未来を信じて・・・
こんばんにゃ~ 北の猫男爵です
去る8月16日(日曜日)、お盆休み最後の日に僕は自らが監督を務めるカートチームのレースのために、更別村にある十勝インターナショナルスピードウエイに行ってきました
既にこのブログ内でも何度かご紹介したことがあるので、皆さんすっかりお馴染みかもしれませんが、上の写真のメンバーが我がRCPレーシングチームのメンバーです
マシーンに乗っているのが、1stドライバーのHき、後列の左側が2ndドライバーのHでき君、中央が監督の僕、そして右側がメカニック兼3rdドライバーのTや君です
この他にも、いつもは記録員が2名いるのですが今回は都合がつかず欠席でしたが、Hでき君が助っ人の記録員を連れてきてくれました。そしてMえちゃんとAなちゃんも応援に駆けつけてくれました
。他にも今回は我がチームの応援に来てくれたギャラリーがいたり、専属カメラマン
もいたりと、だんだんと我がチームにも人気が出てきたようです
今年の春に行われたレースもそうでしたが、ここ数戦の我がチームの戦いはリタイアの連続です・・・しばらく完走というものから見放されています
しかし、今回は今までの失敗の教訓を活かし、リタイアの原因でもあった電気系統のトラブルを回避するためにバッテリーを新調し、さらにはメカニックによる入念な整備点検作業が行われ、万全の態勢で勝負に挑みました
今回の3時間耐久カートレース、もちろん目指すは完走なのですが、目標は高く設定するほうが良いので、あくまでも目標は表彰台の中央、つまり優勝です!今回もドライバーはもちろんの事、チームスタッフ全員の気合いの入り方が違います
そして、今回から初導入したのがこの水分補給システム「ドリンクホース」です。ドライバーの股の部分にドリンクを固定し、そこからドライバーのヘルメット内へホースで水分を補給するという画期的なシステムです
これはF1などのモータースポーツでは必ず導入されているのですが、カートレベルではあんまり見かけることはありません。
今回も我がチームの他に、これを使用しているチームは無かったような気がします。常に色々なことに最先端を行くのが我がRCPのモットーです
。これは監督である僕の“まずは格好から入る”の理論が活かされているのかな(笑)
冗談はさておき、本当にこのシステムはドライバーにとっては大事なんです。特に今回のような真夏に行われるレースにおいては、ドライバーの体力の事を考えると絶対に水分補給は欠かせません
ましてや、耐久レースともなれば長時間に渡りレーシングスーツを身にまとい、ヘルメットで顔を覆われているのですから、汗の量もハンパじゃありません。なので、この水分補給システムは非常に大切な事なんです
。今回実際に走ってみて、ドライバーからもこのシステムはかなりの好評でした
さあ、そんな事を言っているうちに正午を過ぎ、いよいよ3時間耐久レースのスタートが近づいてきました
スタートを任されたのはもちろん1stドライバーのHきです
実は今回の大会はお盆ということもあり、参加チーム数が少なく、僕らの走るクラスの参加チーム数は4チームです。つまり4位にさえならなければ表彰台は間違いないんです。でも、そんな弱気な事を言っていてはダメです
目標はあくまでも優勝のみです
フォーメーションラップを終え、ローリングスタートにより、いよいよ180分の熱き戦いの火ぶたが切られました!
スタート直後から安定した走りを見せるHきの活躍で、前半戦は何とクラス
位を独走です
マシーンの方も調子が良く、今回からタイヤをニュータイヤにしたことも大きく影響し、ラップタイムも前回とは比べものにならないくらいの速さです
開始から約40分を経過し、Hきはクラス
位で最初の給油とドライバーチェンジのためにピットに戻ってきました
ピットでは各スタッフが担当の作業をスピーディーにこなし、次に走るHでき君のピットアウトの準備を整えました
さあ!いよいよHでき君の出番です今回も持ち前の熱い走りを見せてくれ~
ピットを出ていったHでき君は、相変わらずの攻めのアクセルワークと華麗なハンドルさばきで、BESTラップを次々とたたき出していきます
我がチームは依然クラス1位を堅守です。『これは、いけるぞ!優勝狙えるぞ!』僕のテンションも一気に上がりました
僕の仕事は主にドライバーへサインボードでラップタイムやポジション、ピットまでの残り周回数を知らせる事と、他チームの情報を収集し作戦を立てることです。言うなれば、元フェラーリのジャン・トッドです。フェラーリ同様に、チームカラーの「赤」がサーキットではひときわ目立ってました
そんなこんなしているうちに、レースは中盤戦に差し掛かりました。
そして事件は1回目の走行を終えたHでき君がピットに戻り、Hきとドライバーチェンジをしてピットを出る時に起きました何と、エンジンが掛からないのです・・・
色々とメカニックのTや君が調べた結果、エンジンスターターのトラブル、電気系統と駆動系のトラブルです。しかし、そこはさすが1級整備士のTや君、何とか故障を治し、再びエンジンが掛かりました
。ただ、ここでのロスタイムが響き、クラス順位を
位に落としてしまいました・・・
Hきは怒涛の攻めの走りで必死に1位との差を縮めに掛かります。そして再びHでき君へドライバーチェンジし、レースもいよいよ残り30分となった頃、つまり「魔の2時間30分」という、過去の忌まわしい時間帯にまたしても我がチームに魔の手が忍び寄ってきたのです・・・
Hでき君がピットインするまで残り2周となったところで事件は起こりました。ピットでは最後のドライバーチェンジを待ち構えているエースのHきと、メカニックのTや君の準備が整いました
。僕もHでき君に残り1周のサインを出すだけでした。
が、しかし・・・時間が経過してもHでき君がホームストレートに戻ってきません・・・
いつものラップタイムを経過しても戻ってこないHでき君が、僕は心配になり身を乗り出しました。すると、最終コーナーでマシーンを降りて1人でマシーンを押して走っているHでき君の姿が、僕の目に飛び込んできました
僕は大急ぎでピットロードを逆走し、Hでき君の元へとたどり着きました。2人で慌ててマシーンをピットまで押していき、ようやくピットにたどり着きました
何とチェーンがはずれていたのです
大急ぎでTや君にによる修理が行われました。しかし、トラブルはこれだけではなかったのです。チェーンの修理が終わり、Hきがマシーンに乗り込みピットアウトをしようと思ったのですが、再びエンジンが掛かりません・・・
その後もTや君の懸命な作業が続きましたが、いっこうに治る気配はなく、そしてまたしても・・・無情のチェッカーフラッグが振られたのです・・・
またしても僕らはチェッカーをピット内で迎えることになってしまったのです・・・どうして・・・
さっきまで見えていた、「優勝」という2文字は儚くも消えていきました・・・
意気消沈する中、僅かながら僕らに良い知らせが、結果はリタイアでしたが僕らの他にも先にリタイアしていたチームがあり、我がチームはクラス3位で表彰されることになったのです
完走して優勝を狙っていただけにちょっと複雑な気持ちでしたが、そこは真摯に受け止め喜ぶことにしました
我がチームの初めての表彰台の姿です
完走できなかったのはもの凄く残念で悔しいですが、とりあえず3位ですそれを喜びましょう
チームを代表してHきがシャンパンファイトをしてくれました。勝利の美酒とはいきませんでしたが、非常に見ていて嬉しいシーンです
本当にHき、Hでき君、お疲れ様でした。そして、Tや君もいつもいつも本当にお疲れ様でした
。Tや君がもしいなかったら、我がチームはどうなっているんだろう・・・と考えると本当に頼もしく心強い存在です
そして、僕らにあたたかい声援を送ってくれたギャラリーの方々やチーム関係者の皆さんに心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました
今回も誰もケガなどすることなく無事にレースを終えることができたこと、そして納得のいく結果ではないにしろ、3位という成績をおさめられたことに、僕は監督として胸を撫で下ろしています
レース後、レースを走った2人からこの3位のトロフィーをいただきました。『このトロフィーは監督の家に飾っておいてよ。』この2人からの言葉が僕は凄く嬉しかったです
僕は名前だけの監督で何もしていないのに・・・本当に2人の言葉が熱く胸に響きました。ありがとう
実は、皆さんもご存知のように、更別にある十勝インターナショナルスピードウエイは、いまだに買い手が見つからず、この先の事は全く見えていないのが現状です。もう、このサーキットで走ることはもしかしたらできないのかもしれません・・・
そう思うと、凄く寂しく切なく、辛いです・・・
こんなに熱く、そして感動できる場所があるのに、その場所に立つことすらできない・・・こんな悲しいことがあっていいのでしょうか・・・仕方がないといえば、それまでなんですが、それでも僕らには、まだ表彰台の中央に立つというやり残した夢があります
この夢を叶えるためにも、ただ僕らはひたすら未来を信じます
きっと来年もこのサーキットで熱き戦いが繰り広げられることを信じています・・・
それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)
<今日のMIP> Hき、Hでき君、Tや君(今回も我がチームの有能な3人をもちろんMIPに選出します。本当にお疲れ様でした。)
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コメント
猫監督
先日はお盆期間中にもかかわらず、お忙しい中出席して頂いてありがとうございました
結果はリタイア3位表彰台と複雑な気分でしたが、みんなのチームワークにより、楽しく走れました

