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2011年7月24日 (日)

栄冠は君に輝く~3回表~

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です

今日は久しぶりに本格的な「夏の暑さ」が戻ってきた一日でした

この暑い最中に行われている夏の甲子園大会の地方予選、昨日我が十勝地区代表の白樺学園高校見事に北北海道大会を制し、5年ぶり2回目の甲子園の切符を掴みました

そして今日は、僕が毎年応援している駒大苫小牧高校が、南北海道大会の決勝戦で北海高校と対戦しました。僕は今日は実家で庭の草取り作業をしていたので、ラジオを聞きながら駒大苫小牧に熱い声援を送っていました

結果は惜しくも「4対5」で破れ、4年ぶりの甲子園出場は逃しましたが、2点リードされた9回に同点に追いつくあたりは、駒大苫小牧らしい“何かをやってくれる感”を十分に感じられました

今年のチームは1、2年生主体の非常に若いチームです。必ずこの雪辱を来年は果たしてくれると僕は信じています

その駒大苫小牧高校の監督を現在務めているのが、2004年の優勝時に主将を務めていた佐々木孝介さんです。少年だった彼もすっかり好青年になり、選手の良き兄貴分としてチームを率いています。就任して3年目でチームを甲子園まであと一歩まで導いたわけですから、彼の監督としての手腕にはかなりの期待が持てるのではないでしょうか

来年こそ、「駒澤」と胸に刻まれた駒大苫小牧のユニホームが甲子園に帰ってくることを僕は祈っています

さあ、すっかり駒大苫小牧のお話で1人で盛り上がってしまいましたが、今日はもうすっかりお馴染みになった、高校野球回想企画「栄冠は君に輝く」第3回をお送りします

「北海道の高校野球の歴史を変えた」とまで言われた、駒大苫小牧高校の活躍を振り返るこの企画、皆さん、時計を今から7年前の夏、2004年夏に巻き戻してみましょう

前回の第2回でお話したのは、第86回全国高等学校野球選手権大会の準々決勝で横浜高校を破り、見事にベスト4進出を決めたところまでした。それでは、その続きからお楽しみください

2004年8月21日、大会も第15日目を向かえ、49校で始まった大会も、甲子園でプレーすることが許されるのは、残すところ4校だけとなりました。その1校が、我が北海道の期待の星「駒大苫小牧」でした

北海道勢悲願の優勝に向けて、マジックは「2」というところまで来ました

<準決勝> 対東海大甲府

緊張と期待が交錯する中で向かえた準決勝の相手は、山梨県代表の東海大甲府高校でした

この日は土曜日、仕事が休みだった僕は自宅でこの試合を観戦していました。土曜日ということもあり、甲子園球場には大勢の観衆がスタンドを埋め尽くし、熱い興奮に包まれていました

そんな中、両チームがグランドに飛び出し、いよいよ試合が始まりました

栄冠は君に輝く〜3回表〜

先制したのは駒大苫小牧でした。2回裏、7番桑島君、8番五十嵐君の下位打線が連続タイムリーを放ち、2点のリードを奪います

この日も序盤から好調な打線に、僕は『今日も調子良いぞ!これはイケるぞ!』と、早々と勝利を確信してしまいました

しかし、この日の駒大苫小牧のマウンドを任されたのは、甲子園のマウンドに初めて立った2年生の松橋君でした。松橋君は3回表に東海大甲府打線につかまり逆転を許してしまい、3年生の鈴木君にマウンドを託します。

それにしても、甲子園初マウンドに上がった2年生の松橋君の直球の威力といったら素晴らしいものがありました。ややコントールに難があり荒削りのところもありますが、岩田君、鈴木君、吉岡君に続く4番手の投手でありながらも、『駒大苫小牧にはまだこんな投手がいたんだ!何て層の厚いチームなんだ!』ということを、全国の高校野球ファンに感じさせることができたと思います

松橋君の後を継いだ鈴木君は相変わらずの快投で、三振の山を築きます。そして打線も3回、4回、5回と3イニング連続で爆発し、5回を終了し「10対3」と大きくリードしました

