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2011年7月14日 (木)

栄冠は君に輝く~1回表~

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です

7月も中盤に差し掛かり「夏本番」となってきましたが、今日は凄い大雨の一日でしたね気温も一気に下がり肌寒ささえ感じました

全国的にみると「梅雨明け」になったようですが、本来は「梅雨」のない北海道では今「梅雨」の真っ最中のような天候です。停滞前線の影響で、しばらくは雨の日が続くみたいです。早く澄んだ青空を見たいものですね

さて、そんな梅雨が明けた全国各地では今盛んに「高校野球」の地方予選が開催されています

高校野球をする全国の球児の憧れである「甲子園球場」。“聖地”と呼ばれるその地でのプレーを夢見て、みんな青春の全てをかけて練習に汗を流しているわけです

一度でも「甲子園」でプレーすることができれば、それは野球を志す高校球児にとっては本当に幸せなことなんです

そんな高校野球の歴史には、数多くの名勝負、そして数多くのスター、語り尽くせないほどの筋書きのないドラマが誕生しました

中でも僕ら北海道民にとって決して忘れることのできない思い出と言えば、2004年に道民の願いでもあった夢の「全国制覇」を成し遂げた駒大苫小牧高校の活躍です

今でもあの「感動」と「興奮」を僕は忘れることはできませんし、まだ昨日のようにも感じられるほど鮮明に僕の記憶の中にプレーの数々が浮かんできます

初優勝の翌年には57年ぶりとなる夏連覇を達成し、さらにその翌年には夢の3連覇にあと一歩手が届きませんでしたが、高校野球界に一時代を築いた駒大苫小牧の活躍ぶりは、暑い夏に道民の心をさらに熱くさせてくれました

そこで今日から数回に渡り、あの感動をもう一度甦らせて、駒大苫小牧の「栄光」を振り返るとともに、その裏にあった「挫折」も省みて、その光と影に隠された青春と白球の思い出を振り返っていきたいと思います

これは、幼い頃から高校野球を心より愛し、そして誰よりも夢中になったと自負している僕自身の記憶の限界への挑戦でもあります

全国にはたくさんの高校野球ファンの方がいらっしゃると思いますが、どうかご一緒に懐かしんでいただければ幸いかと存じます。もしかすると、僕の記憶違いや思い違いなどもあるかもしれませんが、そのへんはご了承ください

それでは早速スタートしてみたいと思います

「栄冠は君に輝く」~1回表~ プレイボール

2003年夏、「甲子園球場」には全国各地での激しい地区予選を勝ち抜いた49の代表校が集い、第85回全国高等学校野球選手権大会の熱戦が繰り広げられていました

この年、南北海道代表として甲子園の土を踏んでいたのは、2年ぶり3回目出場の駒大苫小牧高校でした

この当時は、決して高いとは言えない北海道の高校野球のレベルでは、初戦突破をできるかどうかというところが多くの道民の願いでした

大会前に優勝候補にあがっていたのは、常総学院や明徳義塾、PL学園に智弁和歌山などのいわゆる甲子園常連校でした

そんな中で駒大苫小牧が登場したのは、大会2日目の第2試合で対戦相手は岡山県代表の倉敷工業でした

<1回戦> 対倉敷工業

試合の序盤から駒大苫小牧が積極的な攻撃を見せ、4回裏の時点で「8対0」と大量のリードをします。北海道代表校の久しぶりの大量リードに、僕はこの時点で勝利を確信していました

この試合、先発投手を務めていたエースの白石君の出来も非常に良かったので、8点の差をひっくり返されることは、まず無いという自信が僕にはありました。それはグランドでプレーする選手たちも同じだったと思います。

しかし、そんな僕の勝利への“確信”はあっけなく消えてしまいました“敵”は思わぬところにいたのです

4回裏途中に台風の接近により、猛烈に激しい雨が降り始めたのです。選手たちはみんなベンチに引き上げさせられ、この悪天候の状況を見守ることしかできませんでした

あまりにも凄い雨なので、僕の頭の中にも思わず「ノーゲーム」というものが脳裏をよぎりました

高校野球のルールでは7回終了がゲーム成立の条件となっています。このままでは、せっかくのリードが台無しになってしまう・・・

そんな僕の思いは、数分後に現実になってしまいました。大会本部と審判団の競技の結果、これ以上の天気の回復が見込めず、グランド状況の修復も不可能と判断され、降雨ノーゲームが宣言されたのです

