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2012年3月12日 (月)

『アフタースタイル』~カット8~

こんばんにゃ~night 北の猫男爵ですcat

3月も半ばに差し掛かり、日々「春」に近づいてるように感じる今日この頃ですが、皆さんどうお過ごしでしょうかconfident

今日は週の始まり「月曜日」ですflair。朝起きて仕事に行くと、また新たな一週間が始まったなあ~と身が引き締まる気持ちにかられますgood

そんな「月曜日の夜night」を彩るテレビ番組tvといえば、やっぱり「月9」ですよねnote。そしてその「月9」に対抗するものといえば、そうですshineご存知、連続ブログ小説『アフタースタイル』ですscissors

先週は作者の都合でお休みしましたが、今週は何とか原稿pencilが間に合ったようなので、2週間ぶりにお送りする事にしますhappy01

それでは早速、『アフタースタイル』の第8話をお楽しみくださいhappy02

『アフタースタイル』 脚本・演出:猫男爵

<CAST>

大澤怜雄:滝沢秀明

町村真奈美:加藤あい

南條茜:綾瀬はるか

望月龍平:小栗 旬

町村功治:渡辺いっけい

町村由紀:岡江久美子

藤堂弥生:天海祐希

上田達也:妻夫木聡

大澤すみれ:菅野美穂

小峰健太郎:竹野内豊

馬場勝一:橋爪 功

青木恭平:保阪尚希(ゲスト出演)

実松裕司:香川照之(友情出演)

森岡夏稀:山口智子(ゲスト出演)

※この「連続ブログ小説」はフィクションであり、登場する人物・名称等は全て架空のものであり実在しません。

☆カット8☆ 嘘をつく男

<前回までのあらすじ>

幼い頃に両親を交通事故で亡くし、父と同じ美容師の道を志した主人公の大澤怜雄は、天性の才能を活かし、都内有名美容室「アクア」のNO・2にまで登りつめた。しかし怜雄は、突然「アクア」を辞め、両親が経営していた美容室を再開させる事にした。

縁があってアシスタントとして南條茜を雇う事になった怜雄のもとには、なぜか様々な「心の悩み」を抱えた客が訪れる。怜雄は髪を切りながらも、客が心から笑って帰る事ができるように「心の悩み」を見事に解決していく。

そんな中、「アクア」のオーナー藤堂弥生から「アクア」への復帰の誘いを受けた怜雄であったが、今の仕事に誇りと喜びを感じている怜雄はその誘いを断ったのであった。

火曜日の午前、美容室「janus」に急ぎ足で息を切らしながら向かっていたのは、アシスタントの南條茜だった。

『どうしよう・・・遅刻しちゃう、怜雄さんに怒られるよ、急がなきゃ。』そう呟きながら小走りする茜が、交差点の曲がり角を曲がり、もうすぐ「janus」が見えるというところに来た時、目の前に立っていた男性とぶつかったimpact

『痛てて、すみません・・・』茜は尻もちをつきながらそう言った。

『大丈夫ですか?僕の方こそ、すみません。ちょっと道に迷っていたものですから。』そう言いながら茜に話しかけたのは、40歳ぐらいのスーツを着た男だったshadow

『ケガはないですか?』その男はそう言いながら、茜に手を差し出した。

『は、はい・・・』茜はその好意に甘えて、その男の手を握った。その手は温かみのある優しい手だった。

『ありがとうございます。あっ、そうだ!急がなきゃ!すみません、ちょっと急いでいるので失礼します。』茜は思い出したかのように、その男にそう告げると走ってその場を立ち去り「janus」に向かった。

