こんばんにゃ~
北の猫男爵です
今日から注目の月9ドラマ『ラッキーセブン』がいよいよスタートですね
昨年末、“ミタさん”で一世を風靡した松嶋菜々子、さらには嵐のマツジュン&瑛太というイケメンコンビ、それに加え「地タレ」から完全にスターの座に登りつめた「北海道の英雄」大泉洋、この豪華なキャストが繰り出すものはいったいどんな作品なのか、僕は凄く楽しみにしています
そして今、僕も自身の作品の随筆
で大忙しの日々を送っています
。それは、先週からスタートした連続ブログ小説『アフタースタイル』の連載を遅れずに定期的にするためです
できれば「月9」に対抗するためにも、毎週月曜日に連載をしたいとは思っていますが、途中でそれができなくなる事もあるかもしれません(弱気)ので、そのへんはご了承ください
とりあえず今週はしっかり間に合いましたので、今日は連続ブログ小説『アフタースタイル』の第2話をご紹介したいと思います
。今週も結構“長め”になっていますが、最後まで飽きずにご覧になってくださいね
あらかじめ説明しておきますが、この連続ブログ小説は全てフィクションであり、登場する人物や名称等は実在しません。
それでは早速、第2話の幕を開けてみましょう
『アフタースタイル』 脚本・演出:猫男爵
<CAST>
大澤怜雄:滝沢秀明
町村真奈美:加藤あい
南條 茜:綾瀬はるか
望月龍平:小栗 旬
町村功治:渡辺いっけい
町村由紀:岡江久美子
藤堂弥生:天海祐希
上田達也:妻夫木聡
大澤すみれ:菅野美穂
小峰健太郎:竹野内豊
馬場勝一:橋爪 功
大和愛美:瀬戸朝香(ゲスト出演)
神戸翔平:要 潤(ゲスト出演)
☆カット2☆ 『運命を決められた女』
<前回までのあらすじ>
幼い頃に両親を交通事故で亡くした主人公の怜雄は、父と同じ美容師となるべくその道に進む。そしてその天性の才能で、都内有名美容室「アクア」のNO・2まで昇りつめた怜雄は、突然「アクア」を辞めて、父と母が開いていた美容室を再開することにした。
そんなある日、怜雄のもとに現れた謎の女性南條茜、彼女はどうしても怜雄の下で働きたいと懇願し、怜雄も本意ではないがそれを了承する。果たして、この後に怜雄に訪れる運命とは!
美容室「janus」では大澤怜雄と南條茜が訪れる予約客を待ち構えていた。とその時、お店の扉が開いた
『いらっしゃいませ。』怜雄はいつものように丁寧な口調で言葉を発した。
『よっ、おはようっす!』開いた扉から顔を出したのは、お客ではなく怜雄の美容学校からの友人、望月龍平だった。
『何だよ龍平かよ、紛らわしい時間に来るなよ。』怜雄は顔をしかめながら話した。
『おいおい、そんな言い方はないだろ。お前から頼まれていた例のモノを持ってきてやったのによ。』龍平は口を尖らせてそう言った。
『悪かった、冗談だよ。それより持ってきてくれたんだな例のモノ。』怜雄の顔は少し綻んだ。
『おうよ!なかなか大変だったんだからな・・・あれ?ちょっと待て、そこにいる女子は誰?』龍平は茜の顔を見ながらそう尋ねた。
『ああ、彼女はアシスタントだよ、今日から働いてもらっているんだ。』怜雄は苦々しい顔をしながら話した。
『はじめまして、南條茜です。』茜は笑顔で龍平に挨拶を交わした。
『はじめまして・・・えっ?マジで?嘘だろ?だってよ、お前はアシスタントは絶対に雇わなかったじゃないか。この俺でさえ断られたんだぞ、どういうことだよ!』龍平は不思議そうな表情からややムッとした表情に顔色を変えた。
『いや・・・これには深い理由があってさ。今度ゆっくりと説明するからさ、今日はそのへんにして帰ってくれ、頼むよ、もうお客さんも来る頃だしさ。』怜雄は両手を合わせて龍平に頼み込んだ。
