアウトをしようとした際に何らかの事が起きたようですが、それについては次回、真相が分かりますので次回をお楽しみにhappy02

ちなみに今回出てきた「ピトケアン諸島」の首都である「アダムスタウン」とは、この島に辿り着いた反乱者たちの中で最後まで生き残っていた、水兵のジョン・アダムスの名前から付けられたそうです。そして、この島で「バウンティ号」が解体された場所は「バウンティ湾」と名付けられ、今でもそこにはその残骸が残っているそうですconfident

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 5月4日

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「山吹」(やまぶき)

花言葉は「崇高、待ちかねる」です。

「山吹」はバラ科の落葉低木で、春になると鮮やかな黄色の花を咲かせます。茎は緑色で根元から分かれており、一重のものは山野に自生し、八重のものは庭園に栽植されています。

「やまぶき」の語源は、「山振り」が転訛したものと言われ、枝がそよ風に揺れる様子を表しているそうです。

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2012年4月22日 (日)

タイムトラベラー光~その壱~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープ」の開発に成功したsign03

その開発にあたっていた「ノースジャスト社」の極秘プロジェクトでは、「時空瞬間移動システム」(Specetime Teleportation System)略して「STS」が、ある実験のもとで行われていたという事実はあまり知れ渡ってはいない。

そして、その実験の任務を遂行していたのは、ある1人の男shadowだった・・・

今日もその男は「時空」を超えて、歴史の目撃者となるべく「タイムワープマシーン」に乗り、過去の旅に出ていたshine

「グォーーー!!!」dash

どうやら、とある時代に「タイムワープマシーン」が到着したようですpaper

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彼の名前は銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)、「ノースジャスト社」の社員である光は、今日も「時空」を超え、過去の歴史の出来事を調査し、未来に住む人々に伝えるために旅を続けている。

人は彼のことを「タイムトラベラー光」、そう呼ぶのであったsign03

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光:「こちら、銀龍です。司令室、応答願います。」

光のその呼びかけに対応したのは、司令室にいる女性オペレーターの園田ユリだった。

園田:「はい、こちら司令室の園田です。銀龍さん、そちらのコードナンバーと現在地の確認をお願いします。」

光:「了解goodこちらのコードナンバー203883、西暦1989年4月15日、現在地はこの時代の地理学で言いますと、北緯53度23分09秒、西経1度28分10秒、イギリスという国のシェフィールドというところですgood

園田:「異常はありませんか?」

光:「機器には異常ありません。タイムワープにより若干の頭痛がしますが、作業に支障はないのですぐに調査を開始しますgood

園田:「了解です。気をつけて調査してください。」

それではここからは、ブログpcをお読みの皆さんに話しかけていく事にしますが、既に私の事についてはお聞きしたと思いますので、自己紹介は簡略させていただきますconfident

私は「時空」を超えた存在です。つまり、この時代の人にとっては「宇宙人」のような存在です。よって、この時代の人に接触するには細心の注意が必要となります。私の言動ひとつで「歴史」が変わってしまう事もありますからbearing

そこで私どもの会社が開発した特殊な機器を使い、この時代の人と接触をする事を可能にし、歴史が変わらないように注意しています。それについては「極秘事項」なので教える事はできませんが、この時代で調査をする事が私の任務なので、早速それを遂行したいと思いますpaper

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ここが今回の調査の目的地である「ヒルズボロ・スタジアム」です。今回の調査物件は「ヒルズボロの悲劇」です。

まだ周囲には人の姿はさほど見受けられませんが、かなり老朽化が進んでいるサッカーsoccerの競技場のように外観からは見えますeye

では、スタジアムの中に入ってみる事にしますgood

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現在の時刻watchは午前11時30分、まだ入場ゲートが開いていないので、客席には人は目立ちません。ピッチ上では選手による試合前の練習が行われていますsoccer

ちなみに今日の試合は、FAカップ準決勝の「リヴァプール」対「ノッティンガム・フォレスト」の戦いですpaper

選手の向こう側に見えるスタンドが今回問題となる「事故」が起きた場所ですpaper

「レッピング・レーン・エンド」と呼ばれるそのスタンドは、ご覧のように上段と下段の2層に分かれており、下段は全て「立見席」になっています。

正午をまわり、スタジアム内にサポーターが入場してきたので、私も「レッピング・レーン・エンド」の方に移動してみる事にしますconfident

数時間後・・・

ただ今、午後2時30分を過ぎましたwatch。試合開始まで30分を切り、スタジアムはかなりの観衆で賑わってきました。私がいる「レッピング・レーン・エンド」もリヴァプールのサポーターで混雑してきましたfull

どうやら入場ゲート付近で、警官達とサポーターの一部がもみ合いimpactになっているという情報が入っていますが、ここからは確認できません。

午後2時45分ですwatch試合開始15分前となりました。どうやら、入場ゲート付近で入場できないリヴァプールのサポーターが溢れており、現場の警官から「試合開始時間を遅らせるように」という要請があったようですが、警備本部はそれを却下したようですpaper