その頃、町村真奈美は自分が勤める出版社で、「アクア」の上田達也の取材の報告をするために、チーフの大澤すみれと別室で打ち合わせをしていた。

『で、どうだったの上田の取材は?』すみれが真奈美に尋ねた。

『それが前回のように、思うようにはいきませんでした・・・』真奈美はうつむきながらそう言った。

『そう・・・まあ確かにそんなに簡単にいくような奴ではないからね。』すみれは残念そうにそう言った。

『でも・・・』真奈美は何かを言いたそうに呟いた。

『でも、どうしたの?』すみれはすぐに真奈美に尋ねた。

『実は、上田がアクアを辞めるかもしれないんです。』真奈美は真剣な顔で話した。

『辞める?』すみれには、真奈美が言っている意味が分からなかった。

『はい・・・』真奈美は小声で返事をした。

『その話もっとよく聞かせて!』すみれは少し声を荒げて真奈美にそう言った。

その頃「janus」には大澤怜雄とその友人の望月龍平の姿があった。

『珍しいね、茜ちゃんが遅刻だなんて。』龍平が怜雄に話しかけた。

『何かあったのかな・・・』怜雄は少し心配そうに呟いた。

『大丈夫だって、怜雄は昔から心配症だもな、相変わらず変わってないな。』龍平は笑みを浮かべながら話した。

『お前だって!』怜雄は少しむきになった。

『何だよ!』龍平もそれに便乗した。

『何でもないよ。』怜雄は少しトーンを落とした。

『ところでお前、「アクア」に行くっていう噂は本当なのか?』龍平は怜雄にそう問いかけた。

『どうしてその事を知ってるんだよ?』怜雄はビックリしたように龍平に尋ねた。

『まあ、俺に知らない事はないんだよ。』龍平は自慢気にそう言った。

『さすがの地獄耳だな。』怜雄は龍平の顔を見ながら言った。

『まあね、本当はさ、茜ちゃんが教えてくれたんだよ。』龍平は本当の事を話した。

『そうか。』怜雄は小さくうなずいた。

『あの子、お前の事を心配してたぞ、きっとお前が「アクア」に行ったら、お前に会えなくなると思ってるんじゃないのか。』龍平は少し笑みを浮かべながら怜雄にそう言った。

『何だよそれ?それに俺は「アクア」なんかには行かないよ。オーナーには、ちゃんと断ったんだ。』怜雄は龍平に藤堂に断った事を話した。

『もったいないな~「アクア」を断るなんて。そんなにこの“おんぼろ”な美容室が良いのかね?不思議な奴だよ。』龍平はふざけながらそう言った。

『“おんぼろ”で悪かったな。』怜雄はそう言い返した。

『やっぱりお前は俺が知っている大澤怜雄だな、何も変わってないよ、少し安心したよ。』龍平は優しい表情になった。

『何を偉そうに言ってんだか。』怜雄も同じに優しい表情になった。

その時、店の扉が開いたdoor

『すみません、遅くなりました・・・』息を切らしながらそう言葉を発したのは茜だった。

怜雄と龍平はその茜の姿を見て、目を合わせ、そして微笑んだ。

真奈美の両親が営む本屋では、父親の町村功治と母親の町村由紀が店内の本を整理していた。

『そういえば怜雄のやつ、「アクア」の誘いを断ったみたいだぞ、もったいない事をするよな、俺なら絶対に行くけどな。』功治が不満気に由紀にそう話しかけた。

『怜雄君には怜雄君の考えがあるのよ、あのお店を守っていきたいのよきっと・・・』由紀は微笑みながらそう話した。

そんな会話をしていると、店の前をスーツを着た1人の男shadowが通り過ぎていった。

『あれ?今の人、もしかたしたらお客かな?』功治がそう呟いた。

『えっ、どこ?どこにもいないじゃない?』由紀は店頭を見渡した。

『隣りだよ、怜雄のところのお客だよ多分、今日は火曜日だし。』功治は由紀にそう言った。

『もう、紛らわしい事を言わないでよ。』由紀は功治にそう言い返した。