『わかったよ、じゃこれが新作のPPTだ、置いていくぞ。』そう言うと龍平はテーブルにそれを置いた。
『ありがとう、助かるよ。』怜雄のその言葉を聞き、龍平は怜雄の顔を見ながらお店の外に出て行った
『今の方は誰ですか?』茜が怜雄に尋ねた。
『俺の美容学校時代の友人で、望月龍平っていうやつなんだ。また今度ゆっくりと紹介するよ。それよりも、そろそろお客さんが来る頃だから準備して。』そう口を濁して、怜雄は準備に取り掛かった。
その頃、怜雄の幼なじみで隣りの本屋に住む町村真奈美は、勤務先である出版社にいた。
『町村さん、チーフが呼んでますけど。』
後輩のその声を聞き、真奈美はチーフである怜雄の姉の大澤すみれのもとへと向かった。
『お呼びですか、チーフ。』そう言いながらやってきた真奈美にすみれは話し始めた。
『真奈美ちゃん、あなたに今回特集を組んでもらいたいものがあるの。』
『えっ?特集を任せてもらえるのですか?』真奈美は嬉しそうな表情で答えた。
『ええそうよ、これがその特集なんだけど。』そう言いながらすみれは資料を真奈美に見せた。
『都内NO・1美容室とカリスマ美容師、これって・・・』真奈美は一瞬言葉が詰まった。
『そうよ、あなたも知ってるわよね?「アクア」で働く上田達也よ。』
『でも、「アクア」は怜雄が以前働いていたところ・・・』真奈美は小さな声で話した。
『怜雄のことは関係ないわ、これは仕事よ真奈美ちゃん、どうなの、やるのやらないの?』すみれは真奈美の目を見ながら少し強い口調で尋ねた。
『や、やります、やらせてください!』真奈美は頭を下げて返事をした。
『わかったわ、じゃあ早速取材
に行ってきて、今日は「アクア」は定休日だから先方には夕方に会う約束は取ってあるわ、頼んだわよ。』すみれは真奈美を見つめながら話した。
『はい、わかりました・・・』真奈美は心の中では困っていたが、それを押し隠すように答えた。
その頃、「janus」の隣りの本屋の店先では、真奈美の父親の町村功治が店頭に並べてある本を整理していた。そしてその後ろを、1人のOL風の女性
が歩いて通り過ぎ、「janus」の前で立ち止まった。
『来た来た、今日のお客さんだな。』功治は小声で呟きながら、妻の町村由紀の方を見た。
『母さん来たよ、今日のお客さんだよ!』功治は由紀にそう呼びかけた。
『いらっしゃいませ。あれ?どこにもいないじゃないのお客さんなんて。』由紀は不満そうに功治に話した。
『違うよ母さん、怜雄のところにお客さんが来たんだよ。』功治は覗き見をしながらそう言った。
『なんだ怜雄君のところの話なの、それならそう言ってよね。』由紀もそう言いながら功治の隣りに駆け寄っていった。
「janus」の前で立ち止まっていた女性は、再び歩き出しその扉を開いた
『いらっしゃいませ。』怜雄の声が店内に響いた。
『予約していた大和愛美ですけど。』女性は自分の名前を名乗った。
『お待ちしておりました、こちらへどうぞ。』怜雄は優しい口調で愛美を店内に案内した。
そして、店内に1つしかない椅子
に座らせて愛美に話しかけた。
『大和愛美様、今日はご予約いただきまして誠にありがとうございます。今日はどのような感じに致しますか?』怜雄はそう話しかけた。
『えっと・・・』愛美は迷いがあるのか、すぐには返事ができない様子だった。
『もしも、決まっていなければ私に任せていただいても構わないのですが、いかが致しましょう?』怜雄は再び愛美に話しかけた。
『えっと・・・じゃ、あなたにお任せします。』愛美はそう答えた。