午後2時50分になりましたが、今僕のいる場所の下に位置する第3・第4ブロックの「立見席」に、先程入場できずにいたサポーター達が一斉に入ってきましたsign03

これはどういうことでしょうか?既にそこは満員の観客でほぼ埋め尽くされているはずなのに・・・

どうやらこの措置は、入場できないサポータ達の暴徒化を恐れた警官達が、退場者専用のゲートを開けて、そこから入場させた事によるもののようですpaper

しかし、これではあの場所の収容人数をかなり超えてfull、危険な状態になるように思われますsign03

午後2時52分ですwatchかなりの人が押し寄せ、既に“寿司詰め”状態ですbearing。一部の観客は密集度の低い、第1・第5ブロックの方に避難していますし、フェンスをよじ登り、私達のいる上段へ来ようとする人の姿も見受けられますeye。これは非常に危険な状態になってきましたdanger

私自身も身の危険を感じるので、一旦安全な場所まで避難しますpaper

数分後・・・

ただいま午後3時watchになり、ピッチでは予定通り試合開始のホイッスルが鳴らされ、試合soccerが始まっているようですが、第3・第4ブロックは依然と大変な状態ですsign03

次から次へと押し寄せる人の波で、最前列にいる観客はフェンスに圧迫されて気を失っている方もいますし、逃げ場を失ったためフェンスを登り、ピッチ側に逃げようとする方もいますが、警官隊によりそれを阻止されていますbearing

これは大至急何らかの措置を取らなければ、大変な事態になりますsign03

午後3時4分ですwatch遂に密集により圧がかかった鉄柵が崩壊downし、第3ブロック内で“将棋倒し”が起きていますsign03人が押しつぶされていきますbearing

「あっ!危ない!逃げろ!」

すみません、第3ブロックにいた人達がフェンスを登り、私達のいる上段に駆け上がってきたために、私達も非常に危険dangerな状態になり、今逃げてきたところですrun

15時6分ですwatch試合が中止されました。あまりの事態に、もはや試合どころではありませんcoldsweats02

ここからではよく確認eyeできませんが、第3ブロックではかなりの人が気を失いdown、嘔吐や失禁している人の姿もいるようです。一刻も早く、救急隊を動員しなければなりませんbearing

15時12分ですwatchようやくピッチ側にあるフェンスが撤去され、救出が始まりましたpaper。私達も今、身動きは取れない状態で、ただここでその状況を見守るしかありません・・・

救急隊はまだ到着していないようで、警官やサポータ達により、人工呼吸や心臓マッサージが行われていますが、かなりの数の負傷者が出ている模様ですsad

15時20分ですwatchようやく救急隊が到着したようです。しかし既に、ピッチの上にはかなりの負傷者が横たわっています。ピクリともしない人も多数見えますbearing

16時10分ですwatch私達もやっと身動きが取れる状況になりましたが、かなりの惨劇になっています・・・

原因は、収容人数を超えたサポーターを無理に入場させた事が最大の要因に思えますが、スタジアムじたいの「安全管理体制」にも問題があるように見受けられます。

結局、この事故によって犠牲になり命を落とされた方は96名・・・さらに766名の方が重軽傷を負いましたhospital

この事故の前から問題となっていた、「フーリガン」という暴徒化するサポータ達の行動も要因にあげられましたが、この惨劇にはそれよりも警備側の観客誘導に不手際があったのではないかと推測されますthink

この事故以降、イギリス国内のサッカースタジアムでは安全管理が徹底され、「立見席」を廃止して全面的に「椅子席」にしたり、フェンスを撤廃するなどの改善が決定されましたpaper

この事故の惨さを忘れないためにも、「ヒルズボロ・スタジム」の前には、記念碑が建てられているようですが、それは司令室に連絡して写真を送ってもらう事にしますcamera

光:「司令室、こちらは銀龍ですが、応答願います!」

園田:「はい、こちら司令室の園田です。どうされましたか?」

光:「ヒルズボロ・スタジアムの前にある記念碑の写真を送っていただけませんか?」

園田:「はい、了解しました。すぐに送信しますので、お待ちください。」

数分後・・・

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こちらが「ヒルズボロの悲劇」の記念碑です。96人の亡くなった方のご冥福を心からお祈り致しますconfident

1989年4月15日、「ヒルズボロの悲劇」の調査をこれで終了しますpaper

それでは私はこれより「タイムアウト」して帰還する事にしますが、また皆さんにいつかどこかでお会いしましょうconfident

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こうして、タイムトラベラー銀流光は無事に調査を終え、再び2545年の世界へと帰って行ったdash

さあ、いかがでしたか今日からスタートした新シリーズ企画「タイムトラベラー光」、楽しんでいただけましたかhappy01

「どこかでこんな番組見た気がするな・・・」と思った方、それはきっと気のせいですcoldsweats01。決して、NHKで要潤が調査員として「タイムワープ」しているあの番組ではありませんからねsmile

かなり類似しているところはありますが、これはあくまでも僕の妄想シリーズですflair。なので、当然のごとく出て来る個人名や名称等は全て架空のものでフィクションですpaper

不定期ではありますが、このシリーズ企画はこれからもちょくちょくやっていきますので、楽しみに待っていてくださいねwink

皆さんも「時空」を超えて、「タイムワープ」してみませんか?

