« 角刈り女将。 | トップページ | 世間は狭し。 »

2012年7月19日 (木)

オリンピック・シアター②

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

今日は昨日に比べて、かなり涼しい一日となりましたdown。真夏の中での涼しいひととき、これは非常に嬉しいですよねhappy01

そんな今日も、「帯広の森野球場」では甲子園出場をかけた北北海道大会が繰り広げられましたbaseball

11年ぶりの甲子園を目指した我が十勝代表の帯広三条は、残念ながら今日行われた準決勝で旭川工業に敗れ、昨年の白樺学園に続く、2年連続十勝勢の甲子園出場の夢は叶いませんでしたbearing。それでも精一杯プレーした選手達には、心から拍手を送りたいと思いますpaper

さて、気がつけばロンドン五輪開幕が遂にあと1週間後に迫ってきましたsign03

4年に1度のスポーツの祭典ですから、日本中をあげて日本選手に声援を送りたいと、今から応援に熱を入れている僕ですが、今日は前回からスタートしたオリンピックでの思い出のシーンを振り返る企画の第2弾をお送りしますhappy01

今日は果たしてどんな「五輪での思い出シーン」が開演されるのか、どうぞ最後までお楽しみくださいhappy02。さあ、まもなく劇場が開演するようですmovie

『オリンピック・シアター』 第2幕「笑顔なき表彰台」

2000年にオーストラリアで開催されたシドニー五輪、この五輪では何といっても“Qちゃん”こと高橋尚子の金メダルが一番印象的ですが、日本はトータルで金メダル5個、銀メダル8個、銅メダル5個の合計18個のメダルを獲得した大会でしたshine

その中でも僕が今でも忘れないシーンがありますflair。それは男子柔道の100kg超級の決勝戦です。

この階級に日本代表として出場していたのは、篠原信一です。

外国人に決して見劣りしない体格とパワー、さらに華麗なテクニックを擁し、1990年代後半にかけて数々の主要国際大会を制していた篠原は、大会前から「金メダル候補」として日本の大きな期待を背負っていましたpaper

この五輪での日本柔道陣は非常に好調で、田村亮子が悲願の金メダルを獲得したのを筆頭に、野村忠宏が2連覇を達成し、瀧本誠井上康生と金メダルラッシュに沸いていましたup

そして迎えた柔道競技最終日に、男子100kg超に満を持して篠原が登場しましたsign03

僕はこの時、篠原の戦いぶりをテレビの前でじっくりと観戦していましたtv

2回戦から登場した篠原は僅か48秒で「内股」で一本勝ちgood

続く3回戦も「体落とし」で一本勝ちgood

4回戦では苦戦したものの「優勢勝ち」と、期待通りの活躍で準決勝に駒を進めますscissors

準決勝でも相手にリードを許しながらも、最後は得意の「大外刈り」で一本勝ちをおさめ、遂に篠原は決勝の舞台に上がりましたhappy02

決勝戦の相手は、前回のアトランタ五輪の金メダリスト、フランスのダビド・ドゥイエでしたshadow

実はこのドゥイエは1990年代にかけて、この階級では常に日本選手のライバルとなっている選手でした。当時「世界王者」として君臨していた小川直也も、この選手には苦しめられましたbearing

そんなドゥイエと決着をつけるべく、篠原は畳の上に上がりましたsign03

「頼むぞ篠原、お前なら絶対に勝てる!」僕は祈る思いで、テレビに視線を送った事を思い出します。

「ハジメ!」という主審の声で、いよいよ戦いが始まりましたsign03

序盤はお互い組み手争いに終始し、なかなか技を掛ける展開までに至りません。緊張感の中で時計clockが進む中、運命の事件は起きましたsign03

試合開始から1分40秒が過ぎた頃、篠原の背中の帯を掴んだドゥイエが「内股」を仕掛けます。しかし、ドゥイエの動きを見抜いた篠原は「内股すかし」で返し、ドゥイエを背中から畳に叩きつけましたsign03

「よし、やった!一本だ!金メダルだ!」僕は両手をあげて喜びを表現しましたhappy02

それはテレビを見ていた日本中の国民、そして会場で声援を送っていた日本人、そして何より戦っていた篠原本人も思った事で、篠原は両手を挙げて「ガッツポーズ」をして勝利を確信していました。

