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2013年2月 8日 (金)

タイムトラベラー光~その七~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

「ここはどこだ・・・暗い、何も見えない・・・私はいったいどうなっているのだ・・・」

タイムトラベラー銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)は、時空の中をさまよい続けていたsign03

と、その時、遥か彼方に微かな光が見えたshine

「もしや、あの光の先に出口があるのか!そうであって欲しい・・・」

光は強く念じた。

そしてその光りは徐々に光のもとに近づき、大きな閃光を放ったのだったshine

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光は、暗闇の中から脱出することに成功したgood

「ここは?やっと時空の狭間から抜け出せたのか?」

と、その時、光が装着している無線から声が聞こえたmobilephone

「銀龍さん、銀龍さん、聞こえますか?」

その声の主は「ノースジャスト社」の司令室にいる園田ユリだった。

光:「園田さんですか!」

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園田:「良かった、銀龍さん、やっと戻ってこれたのね!」

やや興奮気味に声を発した園田に対し、光は尋ねた。

光:「私はどれくらい時空をさまよっていたのですか?」

園田:地球の時間にするとおよそ半年ほどですが、私達の世界の時間では300年程です。」

光:「300年sign02そんな長い間、私は・・・」

園田:「銀龍さん、とにかく、コードナンバーと現在地の確認をお願いします。」

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光:「わかりました。コードナンバーは227891、西暦1926年8月19日、現在地はこの時代の地理学で言いますと、北緯35度70分、東経140度50分、日本の千葉県香取郡久賀村というところです。」

園田:「了解しました。異常はありませんか?」

光:「はい、機器には特に目立った異常は見当たりませんし、辺りにも人は見受けられません。いつものタイムワープよりはかなり強めの頭痛thunderがしますが、何とか大丈夫です。」

園田:「わかりました。まずは安全な場所に移動して、こちらからの連絡を待ってください。ただち・・・」

光:「あれ、園田さん?園田さん!」

話の途中で無線機器が故障し、光の声が園田に届くことは無かったbearing

光:「ちくしょう、これじゃ司令室とも交信できないし、タイムアウトして向こうの世界に戻ることもできない・・・どうすればいんんだ・・・」

ということで、いきなり物語をスタートさせてしまいましたが、今日は久しぶりsign03実に昨年8月以来となるあのシリーズ企画をお送りしますhappy01

昨年末に発表された『猫デミー大賞』でも、見事に「シリーズ部門賞crownに輝いたこ『タイムトラベラー光』、今日はその第seven話をお送りしますpaper。そして、残念ながら今日でこの『タイムトラベラー光』は最終回を迎えますbell

過去にこのシリーズ企画をご覧になった方であれば、その内容はご理解できると思いますが、何せ8ヶ月ぶりの事なので、初めてご覧になるという方もいるかと思いますpc

最終回ではありますが、簡単にこのシリーズ企画についてご説明しますと、この『タイムトラベラー光』という妄想ドラマは、NHKで過去4シーズンに渡り放送された『タイムスクープハンター』という番組をモチーフに、僕猫男爵の脚本のもとに作られたものですpencil

よってストーリーは全て妄想ですが、話の中に出て来る「歴史上の出来事」は全て実際にあった出来事ですpaper

その時代で起きた出来事を未来に伝えるということが、銀龍光に課せられた役目ですが、常に彼は危険と背中合わせですdanger

そんな、これまで様々な年代の様々な場所へとタイムトラベルを続けた銀龍光の最後の旅を、どうぞ思う存分楽しんでくださいhappy02

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『タイムトラベラー光』

~その七~ 「鬼熊事件」

時はリウグネス暦102年、西暦に置き換えると2545年、地球に生存する人類はさらなる進化をとげ、遂に「時空」を超えて移動できる「タイムワープマシン」の開発に成功したsign03

