« ベースボール・マニア~猛虎編~ | トップページ | 最後の「贈る言葉」。 »

2011年3月 1日 (火)

トラウマ。

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です

今日から3月のスタートですねしかし、夜から雪が降り出しています・・・どうやら明日の朝起きた時には結構積もりそうな予報です・・・せっかく「春」がすぐそこまで来ているのに、邪魔な奴ですね。おかげで明日は早朝から早出出勤になりそうです・・・トホホ

さて今日は題名にもなっているように「トラウマ」についてお話させていただきます

きっと誰にでも思い出したくない心の傷、いわゆる「トラウマ」というものがあると思います。僕にもそれはあります。でも、今日は僕の心の傷「トラウマ」をあえて封印から解き、皆さんにお話してみたいと思います

と言っても、そんなに大それたことではないので、あまり構えないで読んでくださいね

なぜ僕が急にそんな「トラウマ」のお話をするかと申しますと、実は今日の仕事中にその「トラウマ」の扉を開ける鍵となる出来事があったからです

いつものように今日僕は、職場の自分のデスクに座り仕事をしていました。すると1人の来客が訪れました。その来客は1人の警察官でした

僕はその警察官の姿を見ると同時に、心臓の高鳴りが激しくなるのを感じました

実は僕は警察官を見ると、ある1つの忌わしい辛い経験を思い出してしまうのです・・・それが今でも僕の心の傷となっている「トラウマ」なんです

あれは今から8年ほど前の出来事です。

僕は普段と同じように職場で仕事をしていました。午前の仕事を終えて、お昼休みになったので昼食を食べて休憩しているところでした。

職場の受付に2人のスーツを来た男性が訪れました。お客さんが来たと思った僕はすぐに接客しました。するとその男性たちは『○○さんという方はいらっしゃいますか?』と僕に尋ねました。

その『○○さん』という名前は僕のことでした。

『はい、私ですけど・・・』と僕がその男性たちに応えると、男性たちは自分たちの身分を明かすために僕にあるものを呈示しました。それは警察手帳でした。

『えっ?警察?しかも私服刑事が俺に何の用事?』

僕には何が何だかさっぱり分かりませんでした。

刑事たちは僕に事情を説明し、任意同行を求めました。

ここではその任意同行の理由についての内容の詳細については差し控えさせていただきますが、仕事上で行った僕の行為が“違法”であるとの警察の見解でした。

僕は真っ白になった頭を整理しながらも、私服刑事の言われるがままに“任意”とはいえ警察署へ同行することになりました

何が何だか分からないまま僕は警察署へ着き、取調室に入れられました

すると、さっきまで口調が穏やかだった刑事の口調も目つきも一変したのです

そこからの事はところどころ記憶が飛んでいるため、定かでない部分もありますが、その時僕は刑事にこう言われました。

『お前は容疑者だからな!』

それを聞いた瞬間の僕は声が出ませんでした・・・・

そこから始まった「取調べ」はまさに地獄でした・・・

僕が仕事だと思って行っていた行為の、こと細かな事を強い口調で何度も何度も執拗に聞かれるのです

僕は嘘をつく気もありませんし、隠す事など何も無いので、正直に自分がした事を洗い浚い全部話しました

それでも、刑事たちは同じ質問を何度も何度もしてきます。僕が話した事に嘘がないかを試すかのように、何度も何度もとにかく執拗に聞いてくるのです

僕はそのたびに同じことを繰り返し応えました。正直もう僕は心が折れそうでした・・・心も体も限界でした・・・

窓も無い暗く狭い取調室、そこに2人の刑事が座り、鋭い目つきで息つく暇もなく問いただされていると、そうなるのは当然なのかもしれません

どれくらいの時間が経ったでしょうか・・・僕には時間の間隔もなく、今が何時なのか、そしてこの取調べがいつ終わるのか、全く先が見えない状況でした

すると、僕の目の前に座っていた刑事が急に優しい表情になり、煙草を僕に差し出しました。

『煙草吸うのか?1本吸うか?』

僕は当時は喫煙者でしたので、『は、はい・・・いただきます。』と言いながら刑事が差し出した煙草を口に咥え火をつけてもらいました

正直、煙草の味など憶えていません。ただ、刑事が急に優しくなったことだけは鮮明に憶えています。そして煙草を吸い終えた僕に刑事はこう言いました。

『お前がしたことは本来から言えば、犯罪と言われても仕方のないことなんだぞ。いくら、それを知らずにしていたと言っても通用はしないんだぞ。でも今日お前の話を聞いて、悪意がなかった事は良く分かった。今回は見逃すけど、また同じ事をしたら今日のようにはいかないから、それだけは覚悟しておけよ。』