「janus」の店内では茜が急いで準備に取り掛かり、龍平はお店を後にして帰るところだった。

『じゃ俺はこれで帰るよ、またね茜ちゃん、仕事頑張ってね。』龍平は茜にそう声をかけた。

『はい、ありがとうございます。』茜は笑顔で答えた。

『じゃあな、怜雄。』龍平は怜雄にも声をかけた。

『ああ。』怜雄は準備で忙しいので手を挙げて返事をした。

すると、龍平が店を出たのと入れ違いで、スーツの男が玄関の扉doorを開けて店内に入ってきた。

『すみません、予約していた者ですけど。』そのスーツの男は悠然とした態度でそう話した。

『いらっしゃいませ、青木恭平様ですね、お待ちしておりました、さあこちらへどうぞ。』怜雄はそう言うと青木恭平を店内に案内した。

『はい。』青木は素直に返事をした。

『いらっしゃ・・・あっ!さっきの!』青木に挨拶をしようとした茜が思わず声を上げた。

『あっ、君はさっきの!』青木も同じように声を上げた。

『何だ、茜ちゃんの知り合い?』怜雄は茜にそう言葉を発した。

その頃、「アクア」では店のNO・1美容師である上田達也が、オーナーの藤堂弥生に呼び出されてオーナー室にいた。

『オーナー、「ラッシュピース」の件はどうなりました?』上田は来てそうそう藤堂に声をかけた。

『まあ、そんなに焦らないで。』藤堂は冷静にそう答えた。

『で、向こうのオーナーの返事は?』上田は焦る気持ちを抑えきれなかった。

『上田、残念だけど、今回の話は見送りよ。』藤堂は厳しい目つきで上田にそう話した。

『どうしてですか!俺のどこがダメだったんですか!』上田は藤堂に声を荒げて迫った。

『それは分からないわ・・・でも断られた以上、私でもそれはどうする事もできないわ。今回は諦めて、しばらくはここで頑張って。』藤堂は椅子に座りながら、目の前に立つ上田にそう答えた。

『そんな・・・理由を、理由を教えてください!』納得のできない上田は再び藤堂に迫った。

『とにかく、そういう事だから。』そう言うと藤堂は席を立ち、オーナー室から出て行った。

『ちょっと待ってください!オーナー!』上田は大声で叫んだ。

「janus」では怜雄が青木を椅子chairに座らせて、髪を切る準備をしていたhairsalon

『今日はどのように致しましょうか?』怜雄は青木に尋ねた。

『そうだな、君に任せるよ、来週ちょっとニューヨークで大きな契約があるから、ニューヨークの街の雰囲気に合うような感じにしてもらえるかな。』青木は鏡越しにそう答えた。

『ニューヨークですか!いいな、行ってみたいな~』怜雄の後方で、茜ははしゃぎながらそう言った。

『今度一緒に行ってみるかい?これも何かの縁だ、先程ぶつかったお詫びという事で。』青木は茜にそう話した。

『えっ!本当ですか?』茜は嬉しそうな表情でそう言った。

『青木さん、やめた方がいいですよ、こんなガキを連れて行ったら大事な契約がぶち壊しになりますよ。』怜雄は笑いながら青木にそう話した。

『それもそうか。』青木も笑いながらそう言った。

『えっ?』茜は1人でキョトンとしていた。

『ゴメンゴメン、冗談だよ。』青木は笑いながら茜にそう言った。

『ちょっと青木さん!』冗談だと分かった茜は青木にそう言った。

『あっ、そういえば勝手に「青木さん」と呼んでしまっていますが、そう呼んでも宜しいですか?僕の性分で何となくお客さんを名前で呼びたくなるんですよ。』怜雄は微笑みながら青木にそう尋ねた。

『構わないよ、俺もその方が親近感があって楽だし。』青木は笑顔で怜雄に答えた。

『ありがとうございます。』怜雄は頭を下げた。

『ところで青木さんは、随分良いスーツ着ていますよね。先程、仕事でニューヨークとおっしゃってましたが、どんな仕事をしていらっしゃるのですか?差し支えなければ教えてもらえますか?』怜雄は青木にそう問いかけた。