また、応援にきて下さった皆さん、関係者のみんなお忙しい中ありがとうございました 来シーズン、十勝スピードウェイでまた走れることを祈って、今度こそ表彰台の真ん中に立ち、チーム代表はもちろんのこと、みんなでシャンパンファイトをやりたいと思いますので、よろしくお願いしま〜す
投稿: Hき | 2009年8月21日 (金) 22時41分
Hきさん

先日はお疲れ様でした
結果は残念でしたが、素晴らしい走りでしたよ
表彰台の真ん中でのシャンパンファイト、絶対やりたいですね

サーキットが存続することを祈って、未来を信じましょう
投稿: 猫男爵 | 2009年8月21日 (金) 23時43分
「まずは、3位入賞したことにチームスタッフをはじめ応援に来て頂いた人達に感謝したい。だけど、この結果に満足はしていないよ。今週僕等はコンフェティティブだっただけに、優勝も見えていたからね!」なぁ〜んて、F1レーサーっぽいコメントしてみましたぁ(笑)
内容はどうであれ[いつか表彰台へ]を合い言葉のように繰り返してきたが、やっとひとつ現実になった事に喜びを感じずにはいられません!
また、この素晴らしいチームでサーキットを走りたいなぁと、思っています!
投稿: Hでき | 2009年8月22日 (土) 10時07分
Hできさん
『今回のレースはドライバーの二人の攻めの走りが生んだ結果だと思う。彼らのフィジカルとメンタル面には、いつも頭が下がるよ。この勢いでコンストラクターズもいただくよ!』
と、チーム代表っぽく僕も言ってみました(笑)
先日は本当にお疲れ様でした。
Hでき君が次々とファステストラップをたたき出すのを間近で見て、僕はしびれていましたよ!本当に素晴らしい走りでした!
またあのサーキットで、今度はテッペンを掴みましょう!
投稿: 猫男爵 | 2009年8月22日 (土) 19時23分