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 4月22日

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「小手毬」(こでまり)

花言葉は「優雅、品位、努力する」です。

「小手毬」はバラ科の落葉小低木で、原産地は中国です。古くから日本で観賞用に栽培されており、春になると「ユキヤナギ」に似た白色の小花を多数球状につけます。

名前の由来は、白い小さな花の塊を「手毬」に例えて付けられました。19世紀の初めに伝わったヨーロッパでも、優雅で明るい雰囲気から愛されています。

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2012年3月26日 (月)

『アフタースタイル』~カット10~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

今日はいよいよ、1月からスタートした連続ブログ小説『アフタースタイル』最終回ですsign03

巷では『アフスタ』と呼ばれ、4月からの新年度に美容師hairsalonを志して美容学校schoolに入学する人が増えるという、「アフスタ現象」が起きているとかいないとか(笑)

「月9」に対抗して、毎週月曜日の夜に更新してきたこの『アフスタ』ですが、作者(僕)が毎週締め切りに追われながらも、何とか原稿pencilを間に合わせる事で、この月曜日に毎週ご紹介する事ができましたhappy01

最終回を迎える寂しさとともに、これで原稿に追われる心配がなくなったという“安堵”の気持ちでいっぱいの作者(僕)ですcoldsweats01

当初の予定通り全10話で最終回を迎える事になりましたが、あくまでも素人の僕が書きおろした小説ですので、至らぬ点は多々あったと思いますbearing。何卒、そのへんは目を瞑っていただき、今日も非常に長い文章になっていますが、最後まで飽きずに楽しんでいただければ幸いかと存じますconfident

それでは前置きはこのへんにしておき、『アフスタ』の最終回、ドラマ風にいえば「90分拡大版」でお送りしたいと思いますので、どうぞ最後まで楽しんでご覧くださいpaper

『アフタースタイル』 脚本・演出:猫男爵

<CAST>

大澤怜雄:滝沢秀明

町村真奈美:加藤あい

南條茜:綾瀬はるか

望月龍平:小栗 旬

町村功治:渡辺いっけい

町村由紀:岡江久美子

藤堂弥生:天海祐希

上田達也:妻夫木聡

大澤すみれ:菅野美穂

小峰健太郎:竹野内豊

馬場勝一:橋爪 功

南條卓:豊川悦司(特別出演)

※この『連続ブログ小説』はフィクションであり、登場する人物・名称等は全て架空のものであり実在しません。

☆カット10☆ 『夢を買う男』

<前回までのあらすじ>

幼い頃に両親を交通事故で亡くし、父と同じ美容師の道を志した主人公の大澤怜雄は、天性の才能を活かし、都内有名美容室「アクア」のNO・2にまで登りつめた。しかし怜雄は突然「アクア」を辞め、両親が経営していた美容室を再開させる事にした。

縁があってアシスタントとして南條茜を雇う事になった怜雄のもとには、なぜか「心の悩み」を抱えた客が訪れる。怜雄は髪を切りながらも、客が心から笑って帰る事ができるように「心の悩み」を見事に解決していく。

怜雄のもとを訪れた森岡夏稀という女性は、怜雄がよく行く喫茶店の店主である小峰健太郎の元彼女だった。夏稀は怜雄の言葉に背中を押され、健太郎に気持ちをぶつけてみる事にした。そして想いは通じ、健太郎と夏稀は一緒にイタリアに行く事になった。

喫茶店「ケンタロウ」の前には引越し用のトラックが1台停まり、店の中から荷物が次々と運び出されていた。店内には店主の小峰健太郎の他に、引越しの手伝いにきた大澤怜雄南條茜、それに町村功治町村由紀の姿があった。

『みんな、すみませんね、忙しいのに。」健太郎は申し訳なさそうに言った。

『どうって事ないさ、ウチは少しぐらい店を閉めてきたって、客も滅多に来ないんだから、そんなに影響ないよ。』笑いながら功治が言った。

『何だか寂しくなるわね、健太郎さんのコーヒーcafeもう飲めないなんて・・・』寂しい表情を浮かべながら由紀は言った。

『急にこんな事になって、みんなには何って言ってお詫びをすればいいのか・・・』健太郎は少しうつむきながら話した。

『お詫びなんてする必要ないさ、健太郎は自分の幸せだけを考えればいいんだよ。』功治は健太郎に語りかけた。

『そうですよ健太郎さん、イタリアで夏稀さんが待っているんですから、早く向こうに行ってそして2人で夢を掴んで下さい。』茜が元気な声で健太郎に言った。

『ありがとう、おじさん、茜ちゃん。』健太郎は功治と茜の目を見つめた。

『今度、イタリアに遊びに行こうかな~』茜はおどけて見せた。

『そうだ!おいでよ茜ちゃん!色々と案内するからさ。』健太郎は茜に言った。

『本当に良いんですか?約束ですよ!』茜は健太郎に笑顔を見せた。

そして健太郎は、茜の横にいる怜雄の方を見て話し出した。

『怜雄、お前には本当に色々と世話になったな、ありがとう。お前がいなかったら、俺の人生は退屈なままで終わっていたかもしれない・・・本当にお前に出会えて良かったよ、俺も夏稀も。』