『仕事は・・・まあ、たいした仕事ではないけど、色々な事業を手広くやっていてね、まあよくいう「青年実業家」ってやつだよ。それにしても鋭いね、このスーツは120万円するものでね、特注なんだよ。なかなか見る目あるね、君は。』青木は鏡越しに、髪を切る怜雄にそう答えた。

『ええまあ、若い頃少しの間でしたけど、高級ブランドを扱うスーツのお店で働いていた事があったので、多少の知識はあるんですよ。』怜雄は青木にそう話した。

『あ、ああそうだったんだ・・・』青木は一瞬言葉を詰まらせた。

青木が着ていたスーツが高級ブランドの物である事は間違いなかったが、それはだいぶ前に流行したもので、そのブランド会社が既に倒産している事を怜雄は分かっていたのだ。

『ところで、青木さんはご家族はいらっしゃるんですか?』何かを探るように怜雄は青木に質問を繰り返した。

『ああいるよ、正確には“いた”かな・・・』青木は照れ笑いを浮かべながら答えた。

『聞いちゃ、まずかったですね・・・』怜雄はやや苦笑いを浮かべた。

『そんな事ないよ、妻と別れたのはもう5年も前の事だし、子供の親権は妻にあるから、子供にもほんとど会う事もないし、さっぱりとしたもんだよ。』青木はやや下を向きながらそう話した。

『でも、お子さんに会いたくはないんですか?』怜雄が青木に尋ねた。

『まあ、俺には仕事があるからさ、家族に惑わされている暇なんてないしね。』青木は笑いながらそう言った。

『青木さん、もう嘘をつくのはやめませんか?』怜雄はいきなり青木にそう言葉を投げかけた。

『何の事だよ、嘘、俺が嘘をついていると言いたいのか!』青木の表情は険しくなった。

『ええ。』怜雄は冷静に一言返事をした。

『ちょっと怜雄さん、青木さんは嘘をつくような人じゃありませんよ!』茜が後ろから声を荒げた。

『青木さん、本当はお子さんに会いたいんじゃないですか?』怜雄は再び青木に問い詰めた。

『・・・・』青木は黙り込んだ。

『でも、あなたは今きっと無職なんでしょ?そんなあなたは、自分が子供に会う資格なんてないと思っているんじゃないですか?違いますか?』怜雄はさらに青木に問いかけた。

『俺が無職?何を言っているんだ君は、見れば分かるだろ?無職の俺にどうやってこんな高級なスーツが買えるんだ?』青木はうす笑いを浮かべて怜雄にそう話した。

『そのスーツは2002年製のイタリアの「ラ・モベール」のスーツです。確かに当時は120万円したスーツです。でももうその会社は、倒産していて存在しません。きっとあなたが青年実業家だったのは本当の話でしょう。でもそれはもう過去の話だ、今も仕事がうまくいって裕福であれば、そんな10年も前の古いスーツを着ているはずがない。違いますか青木さん?』怜雄は青木の真実をこの短時間で突き止め、そしてそのことを青木に問い詰めた。

『・・・・』青木には返す言葉が見つからなかった。それは、怜雄の言った事が全て真実であるという証だった。

『もう嘘はやめましょう、青木さん。』怜雄は鏡越しに青木の顔を見て、優しく声をかけた。

『君の言う通りだ、俺は嘘をついていた。今の俺は無職だ・・・』青木はついに言葉を発した。

『青木さん・・・』怜雄は小さく声を出した。

するとうつむき加減だった青木は、少し顔をあげて自分の過去の事を話し出した。

『ちょっと前までの俺の人生は、何の文句もつけようのないくらい幸せな人生だった。仕事もうまくいき、家族もでき、全てが順調だった。しかし、ある事業での失敗がもとで、歯車が狂い出した。仕事も少しずつ減り、うまくいかないその憂さをつい妻に向けてしまった・・・それが原因で妻は子供を連れて俺のもとから去っていった・・・1人になった俺にもう立ち直る余力は残っていなかった。』青木は言葉を噛み締めるように話した。