と、肩を叩かれながら僕はようやく取調室から開放されました。僕はその時、自分の体が小刻みに震えているのを自分でも感じていました

刑事に促され警察署の外に出ると、既に辺りは真っ暗でした。僕はおよそ7時間程、拘束されていたのです・・・

憔悴しきった顔で僕は職場に帰りました。職場では上司と同僚が僕の帰りを待っていました

『大丈夫だったか?』そう心配する職場の人たちに、僕は言葉を返す気力もほとんどありませんでした・・・

後で聞いた話ですが、僕の直属の上司が何度も何度も、問題となっている行為の事について警察に説明し、僕が無実であること、そして早く帰して欲しいということを警察に懇願してくれていたそうです。

その上司は本当に責任感が強く、頭のキレる上司で、僕は今での凄く尊敬していますし、感謝しています

その上司が最後に懇願した時、『本当は今日は警察署から帰さない予定だったけど、そこまで言うから特別に帰すけど、本来なら帰れないからね。』と釘をさされたそうです。

今思えば、その上司がいなければ僕はいったいどうなっていたことか・・・怖ろしい限りです

結局それ以降僕は、問題となった仕事に類似するような仕事は一切受けないことにしています。それは僕だけというわけでなく、会社として受けないようにしています。

僕はその夜、家に帰り、親に事情を説明しましたが、その時の記憶はほとんど覚えていません

ただ、早く眠りにつきたい一心で部屋に行き、布団に入ったことを憶えています。そしてどうしても、恐怖で縮んだ心を和ませて欲しくて、僕は気がつけば携帯電話を握りしめ、電話を掛けていました

電話の相手はいつもと違う僕の声を聞いて『どうした?』とすぐに心配してくれました。

僕が自分の身に起きた事を震えるような声で説明すると、電話の向こうで『大丈夫だよ、もし何かあっても私が警察に吹っ飛んでいって、何としても帰してもらうから!』と元気つけてくれました

『取調べ中にカツ丼は出たの?』などと、ふざけながら僕に話しかけ、僕に“元気”を取り戻させてくれました。僕はあの時の電話のことを一生忘れませんし、一生感謝しています

その電話の相手は、こうしてブログを書いている今、僕の目の前でテレビを見ながらゲラガラ大爆笑しています。そうです、その電話の相手は、その7年後に僕のになりました。ありがとう、Aゆ

ちょっと最後は「深イイ話」というか、結局「おのろけ話」になりましたが、あれから8年経った今でも僕は警察官を見ると、何も悪い事していないのにビクビクしてしまいます。僕にとってはあの日の出来事は一生消えることのない「トラウマ」です

今日は、職場に警察官が来たことにより、僕の心に眠っている「トラウマ」について封印を解き、お話させていただきました

ちなみに、今日僕の職場に来た警察の人は、ただたんに個人的に仕事を依頼に来ただけでした。とっても優しく、人の良さそうな警察官でした。

皆さんの中にも「トラウマ」を抱えている方もいるとは思いますが、「トラウマ」は消えることは無いのかもしれませんが、誰かの支えによってその傷を小さくする事はできると思います。それは僕が身を持って体験しています。なので負けずに頑張ってくださいね

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

<今日の名字しりとり> 若王子(わかおうじ)さん→地道(じみち)さん、全国に「地道さん」は180人もいます。皆さんきっと何事にも“地道”に頑張っているんでしょうね。

|

« ベースボール・マニア~猛虎編~ | トップページ | 最後の「贈る言葉」。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: トラウマ。:

« ベースボール・マニア~猛虎編~ | トップページ | 最後の「贈る言葉」。 »