怜雄にそう語りかける健太郎の目は、今まで見た事のないような優しい目をしていた。

『俺は別に何もしてませんよ。健太郎さんは、自分の意志で自分の人生を選んだのですから、向こうに行っても頑張ってください。』怜雄は笑顔でそう答えた。

『ありがとう。あとな・・・』健太郎は何かを言いたそうだった。

『何ですか?』怜雄がそう聞くと、健太郎は怜雄の耳元に顔を近づけてこう言った。『茜ちゃんのこと、大切にしろよ。』

『えっ、何ですか?それどういう意味ですか?』怜雄は思わず健太郎に聞き返した。

『それじゃ、俺はそろそろ行きますね。』健太郎は怜雄の問いに答える事なく、みんなに別れを告げた。

『ちょっと健太郎さん、それどういう意味・・・』怜雄は結局、その意味を聞けなかった。

『どうしたんですか怜雄さん?』そんな怜雄に茜が聞いてきた。

『いや、別に何でもない・・・』怜雄は口を濁した。

『元気でな健太郎、真奈美も本当は顔を出したかったんだが、今日はどうしても外せない仕事が入ったみたいで・・・あいつも健太郎にくれぐれも宜しくと言っていたぞ。』功治は真奈美の伝言を伝えた。

『はい、ありがとうございます。真奈美ちゃんが良い“物書き”になる事を、向こうで祈っています。』健太郎はそう答えた。

『健太郎さん、元気でね。』由紀は健太郎の手をしっかりと握りしめた。

『はい、おばさんも元気で。』健太郎は力強く由紀の手を握り返した。

『それでは、小峰健太郎、イタリアに行ってまいります!』最後にそう言葉を発した健太郎の目には、熱いものが込み上げていた。

健太郎を乗せた車が動き出し、健太郎はみんなのもとを去って行った。

『元気でね、健太郎さん!』徐々に遠くなる車を見ながら、茜は大きな声で叫んだ。

『ありがとう、健太郎さん・・・』怜雄は小さな声でそう呟いた。

『本当に行っちまったな・・・別れっていうのはいつの時も辛いものだよ・・・』功治はポツリと呟いた。

その頃、町村真奈美は自分が勤務する出版社にいたbuilding。その出版社の来客室で真奈美は、上司でもある怜雄の姉の大澤すみれとともに椅子に腰を掛けて、来客を待ちわびていた。

その時、来客室の扉が開いたdoor

『チーフ、藤堂様がお見えになりました。』部下がすみれにそう言った。

『どうぞ、入ってください。』すみれはそう声をかけた。

『失礼します。』そう言いながら部屋に入ってきたには、都内有名美容室「アクア」のオーナーである藤堂弥生だった。

『どうぞ、こちらへ。』すみれは藤堂を椅子に座らせたchair

『今日は、突然のお願いをお受けいただきまして、ありがとうございます。』藤堂は丁寧に頭を下げた。

『彼女は私の部下で町村真奈美です。ご存知だとは思いますが、そちらの上田さんの取材を何度かさせていただきました。』すみれは藤堂に真奈美を紹介した。

『はじめまして、町村真奈美と申します。』真奈美は藤堂に挨拶を交わした。

『あなたの事は上田から聞いています。上田もあの取材はとても喜んでおりましたから。』藤堂は優しい口調で答えた。

『早速ですが、お話というのは?』すみれは単刀直入に聞いた。

『実は・・・』少し間をおき、藤堂は口を開いた。

数十分後、出版社での話を終えた藤堂は、建物buildingを出て空を見上げていた。

『大澤怜雄か・・・私の負けね。本当はあなたとずっと一緒に仕事がしたかったわ・・・』藤堂は空を見上げながら呟いた。と同時に、何かスッキリとした気持ちでいっぱいだった。