『わかりました。』怜雄は愛美に笑顔で答えて準備を始めた。
その頃、都内の釣り堀では怜雄の競馬仲間の馬場勝一が釣りをしていた
『今日は火曜日か、今頃小僧のやつ髪を切っている頃だな。』そう呟く勝一の顔には微笑が零れていた。
そして勝一が垂らしていた釣り竿がピクっと動いた。
『おっ、来た来た!これは結構な大物だぞ
』
勝一は馬ばかりでなく、魚の心までも感じ取る事ができるのかもしれない。
「janus」では準備が整った様子だった。
『茜ちゃん、ストロークで切っていくからセニングシザース
はそこに置いておいていいから。』
『わかりました。』
そんな怜雄と茜の会話のやり取りが終わり、怜雄は椅子に座る愛美の背後に立ち、鏡越しに話しかけ始めた。
『お待たせしました、それでは切っていきますね。』
『はい、お願いします。』
『愛美さんでしたよね?』
『はい。』
『ちょっと髪が痛んでますけど、最近何か悩み事でもありましたか?』怜雄は優しく語り始めた。
『悩み事?そんな事が何か髪を切るのに関係あるの?』愛美は少し困惑した表情で答えた。
『それがあるんですよ。心が傷ついていれば、それは髪にも出てきます。一見何でもないように見えますが僕はプロですよ、プロの目は誤魔化せません。』怜雄は鏡に映る愛美の目を見つめた。
『凄いのね、美容師さんて。』愛美は関心しながら答えた。
『まあ、それが仕事ですから。』怜雄は笑顔を見せた。
『惨めな話だけど・・・いいわ、どうせ終わった事だから話すわ。』愛美はそう言うと、何か吹っ切れたように話し始めた。
『実はね、結婚を考えていた人がいてね、その人ともうすぐ幸せになるはずだったの。でもそれは叶わなかったわ・・・見事にその人に騙されてね、その人は私ではなく違う女性を選んだのよ・・・』愛美は少しうつむきながらそう言った。
『彼とは長かったんですか?』怜雄は尋ねた。
『彼とは付き合って5年よ。彼はね外資系
に勤める人で、父親は親会社の社長、つまり御曹司っていうわけ。でも彼はいずれ独立したいっていつも私に話してくれていたわ。ある程度の目途が立って、私が30歳になるまでには結婚しようって私に言ってくれたの。でも結局彼は、父親の決めた関連会社の社長令嬢と結婚するから私とは結婚できないって、そう言われたわ・・・ねっ、惨めな話しでしょ。』愛美は苦笑いを浮かべていた。
『あなたはフラれた
って事ですね?』怜雄は口を開いた。
『ちょっと怜雄さん!』茜は思わず声が出てしまった。
『はっきり言うのね、まあ事実だから仕方ないけど・・・あの人の父親はね、財界でも名の通った名士なの、その息子なんだからきっと私よりももっと品格のある女性がお似合いなのかもしれないわ。』愛美は少し暗い表情になった。
『それは本当に愛美さんの本心ですか?』怜雄は愛美に尋ねた。
『ええ、もちろんよ。』愛美は少し間をおいて答えた。
『茜ちゃん、シェープするからそこのコーム取ってくれる?』怜雄は愛美のその答えを聞き、何かを悟ったように茜にそう言った。
『はい、これですね。』茜は怜雄にコームを手渡した。
『それでその彼は、あなたの事をもう何とも思っていないんですか?』怜雄は再び話を切り出した。
『そりゃそうでしょ、その証拠にニューヨークへの海外勤務願いを会社に出して、その婚約者と一緒にそっちに行くみたいだし。』愛美は浮かない表情で答えた。
『ニューヨークですか、また遠いところですね。』怜雄は少し驚いて見せた。
『仕方ないのよ、こうなる事は決まっていたのよきっと、これが運命なのよ、私の運命は決められていたのよ。』愛美は少し笑みを浮かべながらそう言った。
