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2008年10月 2日 (木)

時代の終焉 ~美しき男の涙~

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です

今日は何から話せばいいでしょう・・・

昨日から僕の目頭は止めどなく溢れる涙で真っ赤に充血し、心には何か大きな穴がぽっかりと開いたような感覚に陥っています

昨日、ついにその時は訪れてしまいました。プロ野球オリックス清原和博選手の「引退」の瞬間が訪れてしまったのです

京セラドーム大阪での対ソフトバンク戦、午後8時27分、清原が23年間のプロ野球生活の全ての思いを込めて振った渾身のひと振りが、空を切った瞬間・・・ひとつの時代が終焉を迎えましたその瞬間に清原の野球人生にピリオドが打たれたのです。

悲しいです、寂しいです、でも僕は清原というひとりの男が生きた時代を自分のこの目で見る事ができた事に幸せを感じています

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

僕が彼を初めて見たのは彼が高校1年生の夏、僕はまだ9歳の夏のことです。幼い頃から野球バカだった僕は、毎年高校野球に釘付けになっていたのですが、その僕の野球好きにさらに加速をつけてくれたのが、何を隠そうこの清原和博、そして桑田真澄「KKコンビ」です

昔の子供達が王、長嶋の“ON”を見て野球を始めたように、僕らの世代のヒーローは間違いなくこの“KKコンビ”でした

時はあっという間に過ぎ、「KK」の高校生活も終わりを向かえ、いよいよ彼らのプロへの道がスタートするという矢先に事件は起きました

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

僕が忘れらない、清原の最初の涙です

「大好きな巨人」に指名されなかった・・・そしてその巨人に指名されたのは大の親友のはずの桑田・・・

この瞬間に清原のプロ野球人生は全く新たな道へと変わっていったのですしかし今思えば、これは全て「運命」だったのではないでしょうか・・・全てが最後にひとつになる、物語の序曲に過ぎなかったのではないでしょうか・・・

もしも清原が巨人に入団していれば、大学進学を希望していた桑田はそのまま大学に行き、プロの道へ進むことももしかしたらなかったかもしれません。そして清原も、この悔しさがなければプロ選手として目が出ていなかったかもしれません。全ては彼ら自身のためだったのかもしれません・・・

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

僕が忘れらない清原の涙がもうひとつあります。

西武に入団しプロ入り2年目の清原は、1987年日本シリーズで巨人と対戦します。そして第6戦、あと一人で巨人に勝ち日本一になるという瞬間に、突然一塁を守っていた清原が号泣し始めたのです

この涙にはテレビを見ていた僕も思わず号泣したことを今でも憶えています。きっと色んな想いがこみ上げてきたのでしょう・・・でもその涙は、真の男の涙でしたカッコイイという表現が正しいのか解りませんが、僕には清原が本当にカッコイイ男に見えて仕方ありませんでした

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

それからの清原は常勝軍団西武ライオンズの4番打者として、チームをそして日本プロ野球を牽引し、その活躍には目を見張るものがありました

日本プロ野球のの4番打者は誰がどう見ても「清原和博」しかいませんでした日本一にも何度も輝き、開幕戦やオールスターなどのお祭りにはいつも大活躍をする、まさにスーパースターの名にふさわしい選手でした。

そして清原はついに1996年オフにFA宣言をし、夢にまでみた巨人入団を果たします大の巨人ファンの僕にとっては今でも忘れれない瞬間です清原が本当に子供のような顔をして、長嶋監督が差し出すジャイアンツのユニホームに袖を通しながら微笑んでいたあの瞬間は、実に忘れられない顔です 『本当に清原はこのユニホームを着たかったんだ。』と心の底から思いました。

しかし、そこからの清原は苦しみとの闘いばかりでした・・・

スランプ、ケガ、首脳陣との確執・・・気がつけば清原も30代半ばを過ぎ、一時の力は衰え始めていました

2005年には巨人を去り、オリックスへ移籍しました。移籍後も時間のほとんどをケガとの闘いに費やし、思うような活躍ができない日が続きました・・・

そして、41歳の誕生日を迎えた今年の8月18日、清原は初めて「引退」の2文字を口にしたのです僕はそのニュースを見て、清原の表情を見ながら早くも号泣してしまいました

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

しかし、練習場には残ったプロ生活を悔いなく過ごすためにトレーニングに励む清原の姿がありました。そして、その横にはもうひとりの“K”、桑田の姿も

ひと足先に、今年の春に引退をした桑田が清原の元にかけつけたのです。ドラフト以降様々な事を言われ二人には距離が出きたように思われていたのですが、この二人には昔と何ひとつ変わらない友情がずっと存在していたのです

清原の最後の勇姿を支えるために、桑田は涙を流しながらバッティング投手をかって出たのです。この二人がPL学園で出会わなければ、今の日本プロ野球界は全く違う世界になっていたことでしょう