一方、出版社の中では、すみれと真奈美が藤堂について話をしていた。

『意外でしたね、藤堂さんからあんな言葉が出るなんて。』真奈美はすみれに語りかけた。

『そうね、あの人は絶対に人に弱みのようなところを見せない人だと思っていたわ。』すみれは不思議そうな顔をしていた。

そして数十分前の来客室での事を思い出していた。

『実は・・・上田は先日「アクア」を辞めました。』藤堂は上田が「アクア」を辞めた事実を話し出した。

『えっ?上田さんが・・・』真奈美は驚いた様子だった。

『多分、私のやり方に腹を立てたのだと思います。今だから正直に言いますが、私はあなたの弟さん、怜雄さんともう一度一緒に仕事がしたかったんです。でも、そのためには上田という存在は邪魔になると思っていました。そこで、上田に他の美容室に移籍してもらおうと考えたんです。』藤堂は素直な自分の気持ちをすみれに話し出した。

『でも怜雄さんは、私が思っていた以上に芯の強い“一流”の美容師でした。自分の掲げた“ビジョン”を一切崩すつもりはなかったみたいで、はっきりと断られました。私は正直、動揺しました。今まで何もかもが自分の思い通りになっていたものが、そうならなくなっている・・・そう思った時、上田までもが私のもとから去っていったんです。』藤堂は下を向きながら、すみれに話した。

『怜雄もいない、上田さんもいない。あなたはどうやってこれから「アクア」を経営していくのですか?』すみれは藤堂に尋ねた。

『それは、私自身が変わる事です。今までの私のやり方は間違っていたのかもしれません。お客の気持ちになって何かを考えた事など一度もなかった。それを怜雄さんに教えられたし、美容師の気持ちを上田に教えられました。これからは、私自身が生まれ変わって「アクア」を作っていきます。』藤堂は一言一言、言葉を噛み締めるように話した。

『それで、私どもにお願いというのは?』すみれは再び藤堂に尋ねた。

『取材をお願いしたいんです、新生「アクア」の特集を組んでは貰えないでしょうか?』藤堂は必死にすみれに訴えかけた。

『わかりました、そのようなご要望でしたら喜んでお受け致します。』少し間をおいて、すみれは答えた。

『ありがとうございます。』藤堂は心から喜んでいた。

『ただし、それには1つだけ条件があります。』すみれは藤堂の目を見て言った。

『条件?何でしょうか、それは?』藤堂の目は真剣だった。

『藤堂さんに行って欲しいところがあります。』すみれはそう口を開いた。

数日後、「janus」では来客の準備をする怜雄と茜の姿があった。

『今日のお客さんは「南條勇三郎さん」って言うんだけど、茜ちゃんと同じ名字だね。』怜雄は唐突に茜に話しかけた。

『たまにいるんですよね、「南條」っていう名字の方。』茜は準備をしながら怜雄に答えた。

『そういえば、この前の週刊誌にも何か出てたな、「南條グループ」がどうとかこうとか。』怜雄はそう茜に話しかけた。

『そうですか・・・』茜は下を見たまま答えた。

そんな時、店の前に大きな一台の黒色の高級車が停まった。

「janus」の隣りで本屋を営む功治はその様子を由紀に告げた。

『母さん!今日の怜雄のところのお客さんは、凄いお客みたいだぞ。』功治はやや興奮気味に由紀に教えた。

『あら本当ね、あんな高級車で来る人は初めてよね。』由紀もその高級車に驚きをみせた。

『怜雄の奴、大丈夫かな・・・緊張して上手に髪切れないんじゃないのか?』功治はそう呟いた。

『何言ってるのよ、怜雄君の腕前あなた知らないの?怜雄君に切れない髪なんてないのよ。』由紀は功治の言葉を一蹴した。

『それもそうだな。』功治は苦笑いを浮かべた。

「janus」では店の扉doorが開き、スーツを着た背の高い男性shadowが入ってきた。彼は南條卓、何を隠そう茜の父親だった。

『いらっしゃいませ、南條勇三郎様ですね、お待ちしておりました。』怜雄は卓に向かってそう言葉を発した。

『いえ、勇三郎は私の父です。こちらが父です。』卓は怜雄にそう話すと、扉の外から勇三郎と思われる人物を連れてきた。

そして、卓に続き店に入ってきたのは何と怜雄の競馬仲間の馬場勝一だったsign03

『あれ、馬場のじっちゃん?そっか、やっぱりじっちゃんは茜ちゃんのお祖父さんだったのか、そして南條グループの会長さんか。』怜雄は笑みを浮かべながら言った。

『なんだ小僧、気づいておったのかsign02さすが、お前さんの人を見抜く眼力と、人の心を感じる力は本物だな。』勇三郎は笑いながらそう言った。

そんな事が起きているとも知らず、「janus」の前にSPが立ってる様子を由紀と功治は見ながら話していた。

『ねえ、あの人たち店の前に立っているけど、何してるの?』由紀は功治に尋ねた。

『母さん、あれが噂の“PS”ってやつだよ、ほら総理大臣とか有名人とか、お金持ちの人の警備をする人達だよ、俺初めて見たよ。』功治は由紀にそう言った。

『それを言うなら、“SP”でしょ。』由紀は功治にそう答えた。

「janus」では勇三郎(勝一)が怜雄に対して口を開いていた。

『悪かったな小僧、いや今日は“怜雄”と呼ばせてもらおうか。』勇三郎はそう怜雄に話しかけた。

『かまいせんよ、あなたが誰であっても、俺にとっては競馬の師匠である事に変わりはありませんから。』怜雄は冷静沈着に答えた。

『ゴメンなさい怜雄さん、今まで黙っていて。』茜は怜雄に向かって申し訳なさそうに言った。

『茜ちゃんがお嬢様だったとはね、それはかなりビックリしたよ。という事は、そこの背の高い方は・・・』怜雄は苦笑いしながら茜に話したのち、卓の方を見た。

『私が茜の父親の南條卓です、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。いつも茜がお世話になり、ありがとうございます。』卓は丁重に怜雄に頭を下げた。