その開発にあたった「ノースジャスト社」では、極秘プロジェクトとして「時空瞬間移動システム」(STS)の実験を行っていたのだsign03

その実験として時空を超えた旅を続けていたのが、銀龍光(ぎんりゅう・ひかる)。「ノースジャスト社」の社員である光は、時空を超え、過去の歴史の出来事を調査して未来に住む人々に伝えるために、旅を続けているのだ。人は彼の事を「タイムトラベラー光」と呼ぶconfident

ここでブログを見ている方にご説明してきますが、私が「時空」を超えてやってきたこの時代の人にとっては、私は「宇宙人」のような存在です。したがって、この時代の人々に接触する際には十分に注意が必要となりますdanger。なぜなら、私自身の言動ひとつで歴史が変わる可能性があるからです。

そこでこの時代の人々に接触する際には、特殊な機器を使って調査を敢行します。それについては極秘事項secretなので、詳しくお話することはできませんが、今回も無事に何とか取材してみることにしますscissors

光:「まずは、今回の取材対象者を探さなければ・・・資料によると、確かこの辺りにいるはずなんだが。」

その時、私の耳に男女の口論する声が聞こえてきたear

私はその声がする場所へと入っていった。すると、そこでは横たわる1人のと、店から走って逃げる1人の、そしてその前に立ちすくむ1人の男shadowの姿があったsign03。既に女性は息絶えている様子だったbearing

光:「あなたはもしかして、熊次郎さん?あなた何をしたんですか!」

私のその声に、驚いた熊次郎は、私を突き飛ばして店を出て行ったrun

光:「ちょっと待ってください、熊次郎さん!」

私は必死に彼を追った、そして彼に追いつき、事情を説明し、彼から今起きたことの全てを聞くことにした。

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彼が今回の調査対象である岩淵熊次郎、歴史上では「鬼熊」と呼ばれることになった人物であるshadow

光:「熊次郎さん、まずは落ち着いて、事態を詳しく教えてくれませんか?」

熊次郎:「わかったよ。」

熊次郎から聞いた話に寄ると、熊次郎は荷馬車引きの仕事をしながら、妻と5人の子供と平凡な生活をしていた。しかしある日、上野国からやってきたおけいという女性と深い恋仲になったそうだheart04

ところが、そのおけいには他にも恋仲の別の男shadowがいて、それを知った熊次郎は逆上し、刃物でおけいを脅し、村の駐在所の巡査に逮捕されてしまう。

その結果、執行猶予3年の判決を受け、昨日釈放されたばかりだった。

釈放された熊次郎は、再びおけいの所を訪ねた。熊次郎は自分がしたことを詫びるつもりだったbearing。しかし、そこへタイミングが悪い事に、おけいと恋仲の他の男がやってきて、抑えていた感情があふれ出した熊次郎は、2人に殴る蹴るの暴行impactを繰り返したうえに、薪でおけいの頭を殴り殺害したのだったsign03

光:「熊次郎さん、あなたが怒る気持ちもわかるが、人を殺してはだめだ。それよりも何よりも、あなたには奥さんと子供という大切な家族がいるじゃないですか!」

熊次郎:「なんだ、お前は俺に説教をするのか!」

光:「そういうわけではないですが、とにかく自首しましょう。罪はちゃんと償いましょう。」

熊次郎:「何言ってるだ!俺は自首などしないぞ!」

そう言うと、熊次郎はもの凄い勢いで、どこかへと走って行ったrun

私は必死で彼の後を追ったrun

熊次郎はその後、逃げたおけいの恋仲の男の家に行くが、そこにはその男の姿はなく、次におけいとその男の仲を取り持っていた知人の菅松の家に火を放ったのだったsign03

そしてそこへ駆けつけた消防団数人にも鍬で殴りかかり負傷させimpact、次に自分を逮捕した巡査への恨みを晴らすために、駐在所へと向かったが不在だっために、サーベルで電燈と電話線をぶった斬ったのだったsign03