駒大苫小牧にとっての甲子園初勝利は、夢と消えたのです・・・

そして翌日、この試合は「再試合」として第1試合に行われることになりました

試合は前日の試合展開とはうって変わり、倉敷工業が試合を優位に進め、前日の駒大苫小牧の勢いは全く影を潜め、結局「2対5」というスコアで、駒大苫小牧は倉敷工業に破れ、初戦敗退を喫したのです

この2日間のことは「忘れられない名勝負」として、今も全国の高校野球ファンの中では語り草となっていますが、僕ら道民にとっては本当に雨が憎たらしくて仕方のない出来事でした

駒大苫小牧が敗退した再試合には、当時2年生だった鈴木君(翌年の決勝戦の胴上げ投手)が終盤にマウンドに立ち、素晴らしいピッチングをしたことを僕は憶えていますし、代打で佐々木君(翌年の初優勝で深紅の大優勝旗を手にした主将)も登場したことを憶えています

「運に見放された・・・」とも取れるこの大会での駒大苫小牧の敗戦ですが、実はこの試合での敗戦こそが、その後の駒大苫小牧という高校野球史に残るチームの誕生に大きく繋がっていたということを、この時点では誰にも分かりませんでした

ちなみにこの日の敗戦以降、3年後の2006年の決勝戦で早稲田実業に敗れるまで、駒大苫小牧は夏の甲子園で「14連勝」を達成しました

この第85回大会を制したのは茨城県代表の常総学院で、茨城県勢としては1984年の取手二高以来、実に19年ぶり2度目の優勝でした

その19年前に取手二高を優勝に導いたのが、常総学院で今大会監督を務めていた名将木内監督です。そして木内監督はこの大会を最後に勇退が決まっており(後に復帰)、実にドラマチックな決着となりました

この時、決勝で常総学院に敗れた東北高校のエースが、現在の日本プロ野球最高峰の投手ダルビッシュ有君でした

2003年夏、駒大苫小牧にとっては悪夢のような夏でしたが、この「挫折」が「栄光」へとつながる序曲でもあったのです。全ては既に始まっていたのです

この栄光へと繋がる物語の続きは、次回へのお楽しみにとっておくことにしましょう

さあいかがでしたか、高校野球史にその名を残した駒大苫小牧の栄光を振り返るシリーズ企画「栄冠は君に輝く」の第回、皆さんの記憶に少しだけ“あの夏”の思い出が甦ってきましたか?

それではまた次回の「栄冠は君に輝く」でお会いしましょう

それでは今日はこのへんで。がんばろう、日本!

<今日の名字しりとり> 喜作(きさく)さん→黒武者(くろむしゃ)さん、お茶の名前になりそうなお名前ですが、「黒武者さん」は全国には150名程いるそうです。

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コメント

猫さんお久しぶりです実は僕の地元の高校のエースは僕の弟なんですよ見事全道大会出場を果たしましたぜひ猫さんにも応援していただきたいです

投稿: 元氷屋 | 2011年7月14日 (木) 21時08分

元氷屋さん
本当ですか!!!
僕はもちろん高校野球マニアですから、元氷屋さんの地元の高校のエースの名前が、元氷屋さんと同じ名字だということは知っていました
でもまさか身内だとは思いませんでした!しかも弟だとは!!
かなり今、ビックリしています

もちろん甲子園に行けるように応援しますよ!
もしも甲子園出場となれば、元氷屋さんも応援に行きますよね?僕も一緒にいきたいな~
今年の北北海道大会は混戦ですから、もしかすると、もしかしますよ!
僕の母も、元氷屋さんの地元の高校の卒業生ですから応援していますよ
とにかく、弟さんの高校生活最後の夏、少しでも長くグランドに立てるように祈っています。

投稿: 猫男爵 | 2011年7月14日 (木) 21時21分

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