『そうでしたか、それでは南條勇三郎様、こちらへお座りください。今、準備を致しますので。』怜雄は勇三郎に言葉をかけた。

勇三郎(勝一)は椅子に座り、怜雄はその背後に立ち、髪を切る準備をしていたhairsalon

『怜雄、いつから気づいていたんだ?わしが茜の祖父だと。』勇三郎は鏡越しに怜雄に尋ねた。

『実は以前、茜さんが遅刻してきた時、ここに向かっていたお客さんと偶然、道でぶつかった事があったんです。それで、その時に茜さんが落としたタイピンを、お客さんが拾ってくれて、帰り際に茜さんに返してくれたんです。その時、そのタイピンが馬horseのタイピンだったんですよ。それを見た時、俺は競馬場でいつもあなたが付けていたものと同じような気がしていたんです。』怜雄はその時の事を思い出しながら話した。

『なるほど。』勇三郎は小さくうなずいた。

『でもその後、あなたは競馬場になかなか姿を現さなくなったから、確認する事もできないまま、そのうちに頭の中からその事は薄れていたんです。』怜雄はそう勇三郎に話した。

『たいしたものじゃな、実を言うと、お前さんの事をもっと詳しく知りたくて、わしは孫の茜をここへ潜入させたのじゃ。』勇三郎は真実を語り出した。

『潜入?でも、俺はアシスタントを募集したわけでもないし、茜ちゃんが働くようになったのは偶然というか・・・』怜雄は困惑した表情を浮かべた。

『その偶然こそが、わしの狙いじゃよ。わしが偶然で馬券を取った事があるか?うん?お前さんなら一番その事を知っておるじゃろ?』勇三郎は口元を緩ませながら怜雄に言った。

『じゃあ、茜ちゃんがここで働く事になったのも、予定通りだったという事ですか?』怜雄は勇三郎に尋ねた。

『そうじゃ。』勇三郎は小さくうなずいた。

『怜雄さん、ごめんなさい!私が友達に頼んで、真奈美さんのお父さんのお店のところに、怜雄さんの美容室でアシスタントを募集しているというチラシを貼るように、お願いしたんです。』茜は申し訳なさそうにそう言った。

『そっか、おじさんのところに貼ってあったチラシを見て、茜ちゃんはここに来たんだった!あれも全て、じっちゃん、いえ、あなたの計画だったのか・・・』怜雄は思い出したようにそう言葉を発した。

『そうじゃ。』勇三郎は誇らしげにうなずいた。

『騙してごめんなさい、怜雄さん・・・』茜は謝るだけだった。

『でも、そうまでして茜さんを俺の側において、あなたは何を企んでいるのですか?』怜雄は勇三郎に尋ねた。

『こうなったら素直に話すしかないようじゃの。怜雄、お前さんに南條グループの後継者、つまり茜の婿になってもらえないだろうか?お前さんに南條グループを任せたいのじゃ。』勇三郎はそう怜雄に話し出した。

『俺が南條グループの後継者?茜ちゃんと結婚?』あまりにも衝撃的な言葉に、怜雄は驚きを隠せなかった。

『そうじゃ。』勇三郎は怜雄の目を真剣に見つめていた。

『今、南條グループの後継者って言ったけど、卓さんがいるんじゃないですか?』怜雄は再び勇三郎に尋ねた。

『卓は元気そうに見えるが、実は余命半年の病魔に襲われているのじゃ・・・こんな事をお願いするのは勝手な事だと言うのは、わしも重々承知している。しかし、わしには、そして南條グループには、時間がないのじゃ・・・わしもこの歳じゃ、いずれは逝く道じゃ、その前に後継者を育てなければ南條グループに未来はないのじゃ・・・頼む怜雄、わしに「大澤怜雄」という最後の大きな夢を買わせてもらえないかの?』勇三郎は心に秘めていたその全てを怜雄に打ち明けた。