少し間をおいて、怜雄が鏡に映る愛美に語り出した。
『愛美さん、僕の後ろのあの場所が見えますか?』怜雄は鏡に向かって指を指してそう言った。
『あの、暖簾のかかった場所のこと?』愛美は怜雄にそう答えた。
『そうです、あそこです。』怜雄は答えた。
『それが何か?』愛美は不思議そうに尋ねた。
そして怜雄は口を開いた。
『僕は幼い頃、父が美容室で髪を切る後ろ姿をいつもあそこで見ていたんです
。お客さんに優しく語り掛けている父の姿、どうして髪を切る仕事なのに話すことがそんなに大事なのか、それが子供の頃の僕には理解できませんでした。』
怜雄の話を愛美は真剣なまなざしで鏡越しに聞いていた。
『でもそんな父の姿が知らず知らずのうちに、いつしか僕の心に大切な事を教えてくれていたんです。父と母を亡くした8歳の僕が父から教わった事、それは、運命は誰かに決められるものではない、自分で創っていくものだという事です。今日の自分が明日の自分を創り、そしてやがて1年後の自分を創るんですよ。』
髪を切りながらそう話しかける怜雄の姿に、愛美もそして茜も思わず息を呑んでいた。
『愛美さん、知っていますか?運命なんて、本当はこの世に存在するようで実は1つも存在しないものなんですよ。』怜雄の顔はさらに優しい顔になっていた。
『えっ、どういう事?』愛美は思わず言葉が零れた。
『あなたの人生を誰かが決める事なんて絶対にできません。運命を決めるのは自分だけ、あなたの未来を決めるのはあなただけですよ。』怜雄の言葉は愛美の心に強く響いた。
『でも・・・』愛美は言葉に詰まった。
『あなたは、彼があなたの事をまだ好きな事も、そして彼が選んだその結婚が彼にとっては本意でない事も。彼があなたに幸せになって欲しいがために、あなたに嘘をついている事も、全て知っているんですよね?』怜雄は優しくそして穏やかな口調で尋ねた。
『ど、どうしてそれを・・・』愛美は溢れそうになる涙を堪えた。
『僕は髪を切るプロです、でもただ髪を切るだけでは本当の美容師とは言えません。お客様の心を感じ取る事ができなければ、お客様が満足するようなカット
はできませんからね。』怜雄は微笑んだ。
『・・・・・』愛美の目には涙が浮かんでいた。
『はい、できました。こんな感じでいかがですか?少ししかカットはしていませんが宜しいですか?』
『はい、凄く素敵な髪型です。』愛美は涙を堪えながら答えた。
『彼に愛されていた今のままの自分の姿を、本当はあまり変えたくはなかったんですよね。でも心のどこかで何かを変えたい自分がいた、それで髪を切りに来たんですよね?』怜雄は涙目の愛美に話しかけた。
『本当は恐かった・・・彼に嘘をついて、そして自分に嘘をついていることが・・・』愛美は本当の気持ちを怜雄に話した。
『そのままの姿で、正直なあなたの想いを彼にもう一度ぶつけてみたらどうですか?もう、心の中で気持ちは決まっているんじゃないですか?』怜雄は愛美に尋ねた。
『良かった、本当に今日ここに来て良かった。これから空港へ行ってきます、実は彼は今日ニューヨークへ立つんです
急がなきゃ!』愛美は濡れた瞳を拭い笑顔で言った。
『今日なんですか!まだ間に合います、大丈夫です僕が送って行きますよ。』そう言うと、怜雄は愛美の手を取り、店の外に停めてあるバイクのところに行き、愛美にヘルメットを差し出した。
『一緒に乗って、行くよ愛美さん!』
『はい、お願いします。』愛美は笑顔で答えた。
『茜ちゃん、ちょっと行ってくるからあとは頼むね。』
『えっ、怜雄さん、ちょっと待ってくださいよ!』そう言いながら追いかける茜を無視して、愛美を乗せた怜雄のバイクは走り去っていった。