『良し、これで今日は大丈夫だ!決勝進出は決まりだ!』と僕は思わず余裕の表情になりました

しかし、野球はそんなに甘くありませんでした・・・好投していた鈴木君が7回につかまり、駒大苫小牧は3人目の岩田君にスイッチしました

東海大甲府の粘り強さに徐々に差を縮められ、気がつけば「10対7」まで詰め寄られていました。

そして迎えた最終回、東海大甲府は1点を入れ2点差とし、さらに2死1、2塁、長打が出れば同点というハラハラする場面でしたが、最後は岩田君が最後の打者を抑え「10対8」で勝利し、駒大苫小牧は夢にまでみた甲子園の決勝の舞台に進むことになりました

<決勝> 対済美

2004年8月22日、北海道勢として初の決勝に進んだ駒大苫小牧の相手は、春の選抜大会を制した「王者」済美高校でした。この時の済美のエースは、今年新人として広島カープで活躍する福井優也投手です

済美の春夏連覇なるか

それとも、深紅の大優勝旗が遂に津軽海峡を越えるか

日本中が注目する中、僕たち道民の視線は駒大苫小牧戦士の戦う姿に向けられていました。

日曜日ということもあり、僕は自宅で早々とテレビの前に座り、試合開始をまだかまだかと待っていました。

午後1時、球審の手が挙がり、いよいよ歴史的な戦いの幕が明けました

この瞬間、僕の脳裏にはちょうど1年前のあの試合のことが浮かんでいました。第1回でお話した「2003年夏の雨天ノーゲム」のことです。

あの“悔しい思い”からちょうど1年、あの夏を経験した3年生は今どんな気持ちでこの試合を観ているのか、そしてその時1、2年生だった現メンバーはどんな気持ちでこの試合を戦っているのか。あの試合が駒大苫小牧の原点だったと、今でこそ僕は思っていますが、この瞬間にはとにかく色々な思いが頭をいっぱいにしていました

この日、駒大苫小牧の先発を任されたのはエース岩田君でした。しかし、序盤から猛打の済美打線につかまり、2回までに5点を失い、鈴木君にマウンドを託しました

2回を終わった時点で「1対5」、圧倒的な済美の強さにさすがの駒大苫小牧も苦戦を強いられました。序盤とはいえ、『このビハインドでは・・・』と今までの北海道代表の試合ならそう思ったかもしれません。

でも僕の中では、不思議と“負ける気”がしませんでした『駒苫の打線なら、絶対にひっくり返せる!』それは僕だけでなく、きっと道民のほとんどがそう思ったのではないでしょうか?

大会前に「投手力のチーム」だと思われていたこのチームは、試合を重ねるごとに大きく成長し、強力な「打撃のチームに」生まれ変わっていたのです

「経験」が選手を育てる、甲子園という球場の偉大な力がそこにはあったのです

栄冠は君に輝く〜3回表〜

その最たる選手がこの林君でした。準々決勝で横浜のエース涌井を打ち崩し、サイクル安打を達成したその勢いそのままに、この決勝戦では3番に座り、1回裏にはタイムリー三塁打を放ちました

そして、2年生の林君の活躍に刺激され、3年生たちも最後の試合を楽しむかのように撃ちまくります

3回に2点を返し、さらに4回には沢井君佐々木君のタイムリーで3点をあげて一気に済美を逆転しました

しかし、好調な済美打線もすぐさま6回表に爆発し、3点を奪い再び逆転します。

栄冠は君に輝く〜3回表〜

しかしその裏、今度は駒大苫小牧が糸屋君の2点本塁打と、五十嵐君の「タイムリーで「9対9」の同点に追いつきます

追いつ追われつのもの凄い打撃戦に、球場もそしてテレビの前の僕も大興奮状態でした

『なんて凄い試合なんだ・・・でも、駒苫は絶対に打ち勝つ!』僕は強く心の中で祈りました

そして同点で迎えた7回裏、勝負を決めたのはこのチームをここまで支えてきた主将の佐々木君でした。2死3塁という場面で、佐々木君が見事にタイムリー2塁打を放つと、それに続くように桑島君、鈴木君の連打で計3点を奪い、遂に済美を突き放しました

