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2011年9月26日 (月)

栄冠は君に輝く~9回裏~

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です

気がつけば「9月」も残りあと4日で終わりですね。数えてみれば、今年もあと「100日」も無いんですね。ついこの前、2011年の幕が明けたと思いきや、あっという間に月日というものは経つものですね

そんなことをしみじみと感じてしまう今日この頃ですが、今日のブログは、2000年代半ばの高校野球界を席巻した「駒大苫小牧高校」の栄光と挫折を振り返る、恒例のシリーズ企画「栄冠は君に輝く」第9回をお送りします

前回までは、夢の「夏3連覇」をかけて甲子園に乗り込んだマー君率いるチームが、初戦である2回戦を辛くも勝利し、続く3回戦、そして準々決勝と1点差ゲームで勝利し、「3連覇」まで「あと2つ」というところまできたところまでお伝えしてきました

そしていよいよ、「夏3連覇」へ向けての最大の試練が訪れてきました皆さんも、どうかご一緒に時計の針を今から5年前の2006年夏に巻き戻してみてください

2006年8月19日 <準決勝> 対「智弁和歌山」(和歌山県)

2006年夏、灼熱の中で繰り広げられた大会は第14日目を迎え、開幕前に49校が勢揃いしていた甲子園球場には、激戦を勝ち抜いた4校だけが残っていました。そんな中で迎えた準決勝の相手は、名将高嶋監督率いる強豪「智弁和歌山高校」でした

この日の駒大苫小牧の先発マウンドにはマー君の姿はなく、2年生の菊地君が上がりました。しかし制球が定まらず、智弁和歌山に先制点を許すと、1回を持たずして2番手の岡田君にマウンドを譲ります。

『今日も苦しい展開か・・・』と僕の心も何か重苦しい雰囲気になりました

栄冠は君に輝く〜9回裏〜

しかしその裏、駒大苫小牧は4番で主将の本間君の三塁打で同点とすると、さらに山口君の二塁打などで3点を追加し、「4対1」とリードを奪います

2回の守りでは、代わった岡田君もピリっとせず、3連打を浴びて智弁和歌山に2点を奪われたところで、遂に駒大苫小牧は“切り札”を登場させます

栄冠は君に輝く〜9回裏〜

体調不良でここまで本来の力を発揮できていない、エースのマー君を予定よりも早く登板させました。しかしこの“早目の策”が功を奏し、智弁和歌山の攻撃は見事に沈黙しました

この日のマー君は、今までとは別人のような復調ぶりを見せてくれました

『さすが田中だ!田中がいなかったらどうなっていただろう・・・』と僕の心は安堵の気持ちでいっぱいでした

その後、智弁和歌山も必死に追いすがりますが、序盤のリードを駒大苫小牧は守りきり、マー君は2回途中から10奪三振の好投を見せ、見事に「7対4」で智弁和歌山を破り、73年ぶり史上2校目となる「夏3連覇」に遂に王手をかけました

道民にしてみると、3年連続で「夏の甲子園決勝戦を応援できる」という、今までの北海道勢にしてみれば考えられないような現実に、本当に思わず笑みが浮かんでしまうような感じでした

2006年8月20日 <決勝戦> 対「早稲田実業」(西東京)

遂に「運命の日」が訪れました。1年前に「夏連覇」を達成した日から課せられた「夏3連覇」の快挙への試練・・・

幾多の挫折を経験しながらも、くじけずに全員の力でここまで辿り着いたその駒大苫小牧の選手に、試合前に僕はまずは“賛辞の言葉”をかけました

『本当によく頑張ってきたよ君達は、あと1つ、最後のもうひと頑張りだ!君達なら絶対にできるはずだ!頑張れ!』

そんな言葉を僕は胸の中で小さく呟いたことを思い出します

幕を開けた88回目の夏の甲子園の決勝戦、駒大苫小牧の先発はこの日もマー君ではなく、2年生の菊地君でした

「マー君ひとりに頼るのではなく、チーム全員の力で戦う!」香田監督の信念は全く揺るぎのないものでした

菊地君が何とか2回を抑えたところで、駒大苫小牧の必勝パターンマー君が駆け足でマウンドに上りました

その後は、駒大苫小牧のマー君と、早稲田実業の斉藤君(ハンカチ王子)による、見ごたえのある投手戦となりました

「0対0」の息詰まる投げ合いに、球場は思わず固唾を呑んで見守りました

そして試合が動いたのは8回表でした。ここまで早実の斉藤君に僅か1安打に抑えられていた駒大苫小牧ですが、遂にその均衡を破りました

栄冠は君に輝く〜9回裏〜

2番打者三木君の打った打球はぐんぐんと伸び、見事にバックスクリーンに飛び込むホームランとなりました

実はこの試合、僕はテレビ中継を生で観ることができませんでした。というのも、僕自身が企画した「スイーツの旅」というもののロケをMVDの友人たちと行っており、この試合の模様は自宅に帰った夜に、録画したものを見たのです

リアルタイムではなく録画映像とはいえ、僕はこの一撃に大興奮しました

『よ~し!!これで3連覇いけるぞ!』僕のテンションはMAXでした

しかし、そんな歓喜の瞬間も束の間でした・・・すぐにその裏に早実が1点を返し、「1対1」の同点に追いつかれたのです

「なかなか簡単には勝てないな・・・」それはここまでの道のりも同じことでした。でも、この険しき道のりを勝ち進んできた駒大苫小牧の底力を僕は信じて、熱い声援を送り続けました

そして、試合は9回で決着がつかず遂に「延長戦」へ突入していきます

栄冠は君に輝く〜9回裏〜

「マー君」「ハンカチ王子」、お互いの「意地」と「プライド」をかけた投げ合いは本当に見ていても心に響くものがありました

結局、3時間37分に及んだ激闘は決着がつかず、延長15回規定により引き分け再試合となりました。決勝戦再試合は第51回大会(1969年)の松山商(愛媛)と三沢(青森)の対決以来、実に37年ぶりのことでした

試合終了と同時に起こった5万人の観衆による大きな拍手は、しばらく鳴り止むことがありませんでした。多くの観衆が立ち上がって拍手を送る光景を見て、僕は思わずウルっときてしまいました

こんなに素晴らしい試合はそんなに観れるものではありません本当に両校の選手の精神力には頭が下がります。

特にエースとして投げ合った2人、マー君は12回2/3を投げ10奪三振、かたや斉藤君は1人で15回を投げ抜き、16個の三振を奪いました

「夏3連覇」を目指して戦ってきた駒大苫小牧、そしてその背中を追いかけ追い越すために努力してきた早稲田実業、そんな両校だからこそ生まれた「壮絶な試合」だったのではないでしょうか

決勝戦再試合に向けて両校は気持ちを新たに、翌日再び甲子園のグランドに登場するわけですが、その「運命の試合」については、次回の「栄冠は君に輝く」でご紹介することにします

次回はいよいよこのシリーズ企画の「最終回」です

駒大苫小牧の夢の「夏3連覇」は果たして達成されたのか次回乞うご期待です。

それでは今日はこのへんで。がんばろう、日本!

<今日の名字しりとり> 属(さっか)さん→門出(かどで)さん、何かしらの挨拶で『門出さんの門出を祝って・・・』などという、ウケを狙った挨拶が聞けそうですね。そんな「門出さん」は全国には470名程いるそうです。

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