その頃、定休日の「アクア」のオーナー室では、パソコン
と向き合うオーナーの藤堂弥生の姿があった。
『先月よりも顧客数は減少か・・・達也の顧客も少しずつ他に流れていっているし、そろそろ達也の“代わり”を探さないといけないか。達也の賞味期限もそんなに長くはなさそうだし。』そう言いながら、藤堂は何かを企むような表情を見せた。
怜雄と愛美がバイクで立ち去った「janus」の店内では茜が一人で後片付けをしていた。
『いくら大切なお客さんとはいっても、普通あそこまでするかしら?怜雄さんって、やっぱり噂通りの人ね。』そんなことを一人で呟いていると、お店の扉が開く音がした
そこへやってきたのは、龍平だった。
『あっ先程の・・・』茜は龍平の顔を見ながらそう言った。
『望月です、望月龍平です、龍平って呼んで。』龍平は笑顔で話しかけた。
『は、はい。』茜も苦笑いで答えた。
『え~と、茜ちゃんだっけ?』龍平は思い出すように言った。
『はい。あっ、怜雄さんなら今、出て行きましたけど。』茜は困った顔でそう答えた。
『知ってる、今そこでバイクで出て行くのを見たよ。』少し呆れた顔をしながら龍平は言った。
『何か用事があったんじゃないですか?』茜は龍平に尋ねた。
『いいのいいの、あれがアイツなんだよ茜ちゃん。』
『えっ?』
『どうして怜雄が週に一度しか店を開けないか知ってる?』龍平は茜に尋ねた。
『火曜日は他のお店が定休日だから、どうしてもその日の髪を切りたい人がいた時に困るからって聞きましたけど。』茜はそう答えた。
『それもあるけどさ、あいつは予約が入ったらその一週間は、そのお客の事だけに集中しているんだよ。たった一人のお客のために、どうしたら満足して笑ってお店を後にしてもらえるか、あいつはそれしか考えていないのさ。何もあそこまでする事ないのに、お節介にも程があるよ。』龍平はまた呆れた表情でそう茜に話した。
『確かに・・・さっきのお客さん、お店に入ってきた時と帰る時では顔の表情や雰囲気が全然違った!』茜は思い出しながらそう言った。
『そうだろ、怜雄に髪を切ってもらった人は、みんな最後は笑って帰って行くんだよ。アイツは天才だよ。』龍平は今度は少し誇らしげにそう言った。
『でも、どうしてそんな事を私に教えてくれるんですか龍平さんは?』茜が尋ねた。
『それは君が、怜雄が初めて雇ったアシスタントだからさ。きっと君は怜雄の事をもっと知っていた方が良いと思ってさ、俺がアイツのためにできる事なんてこれぐらいしかないから。』そう言い残すと龍平は茜のもとを去っていった。
空港では、バイクで怜雄に送ってもらい、空港内を必死に走りながら神戸翔太を探す愛美の姿があった。
『どこ、どこなの翔太!』愛美は必死だった。それは、今ここで伝えなければ一生伝える事ができないからであった。
その時、愛美の目に翔太の後ろ姿が映った。
『翔太!待って翔太!』愛美の叫び声が空港内に響いた。
『愛美・・・』翔太はその声に思わず振り返った。
息を切らしながら翔太のもとに駆け寄った愛美は口を開いた。
『待って、私、私、自分の気持ちに嘘をついて、翔太のためにって必死に抑えていた。でも、それでは自分の未来なんて切り開く事はできない!私にはあなたが必要なの!だって、だって、あなたのいない人生は本当に私が望む人生ではないから!』
『愛美・・・』愛美の必死の言葉に翔太は息を呑んだ。
『ちょっと翔太さん、誰なのこの女?』翔太の横にいた婚約者がそう言った。
『・・・・』翔太は無言だった。
『もうそんな人構わないで、早く行きましょうよ。』婚約者は翔太にそう促した。