『・・・・』怜雄はあまりにも突然の事に言葉が出てこなかった。

『私からもお願いします!私がこんな事を言えた立場ではないのですが、私の分も父と南條グループを守って欲しい。』今までずっと沈黙していた卓が口を開いた。

『怜雄さん、私からも、どうかお願いします!』茜も必死に怜雄に訴えた。

『・・・・』怜雄は無言だった。

そして少し間をおいて、口を開いた。

『わかった、いいよ。』怜雄はそう答えた。

『えっ?』茜は思わず驚いた。

『本当か、本当なのか?』卓も声を荒げた。

『・・・・』勇三郎は微笑んでいた。

『でもそれには条件がある。じっちゃんならきっと感じるはずだ、俺の心を・・・これから黙ってじっちゃんの髪を切らせて欲しい。』怜雄は勇三郎にそう話した。

『それが条件なのか?そんな事なら、たやすい事じゃ。』勇三郎は怜雄の言う事を了承した。

怜雄はひたすら無心に髪を切った。その姿は、昔幼き頃に怜雄が見ていた父の姿がのり移っているようだった。

店の中は、何とも言えない緊張感が張り詰めていて、ただ、怜雄が勇三郎の髪を切るハサミの音だけが静かに響いていたhairsalon

そして、勇三郎の髪を切り終えた怜雄が口を開いた。

『終わりました、いかがでしょうか。このような感じに切らせていただきましたが、宜しいでしょうか。』怜雄は勇三郎に問いかけた。

『ああ、ありがとう。とても心地の良い時間だったよ。』勇三郎はあまりの気持ちよさに、感動していた。

そしてすぐさま、気になっていた事を問いかけた。

『髪を切られている時、鏡に写っているのを見て気になっていたのだが、あの後ろの絵は何の絵じゃ?』勇三郎はその絵の方を指さした。

『あれは、ローマ神話に出て来るローマの神「ヤヌス」です。』怜雄は答えた。

『なるほど、あれが「ヤヌス」か、2つの顔を持ち、過去と未来を映すと言われる神か・・・』勇三郎はそう話した。

『よく、ご存知ですね。』怜雄は勇三郎に感心した。

『そうか!それでこの店の名前は「ヤヌス」なのか、なるほどお前さんがここでどうして髪を切りたいのか、それを生業としているのか、私にはよくわかったよ。』勇三郎は何かを悟った。

『そうですか。』怜雄は小さくうなずいた。

『人の心を変える事のできる力、髪を切った後に何かさっきまでの自分とは違う自分になって気持ちになれる力、「アフタースタイル」じゃな。』勇三郎は微笑みながらそう言った。

『俺はただ、みんなが心から笑って帰ってくれれば、それだけで幸せなんです。』怜雄も微笑みながらそう言った。

『怜雄、さっきの話は無かった事にしてくれ。』勇三郎はそう言うと、椅子から立ち上がった。

『えっ?お父さん・・・』卓は呆然とした。

『おじいちゃん?』茜も立ちすくんでいた。

『私がバカじゃった。わしはとんでもない間違いをするところじゃった。怜雄に頼る事ばかりを考え、一番大切な事を忘れておった。未来は自分で作るものじゃ、わしは自分でその事を怜雄に教えたはずだったのじゃが、いつしかその事を見失っていた。』勇三郎は噛み締めるように話した。

『さすがは、俺の師匠ですね。』怜雄は勇三郎の顔を見つめた。

『ただ、今わしは確信したよ、お前さんの事を1人の人間として見ていた私の目は正しかった。それだけは私の誇りじゃ、よし帰るぞ。』勇三郎はそう言うと、帰る支度をした。

『お父さん・・・』卓は言葉に詰まった。

『おじいちゃん・・・』茜も同様だった。

『怜雄、いくらじゃ?』勇三郎は、そんな卓や茜を尻目に怜雄に問いかけた。

『えっ?』怜雄は勇三郎の問いが、何の事か一瞬わからなかった。

『カット代じゃよ。』勇三郎は答えた。

『ああ・・・3500円です。』怜雄も戸惑いながらも答えた。

『よし、それじゃこれでちょうどじゃの。』勇三郎はそう言いながら、財布から3500円を取り出し怜雄に手渡した。

『ありがとうございました。』怜雄はいつもの客と同じように頭を下げた。

『茜も行くぞ、帰る準備をしなさい。』勇三郎は、茜に帰る支度をするように促した。

『すまかったな怜雄、茜を少しの間だったが雇ってもらって、感謝しているぞ。』勇三郎は微笑みながら怜雄にそう言った。

『いえ、そんな・・・』怜雄は戸惑っていた。

『怜雄さん、ごめんなさい、騙してしまって・・・でも、最初はおじいちゃんのためだったけど、途中からこの仕事にやりがいを感じてきた事だけは信じてくだだい。』茜は真剣な表情で怜雄に話した。