『やっと本当の事を話してくれましたね、もう嘘をついて生きるのはやめましょう。そんな青木さんを見ても、お子さんもきっと喜ばないですよ。』怜雄は優しい口調で話しかけた。

『でも、こんな俺では子供には会えない・・・』青木はそう呟いた。

『会えますよ、きっと。格好悪くてもいい、あなたが必死に一生懸命に頑張っていれば、いつか願いは叶います。』怜雄はやや強い口調で青木に語りかけた。

『でも・・・』青木には自信がなかった。

『大丈夫です。あなたのその手、優しい手をしている。その手で黙って子供を抱きしめてあげればいいんです。何も言わなくても、その想いはきっと伝わります。』怜雄は真剣なまなざしで青木に訴えた。

『・・・・』青木は少し沈黙になり、ひと呼吸おいた後で話し出した。

『そうですね、もうこんな自分はやめます。嘘をつかず今を正直に生きてみます。あなたに助けられたよ、俺はもう諦めていた、子供に会う事も、抱きしめる事ももう一生ないんだってね。でもそれは俺が決める事じゃないんだね、俺が一生懸命に頑張っている姿を見せる事が大事なんだね、ありがとう。』青木は溢れてきそうな熱いものを押さえながらそう言った。

『僕は何もしてませんよ。』怜雄は優しい笑みを浮かべてそう言った。

その頃、上田は「ラッシュピース」のオーナーである実松裕司のところを訪ねていた。

『失礼します。』上田が実松の部屋に入ってきた。

『あれ、君は「アクア」の・・・』実松は上田を見てそう声を発した。

『無礼は承知で来ました。教えて下さい、僕のどこがダメなんですか?』上田は真剣な顔で実松に尋ねた。

『何の事だ?』実松には上田の質問の意味が理解できなかった。

『とぼけないで下さい、僕を雇うという話、断ったじゃないですか!どうしても理由が知りたいんです!』上田はやや興奮しながら、実松にそう尋ねた。

『おいおい、ちょっと待てよ、俺は断ってないぞ!その逆で、俺は君を雇っても良いと考えていただんだ、断ってきたのは藤堂の方だぞ。』実松は上田にありのままの事実を話した。

『えっ?オーナーが・・・』上田の心の中には激しい憎悪が生まれていた。

「janus」では髪を切り終わった青木が会計を済ませていた。

『本当に何かスッキリしたよ、髪もここも。』自分の左の胸を右手で押さえながら青木は怜雄にそう言った。

『それは良かったです。あとは、あなたしだいですよ、頑張ってくださいね。』怜雄は優しくそう言った。

『ありがとう。』青木はもう一度、怜雄に御礼を言った。

『青木さん、頑張ってくださいね。』茜も青木に励ましの言葉を贈った。

『ありがとう。茜ちゃんって言ったね、実はさっき、君とぶつかった時にこれを拾ったんだけど、これは君のじゃないかい?』青木は茜にそう言うと、ポケットから取り出した小さな馬の形をしたタイピンを見せた。