こうして狂ったように狂気と化した熊次郎は、一晩で2件の殺人、1件の放火、4件の傷害を起こし、山へと逃走したのです。

もちろん私も、その熊次郎の後を追い、山で彼と行動をともにしたfuji

光:「熊次郎さん・・・何てことをしたんだsign03

熊次郎:「俺だって、好きでこんなことなどしたわけじゃねえ・・・ただ、許せなかったんだ、みんなして俺のことを馬鹿にしやがってshock

先程までの狂気と化していた熊次郎の頬には涙が伝っていたweep。私はそんな彼にかける言葉が見つからなかった。

その後、逃亡した熊次郎は「鬼熊」と呼ばれ、警察官、消防団、青年団などおよそ5万人を動員した山狩りにより捜索が開始された。

それから数日後のことだった。

私は熊次郎と山中を逃げながら夜を明かしていたが、食べ物も無いこの山中で体力にも限界が来ていたdown

と、その時、近くの竹やぶで何かが動く音がしたsign03

熊次郎:「誰だ!」

光:「・・・・」

私は自分も熊次郎と共に殺されると恐怖に脅えていたbearing

すると、そこにいたのは1人の村人だったshadow

村人:「熊さん、こっちだ、こっち。向こうに良い隠れ家があるんだ、そこなら安全だ。」

熊次郎:「そうか、助かるよ。」

光:「熊次郎さん、信じていいんですか?きっと罠じゃないですか?」

熊次郎:「馬鹿言うな、あいつはそんなことをするような奴じゃない。なあ、そうだよな?」

村人:「俺は熊さんを裏切ったりしねえ。」

実は熊次郎は、本来は実直な性格の働き者で、仲間に気前良く酒bottleをおごったり、面倒見もよく、村では「熊さん」の愛称で、人望の厚い人物だったのだshine

村人たちは、熊次郎がおけいに夢中になっている事を知ると、「熊さんは、あばずれ女に騙されている」と常々心配していたそうです。

こうして、村人たちは熊次郎をかくまったり、嘘の目撃情報を流すなどして、捜査を長引かせ、熊次郎を援護していたのですpaper

その後も度々、捕まりそうになっては捜査員を殺害したり負傷させながら逃亡を続けた熊次郎の名は、「鬼熊」として全国に広まり、「鬼熊狂恋の歌」という曲が作られる程になりました。

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そして事件から1ヶ月が過ぎた9月25日、ついに事態に動きが出ましたsign03

何と熊次郎は、消防団長らと会うことにしたのです。そこには、スクープを狙いやってきた、坂本という新聞記者も同席していましたshadow

坂本は熊次郎に自首を勧めたのですが、彼はこう述べました。

熊次郎:「すまねえ、それは堪忍しておくんなせえ。わしは村の衆にも、ここから大声で謝って死にてえbearing。だが、ここから怒鳴ったぐらいでは20、30人の衆にしか聞こえねえ・・・だから記者さんよ、わしのこの気持ちと無念を字に書いて、何百万という人に伝えてくだせえ!」

隣りでその熊次郎の涙ながらの訴えを聞いてた私は、何とも言えない切ない気持ちになってしまいましたbearing

その後も村人にかくまってもらう生活を続けた熊次郎と、私は夜をともにしたnight

この1ヶ月間、行動を共にしているが、私の隣りにいるのは、誰が何と言おうと人を殺害した殺人犯、しかし純情な心を持つ1人の人間に過ぎない、この何とも言えない2つの事実の中で、彼は今、誰にも分からない感情の中で生きているんだ・・・そう思うと、彼を早く楽にしてあげたい気持ちになった。

9月28日夜、うとうとsleepyしていた私が目を覚ますと、熊次郎は首を吊って死のうとしていたsign03

光:「熊次郎さん!」

私は必死で彼を助けた。でも、この判断が良かったのか悪かったのか、私には分からない。

その2日後の9月30日未明、私が眠りsleepyに就いている間に、熊次郎は自分の先祖が眠る墓前へ行き、毒の入った最中を食べ、息を引き取ったdown

光:「熊次郎さん・・・どうして・・・」

私はこの1ヶ月間生活を共にした熊次郎という男に、知らぬ間に親近感が沸いていたのかもしれないconfident

こうして、1ヶ月以上に及んだ、極悪犯の逃亡劇は幕を閉じた。

年が明けた2月に、千葉地裁は熊次郎を匿った数名を「犯人隠匿罪」で有罪判決を下したが、村人の多くは無罪となった。

これが俗にいう「鬼熊事件」である。

しかし、私はこれからどうすればいいのだろう・・・司令室と連絡の取れない今、私は他の世界へ「タイムワープ」することも不可能だ。となると、私はこの世界で一生暮らしていかなければならないのか・・・