『ああ、信じるよ。』怜雄はそう答えた。

『さあ行くぞ茜。怜雄、今回の事は今回の事じゃ、また競馬場で会おう。』勇三郎は笑顔で怜雄の肩を叩いた。

『ああ、俺もそれがいいよ、馬場のじっちゃん、いや南條さん。それとお願いがあるんですけど・・・』怜雄は店から出ようとする勇三郎にそう話しかけた。

数日後、怜雄は競馬場にいたhorse。勇三郎の姿はなかったが、そこに上田達也が現れた。

『どうだ、そんなに競馬って儲かるのか?』上田は怜雄に背後からそう語りかけた。

『上田?どうしてここに?』怜雄は上田がいることに驚いた。

『俺にも、競馬のやり方を教えてくれよ。』上田はターフの方を見て、微笑みながらそう言った。

『授業料は高いぞ。』怜雄も上田と目は合わさずそう答えた。

『金取るのかよ!』上田は笑いながら怜雄の方を見た。

そして上田はすぐに怜雄に話し出した。

『今度、俺も自分の店を出す事にしたんだ。従業員3人の小さな店だけど、客が喜んで帰ってもらえる店にするよ。これでようやく同じリングに上がれた、これからが本当の勝負だぞ怜雄!』そう語る上田の目は凄く優しい目をしていた。

数日後、怜雄は「janus」でいつものように店を開いていた。

怜雄は一通の絵葉書を見ていた。それは健太郎がイタリアから送ってきたものだった。しかし、店内にはいつも聞こえる茜の明るい元気の良い声は無かった・・・

『健太郎さん元気そうだな、イタリア人に囲まれて楽しそうだ。この雰囲気に髭は本当に似合うな。』怜雄は健太郎から送られてきた絵葉書を見ながら、独り言を言っていた。

その時、店の扉が開きdoor、怜雄の友人の望月龍平が入ってきた。

『よっ、怜雄。』龍平はいつもの感じで店に入ってきた。

『おう、龍平か。』怜雄はそんな龍平に返事をした。

『茜ちゃんの事は聞いたぜ、まあお前はこの店がなきゃ、お前じゃないからな。』龍平はいつもと同じようにふるまった。

『なんだよ、それ。』怜雄も同じように龍平に対した。

『お前が落ち込んでるんじゃないかと思って顔出したけど、大丈夫そうだな。また来るよ、俺も貧乏暇なしとやらで、結構忙しいからさ、またな。』龍平はそう言い残し、店を出て行った。

『龍平のやつ・・・』怜雄には龍平の気持ちが痛い程わかっていた。

少しの静寂が怜雄を包んだ。そして怜雄が微笑み浮かべた時、店のドアが開いたdoor

『遅れてすみません、もうお客さん来てますか!』その明るく元気な声の主は茜だった。

『まだ来てないけど、遅刻だぞ。早く準備して、茜ちゃん。』怜雄は微笑みながら言った。

『はい、急いで用意します。』そう言う茜の顔にも笑顔が溢れていた。

実は、怜雄が勇三郎に頼んだ最後のお願いというのは、茜を以前と同じようにこの店で雇わせて欲しいという事だった。

そして再び、店の扉が開きdoor、入ってきたのは藤堂弥生だった。

『いらっしゃいませ、藤堂弥生様ですね、お待ちしておりました。』怜雄は藤堂にそう話しかけた。

『今日は宜しくね。』藤堂は笑顔で怜雄の顔を見つめた。

『どうぞ、こちらへ。』怜雄はその藤堂をいつもと同じように椅子へと案内した。

怜雄の姉のすみれが出版社で藤堂と話をして、藤堂の取材の条件を受けた時に提示した条件というのは、藤堂に怜雄の店に行き、髪を切ってきて欲しいという事だった。姉として、そして一人の人間として、すみれは藤堂にそれをお願いしたのだった。

『今日はどのように致しますか。』怜雄は藤堂に尋ねた。

『そうね、あたなにお任せするわ。』藤堂はそう答えた。

『かしこまりました。それでは、切っていきますね。』

ハサミを持つ、怜雄の顔には優しい笑みが溢れていた。それは、大澤怜雄という1人の人間が、自ら未来を作ったその結果が生んだ、最高の笑顔だった。

~END~

さあいかがでしたか、連続ブログ小説『アフタースタイル』happy01。全10話に渡り、約3ヶ月間お送りしてきたこの連続ブログ小説でしたが、楽しんで読んでいただけたでしょうかpaper

素人の僕が作った作品pencilですので、至らぬ点は数多くあったと思います。それでも何とか作品らしいものには出来上がったと自分では思っています。

またいつの日か、こういう作品をご紹介できるような機会があれば、連続ブログ小説の第3弾もあるかもしれませんdelicious。その日まで、小説家「猫男爵」の登場をどうか楽しみに待っていてくださいねhappy01

3ヶ月間、本当にありがとうございましたconfident

<今日の誕生花> 3月26日

0326

「春蘭」(しゅんらん)

花言葉は「気品、清純」です。

「春蘭」はラン科の多年草で、山地の乾燥した斜面に多く自生しています。早春に淡い黄緑色で紅紫色の斑のある花を咲かせます。観賞用として古くから栽培されており、品種が多いのが特徴です。中国ではウメ、タケ、キクとともに画題の「四君子」の1つとしてあげられています。

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