『行ってくれ・・・』翔太は呟くような小声で言った。
『えっ?』婚約者は聞きなおした。
『行きたかったら、1人で行ってくれ・・・』翔太は今度はハッキリと聞こえるような声で婚約者にそう言った。
『えっ、どういうこと、翔太さん?』婚約者は信じられない表情でそう言った。
『俺は、愛美と自分の人生を歩く。もう親父に決められた人生を歩くのはウンザリだ!俺の人生は俺が決める!』翔太は力強い言葉でそう伝えた。
『翔太・・・』愛美の表情が緩んだ。
『愛美、ゴメンな、俺は何もわかってなかった。俺がお前のもとを去る事が、一番お前のためになると思っていた。でもそれは違った、俺は自分で自分が決めた道を歩く、それがきっと俺の運命なんだ。たった今、お前に教えてもらったよ。』翔太は穏やかな表情でそう話した。
『うん、ありがとう、翔太。』愛美もまた穏やかな表情で答えた。
抱き合う2人の姿を、少し離れた場所から見つめる怜雄は、優しく微笑むと2人に背を向け歩き出し空港をあとにした。
夕方になり夕陽
が眩しくなってきた頃、喫茶店
「ケンタロウ」に怜雄はやってきた。
店に入るなり、いつものように怜雄はマスターの小峰健太郎に向かってこう言った。『マスターいつものちょうだい。』
『おう、もう空港からのお帰りかな。』健太郎は怜雄にそう言った。
『何で知ってるんだよ?』怜雄は不思議そうに尋ねた。
『お前の帰りを首を長くしてお待ちかねだよ、茜ちゃんが。』健太郎は笑いながら怜雄にそう言った。
『そうか、そういう事か。』そう言うと怜雄は茜が座るテーブルの方へ歩いて行った。
『あっ、怜雄さん!どうでしたか愛美さんは?』茜はすぐに怜雄に聞いた。
『まあ、あの2人ならどんな事も乗り越えていけるよきっと、2人とも良い目をしていたよ。これが自分達の運命だっていう事に気がついたみたいな目をしてた。』怜雄は満足気な表情を浮かべた。
『怜雄さんって、どうしてそこまでするんですか?』茜は怜雄に尋ねた。
『どうしてかな?それは俺にもわからないよ。』怜雄は口を濁した。
2人でそんな会話をしていると、お店に2人のお客さんが入ってきた
『いらっしゃいませ。』そう言う健太郎の目に映ったのは真奈美だった。
『おう、真奈美ちゃん!』健太郎は真奈美に声をかけた。
その声に気づいた怜雄もお店の扉を見た
そして『珍しいな、こんな時間に真奈美がここに来るなんて。』と呟いた。
すると、その真奈美の後ろには1人の男性の姿
があり、そしてその男は「アクア」でカリスマ美容師
として働く上田達也であった。
『上田・・・』その姿を見た怜雄の表情は一変した。
怜雄と上田はお互い目を合わせたまま、言葉を発しなかった。
茜にはその時、目の前で何が起きているのかはわからなかった。
~to be continue~
さあ、いかがでしたか「アフスタ」の第2話は
ちょっとストーリーが長くなってしまい申し訳ありません
怜雄と上田の関係には何か隠れた過去があるのか、そして「janus」にやってくる次なるお客はどんな人物なのか?楽しみがどんどんと増すばかりではないでしょうか
。次回の「第3話」を乞うご期待
それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)
<今日の名字しりとり> 渡瀬(わたせ)さん→世歩(せほ)さん、これも非常に希少なお名前かと思いますが、「世の中を歩く」と書いて「せほ」さんとお読みになるんですね。そんな「世歩さん」は全国には10名程いるそうです。
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