それは辛い、早く元の生活に戻って愛するに会いたいbearing

そう強く私が願った瞬間だったsign03無線から音が聞こえてきたear

園田:「銀龍さん、聞こえますか?こちら司令室の園田です!銀龍さん?」

確かにその声は園田ユリの声だったsign03

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光:「園田さん、銀龍です!聞こえます、聞こえてますよ!」

園田:「良かった、やっと繋がって。」

光:「園田さん、今すぐタイムアウトして元の世界に戻りたいのですが!」

園田:「銀龍さん、それが・・・システムが故障して、タイムアウトができなくなったのです。」

光:「それは、本当ですか?」

園田:「ええ、残念ながら・・・でも、そちらに今、助っ人をタイムワープさせました。その人が、持っているHTS(緊急タイムアウトシステム)で、一度だけタイムアウトすることが可能です。それで、銀龍さんは元の世界に戻れます。」

光:「本当ですか!助かります。」

と、その時、僕の背後に誰かの気配を感じたshadow

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「銀龍さん!」

その声の主は、何とあの要潤、いえ本物のタイムスクープハンター沢嶋雄一だったhappy02

沢嶋:「銀龍さん、園田さんから話は聞いていますね?」

光:「ええ。」

沢嶋:「ただちに、このHTSでタイムアウトしてください。」

光:「しかし、沢嶋さんはどうするのですか?私がこれを使えば、沢嶋さんはもうタイムアウトできなくなってしまうじゃないですか。」

沢嶋:「私の事は心配いりません、園田さんが何とかしれくれますから。それに私はどの時代でも生きていけるタイムスクープハンターですから!」

私は沢嶋のその言葉に促せられながら、タイムアウトすることにしたclock

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光:「ありがとう、沢嶋さん!」

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沢嶋:「さよなら、タイムトラベラー光・・・」

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光:「ここは?私は戻ってこれたんだ、現実の世界へ!」

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娘:「あれ、パパ。どこ行ってたの?」

私は妻と娘のいる世界に戻れた喜びでいっぱいだったhappy02

さあ、いかがでしたか「全7話」による妄想劇場でしたが、楽しんでいただけましたか?

「タイムワープして過去や未来の世界へ行く」という夢のような話を実現した「タイムトラベラー光」の旅は幕を閉じますが、私達が生まれてくるよりも遥か昔の歴史上の出来事には、決して表には出て来ること無い、人々のそれぞれのドラマが存在していたということを報告し、この妄想企画を終了しますpaper

どうぞ、本当にNHKtvで放送されていた『タイムスクープハンター』の方も一度ご覧になってください。きっとその魅力の虜になるはずですからhappy01

それでは、またいつかお会いしましょうpaper

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生日birthday2> 2月8日生まれ

山本寛斎(69歳)、柴田勲(69歳)、土井善晴(56歳)、ストイチコフ(47歳)、田中卓志〔アンガールズ〕(37歳)、高岡蒼甫(31歳)、松下奈緒(28歳)、佐々木希(25歳)

偉人たち→ジェームズ・ディーン(俳優・1931年生まれ)

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コメント

この企画好きだったのに…。残念(>_<)

投稿: 29 | 2013年2月13日 (水) 22時23分

29さん
29さんのご要望にお答えして、いつか必ず復活させたいと思いますので、どうぞ楽しみに待っていてくださいねhappy01

投稿: 猫男爵 | 2013年2月13日 (水) 22時28分

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