そして迎えた2008年10月1日、ついに清原にとって最後の大舞台が幕を開けました。

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

球場にはシーズンを終えたばかりのイチローがアメリカから駆けつけ、シーズン中の阪神金本や、戦友の桑田や佐々木、数多くの関係者が清原の元にかけつけました。そのへんからも彼の人柄がにじみ出ています

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

4番DHでの出場。本当は清原の膝は、とても野球を出来るような状態ではないのです。日常の生活をする事でもやっとというくらいの状態なのに、それでも清原は「這いつくばってでも一塁ベースへ走る」そう言いながらグラウンドへ向かったのです。どうしてそこまでするのか?その答えはただひとつ「清原は純粋に野球が好きなんです!」ただそれだけのことなんです

第1打席はライトフライ。

第2打席は三振。

第3打席はタイムリーツーベース。

そして迎えた最終打席は、清原らしい思いっきりのいい空振り三振。

試合出場2338試合(歴代11位)、2122安打(歴代23位)、525本塁打(歴代5位)、1530打点(歴代6位)、196死球(歴代1位)、1955三振(歴代1位)、という数々の記録を残した清原和博という男は、その偉大な記録とともに記憶に残る選手として、プロ野球の歴史に渾然と輝くことでしょう

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

試合後、あの長渕剛が清原のために「とんぼ」を熱唱してくれました。僕はもうこの段階で号泣です・・・

時代の終焉…〜美しき男の涙〜

そして引退セレモニー・・・

一言一言をかみしめるように話す清原の目には美しき男の涙がありました。23年間の出来事を思い浮かべながら言葉にする清原の姿が、僕は涙のせいで霞んで見えました・・・

『キヨ、カッコ良すぎだよ・・・ずるいよ、そんなカッコいいなんて・・・』僕の声も思わず震えてしまいました。「もう二度とキヨがバットを振る姿を見ることはないんだ・・・」と思うと、涙が止まりませんでした・・・

今から23年前の1985年秋、清原は「悔しさ」の涙に暮れました。それは指名を確約していた巨人の「裏切り」に対するものでした。

その夜、清原は実家で涙に暮れていました。しかしそこで清原の母は『あんた、いつまで泣いてんの!あんたが巨人入りたかったのはわかるけど、向こうはそうやなかったんやから、あんたの片想いやったと思うしかないやろ。プロに入って、今度はその片想いの相手を振り向かせるくらい頑張ればいいやないの!』清原はその母の言葉を聞き、少し気持ちが吹っ切れたそうです。

「憧れていた世界の王監督と巨人に裏切られた」・・・その思いを胸に、王監督の写真を前にして清原はいつ終わるともなく、涙を流しながら腕立て伏せをしていたそうです。その熱い想いが、18歳だった一人の少年を一人のスーパースターに、そして一人の男に成長させてくれたのではないでしょうか

清原はこう言っています。『何か運命的なものを感じるよな。だって俺の引退試合に桑田と王さんが揃うんやから。王監督も今年ユニホームを脱ぐやろ、桑田はひと足先にユニホームを脱いだやろ、そして俺も引退や。みんな同じシーズンにユニホームを脱ぐんやから、しかもみんな巨人のユニホームと違うんやから、これは運命やね。』

1985年秋に起きたあの歴史的ドラフトの当事者3人が、何かに導かれるように最後を共にする。これを「運命」といわず何と言うのでしょう・・・

僕がこよなく愛する野球。その野球の楽しさや素晴らしさを教えてくれた、スーパースター清原和博が、今静かにバットを置きました。野茂が去り、桑田も去り、そして清原までもが去っていく野球界・・・今、確実にひとつの時代が終焉を迎えようとしています

僕は昨日、美しき男の涙に感動したのと同時に、日本野球界の未来に若干の不安を抱えました。「キヨのようなスーパースターは現れるのか?」、「スター不在の日本野球界に未来はあるのか?」

でも、僕は信じます「ON」を見て育った清原のように、清原の姿を見て育った子供達が日本の野球界を救ってくれるとそれを出来るのが“清原”という男であるという事を僕は知っているから

引退セレモニーを終え、オリックスの選手に胴上げされた後の清原の顔が、「野球」という真剣勝負に挑む男の顔から、野球が大好きだった少年の頃の顔に戻ったような気がしたのは僕だけでしょうか・・・

清原和博、41歳、あなたが残してくれた数々の伝説と思い出を僕は決して忘れませんあなたと同じ時代に生まれ、そして同じように“野球”というスポーツを愛する事ができたことに、喜びを覚えるとともに、誇りを持っています本当に23年間お疲れ様でした!そして、ありがとうございました!

またいつの日か、今度は監督として僕らに夢を与えてくださいその日を今から心待ちにしています。さよなら、キヨ!

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

P.S. キヨは引退後、四国八十八箇所のお遍路に行きたいと言っているそうです。ということはAっけがキヨに会う可能性もあるっていうことだいいな~Aっけ、俺もお遍路したいな・・・まあ、そんな目的で行ってはダメなんですけどね(笑)

<今日の誕生日:10月2日> プリティ長嶋(54歳)、山瀬まみ(39歳)、浜崎あゆみ(30歳)

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