しかし次の瞬間、信じられない光景が目の前に広がっていました・・・

電光掲示板にはドゥイエに「有効」のポイントの表示が示されていたのですsign03

「何あれ?間違いでしょ、早く訂正しろよ。」僕は思わずテレビに向かって文句を言っていました。

篠原も何が起きているのか分からないような表情を浮かべ、日本のコーチ陣も大きな声をあげて抗議を繰り返しますangry

実は篠原の「内股すかし」で「一本」と思ったこの技は、一番間近で見ていた副審shadowは篠原の「一本」と宣告していたのですが、もう1人の副審shadowと主審shadowはドゥイエの「内股」を「有効」と判定し、それが最終判定となっていたのですbearing

納得のできない状況のまま、試合は再開されます。

本来であれば「一本勝ち」で既に試合に勝利しているはずの篠原は、何が何だか分からないまま、とにかく試合を続けるしかありませんでした。

その後、篠原は懸命に攻めますが相手から勝利に結びつくようなポイントを奪う事はできずに、結局「判定」の結果ドゥイエが「優勢勝ち」をおさめ、篠原の金メダルは幻となりました・・・

呆然とする中、篠原は畳を降りますdown

試合終了後、日本の関係者は猛烈に審判団に抗議しますpout。しかし当然、判定が覆るはずもなく、篠原の金メダルは夢と消えました・・・

これは後に「世紀の誤審問題」として大きく取り上げられ、これを機に「ビデオ判定」というものが導入されるようになりましたpaper

試合をしているのが「人間」であるように、その試合を審判しているのも「人間」です。当然、「人間」である以上は間違う事もあるのは仕方のない事だと言えばそれまでですpaper

ただ、その1つの「間違い」で、選手の努力が報われないのは悲しき事ですし、あってはいけない事だと僕は思いますbearing

その要因には、審判の柔道に対する細かな解釈の違いの問題というものもあるのではないでしょうかpaper

そもそも「柔道」は日本から生まれた競技です。それが世界中に広がり、柔道人口も増え、五輪でも数多くの国から代表選手が出場しています。

それと共に審判団も国際化し、色々な国の審判団が五輪でも審判を務めています。もちろん、国際大会での審判の資格のある人達ですから、それなりの人達だとは思いますが、おそらく彼らは「JUDO」は知っていても「柔道」は知らないのだと思います。

そこが、柔道発祥の「日本」と諸外国とのルールの解釈の違いに現れたのではないでしょうかpaper。つまり、「返し技」というものの存在じたいを知らなかったのではないか?という疑問も拭えません。

試合後、表彰式で表彰台にあがる篠原の首には、「銀メダル」が掛けられました。しかし、そこに笑顔はありませんでしたthink

篠原は試合後に「自分が弱いから負けた」、ただ一言そう語っています。誤審だったにしろ、それを決して言い訳にしない、負けたのは自分の力不足、そう言い放つ篠原に、僕は古き日本男児の精神、言うなれば武道の魂を感じ、思わず熱いものがこみあげてきて号泣した事を思い出しますcrying

現在、篠原は柔道男子日本代表の監督を務めていますpaper。彼は現役引退後、指導者としても活躍していますが、きっとその心にはあの試合での教訓が生きているのだと思いますconfident

あの試合、篠原の技が認められなかったとしても、相手が獲得したポイントは「有効」、当然試合はまだ続行していたのです。すぐに篠原が、倒れているドゥイエを押さえ込みに入れば、もしかしたら「押さえ込み」で一本を奪えていたかもしれませんgood

「一本」を取ったという喜びのあまり、ガッツポーズをしていたりしなければ・・・

篠原は選手達に「最後まで油断するな」そのことを強く指導しています。それには、12年前に自らが経験したあの苦い思い出が活かされているのではないでしょうか。

もう、笑顔なき表彰台での日本人選手の姿はみたくありません。今回のロンドン五輪でも数多くの日本選手が、畳の上で躍動し、そして表彰台に笑顔で上がる事を祈っています

次回の『オリンピック・シアター』で、またお会いしましょうhappy01

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 7月19日

0719

「蒲」(がま)

花言葉は「救護、慈愛」です。

「蒲」はガマ科の多年草で、淡水の湿地に生えます。夏に「ロウソク型」の花を咲かせますが、これを「蒲団」の芯に入れて油を注いで「ロウソク」に代用し、火口を造る材料としました。

古くから親しまれている植物の1つで、薬草として用いられる事が多かったようです。

|

« 角刈り女将。 | トップページ | 世間は狭し。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/211087/46364256

この記事へのトラックバック一覧です: オリンピック・シアター②:

« 角刈り女将。 | トップページ | 世間は狭し。 »