『あっ、そうです!ありがとうございます。』茜はそのタイピンを受け取り、青木に御礼を言った。

『今のタイピン・・・』怜雄は何かに気づいたように小さく呟いた。

『怜雄さん、どうかしました?』茜はそんな怜雄に言葉をかけた。

『いや別に。』怜雄はそう答えた。

『それじゃ、本当にありがとう。』青木はそう言いながら店をあとにした。

『ありがとうございました。』怜雄と茜はそう言うと、少しずつ小さくなっていく青木の背中を見送った。

数日後、怜雄はいつもの競馬場にいたhorse

『よし来い、来い!来た!!これは久しぶりに大きなの取ったぞ。』怜雄は珍しく興奮気味だった。

『おう小僧、随分興奮しているな、だいぶ心の目が戻ってきたようじゃな。』そう怜雄に言葉をかけたのは、怜雄の競馬仲間の馬場勝一という老人だった。

『馬場のじっちゃん、久しぶりに大きいのが来たぜ。』怜雄は誇らしげに馬券を勝一に見せ付けた。

『どれどれ、おう!これを取ったのか、やるな小僧、知らぬ間に随分腕を上げたな。』勝一は笑いながらそう言った。

『あれは、青木さん?』喜びながら馬券を掲げる怜雄の視線に、少し離れたところで塵取りを持ちながらゴミを集める1人の男性の姿が目に入ったeye。それは何を隠そう、先日店を訪れた青木恭平の姿だった。

『そうか、ここで仕事を見つけたんだ、頑張ってるみたいだな。この馬券取れたのも、もしかしたら青木さんのおかげかもしれないな。』怜雄は嬉しい気持ちでいっぱいだった。

競馬場を後にした怜雄は、喫茶店「ケンタロウ」へやってきた。

『マスターいつもの!cafe』そう言いながら怜雄はいつものように店の扉を開けて入ってきたdoor

『おう怜雄、その感じだと今日は勝ったみたいだな。』怜雄にそう声をかけたのは、この喫茶店のマスターである小峰健太郎だった。

『その通り、しかも今日は大勝ちだよ!』怜雄は自慢気にそう言った。

『じゃあ、そこにいるお嬢ちゃんにも何かご馳走してやったらどうだ、さっきからため息ばかりついているみたいだからさ。』そう言うと、健太郎はテーブルにうな垂れている真奈美の事を指差した。

『真奈美、どうしたそんなに落ち込んで、男にでもフラれたか?』怜雄は笑いながらそう言った。

『そんなんじゃないよ・・・』真奈美はふくれっ面で答えた。

『それもそうだな、そんな“もの好き”はいないよな。』怜雄はふざけてそう言った。

『それもそうね。』いつもなら言い返してくるはずの真奈美だが、その気力もないようだった。

『あれ?これは相当の重症だな・・・どうした真奈美?俺で良かったら話してみれよ。』怜雄は真剣に真奈美の事を心配しだした。

『実は仕事でね・・・』真奈美が何かを話し出そうとしたその時、お店の扉が開きdoor1人の女性が入ってきたshadow

『よっ、健太郎!元気そうね。』明るい雰囲気のその女性は、入ってくるなり健太郎にそう声をかけた。

『夏稀?』その女性を見ながら、健太郎はそう声を漏らした。実はその女性は、健太郎が以前交際していた、いわゆる「元カノ」の森岡夏稀という女性だったのだ。

~to be continue~

さあ、いかがでしたか今回の『アフスタ』はpaper楽しんでいただけましたか。今回も「janus」を訪れた客が「心の悩み」を解決して帰っていきましたが、その影での藤堂の動きや、最後に健太郎のもとに現れた森岡夏稀という1人の女性の存在が凄く気になりますよね。

次回はいよいよ「第9話」です。物語りもクライマックスへと近づいていきますので、どうぞお見逃しなくお願い致しますhappy01

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の誕生花> 3月12日

0312

「蓮華草」(れんげそう)

花言葉は「あなたは幸福です、私の苦痛を和らげる」です。

「蓮華草」はマメ科の二年草で、原産地は中国です。春に紅紫色の蝶形花を先端に輪状につける蓮華草は、主に東アジアに分布し、日本では飼料作物として古くから栽培されていたようです。蓮のように輪状に並んで花を咲かせることから、「蓮華草」と呼ばれています。

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