運命の9回表、3点差を追う済美は鈴木君を打ち込み、2死ながら1、3塁というチャンスを作ります。ここで迎えるバッターは、済美の4番鵜久森(現・日ハム)でした

ホームランが出れば同点という息詰まる状況に、僕は手に汗を握りながら、必死に駒大苫小牧の勝利を祈っていました

そして、鈴木君が投げた渾身のストレート

鵜久森君が打った打球は、天高く甲子園の青空に舞い上がりました

そのボールの落下点にはショートのキャプテン佐々木君がいました。両手を広げ、落ちてくるボールをしっかりとグラブにおさめたその瞬間、夢にまでみた駒大苫小牧の全国制覇が決まった瞬間でした

栄冠は君に輝く〜3回表〜

マウンドに集まり、選手はみんな天高く人差し指を突き出しました僕は今でもこの時の感動と興奮を忘れたことはありません

『まさか北海道の高校が全国制覇をするなんて・・・』

幼い頃から高校野球を見てきた僕にとっては、夢のような話でした。でも、今それが現実になっている、そのことに一瞬我を忘れるくらいでした

栄冠は君に輝く〜3回表〜

深紅の大優勝旗は、しっかりとキャプテン佐々木君の手に渡され、ここから駒大苫小牧は高校野球史にその名を残す、1つの時代を築くことになるのですが、この時そのことを予測できた人果たしていたでしょうか・・・

この優勝が“まぐれ”ではなかったことが、その翌年、そしてそのさらに翌年に証明されました

この2004年夏の全国制覇の瞬間を、駒大苫小牧のアルプススタンドで見ていた1人の1年生部員、彼がその後2年間の甲子園のヒーローになるのですから、甲子園というものは本当にスポーツの枠を超えた、もの凄い「パワー」と「ドラマ」を持った場所なんですね

その1年生部員とは何を隠そう、田中将大(現・楽天)通称「マー君」です

そのマー君が活躍する新チームの戦いぶりは、次回の第4回でご紹介することにしますので、どうぞお楽しみに

2004年夏の甲子園は、こうして数多くの感動と素晴らしいプレーの数々を残し、幕を閉じました

優勝した駒大苫小牧の選手を乗せた飛行機が、津軽海峡上空を通過した時、機内には『ただいま、深紅の大優勝旗が初めて津軽海峡を越えました。』という、CAのアナウンスが入ったそうです。CAの気の効いた一言に、機内は大喝采に包まれたそうです

この大会での駒大苫小牧が打った安打は78本、そのチーム打率は.448、この記録は現在も大会記録として残っています。この脅威の打率を生んだ「北の強力打線」の思い出を僕は一生忘れることはありません

佐々木君にとっては2004年の夏以来、7年ぶりに甲子園の土を踏むことは今日叶いませんでしたが、またあの7年前の夏に負けないくらいの「熱い夏」を、駒大苫小牧の戦士たちがいつか必ず届けてくれることを、僕は心から願うとともに凄く楽しみにしています

それでは次回の「栄冠は君に輝く」をどうぞお楽しみに

それでは今日はこのへんで。がんばろう、日本!

<今日の名字しりとり> 六郷(ろくごう)さん→転(うたた)さん、この「転」という字1文字で「うたた」と読むとは知りませんでした。全国に「転」(うたた)さんは60名程いるそうです。

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コメント

頑張りましたよね駒大苫小牧
今、主人と実家O楽毛に帰省しているので、実家でにしがみついて応援していました
佐々木監督が選手だった頃の試合、懐かしいです
プロへの期待が高まる中、
『将来は指導者になりたい』
とインタビューで語っていた姿がとても凛凛しく思えたことを思い出しました


投稿: oya?dimu-Yaah! | 2011年7月25日 (月) 11時32分

oya?dimu-yaah!さん
こんばんは
今北海道に帰省中なんですね
昨日の駒大苫小牧は惜しい試合でしたね。でも1、2年生主体の若いチームで凄く頑張っていましたね。
少ない3年生部員もチームを引っ張り、そして盛り上げ、駒大苫小牧らしい野球をしていたのではないでしょうか。
これも、佐々木監督の指導があってのことですよね。
7年前の主将としても頼もしい存在でしたが、監督しても非常に頼もしいですよね。
きっと近いうちに、駒苫の選手を甲子園に連れていってくれると思います。
その時は、ぜひ甲子園で応援できると良いですね

投稿: 猫男爵 | 2011年7月25日 (月) 21時21分

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