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2007年11月25日 (日)

夜明けの流星たち(第17話)

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。

さて11月も下旬になり、いよいよこれから本格的な冬に向かってきましたね。夜になるととても星がキレイですよね。月明かりが地面の雪に反射して、幻想的な世界を演出しています。

そんな冬の夜長にお送りするのは、連続ブログ小説のご存知“ヨアリュウ”です。今日は第17話をお送りしたいと思います。

いよいよ病気との闘いを決意した玲奈は、自分のためにもそして博人のためにも今できることを逃げずに挑むことにした。一方で博人は、野崎から玲奈を守ることで必死だった。そしてその二人の前についに予期もせぬ事が起きてしまう・・・それではお楽しみください。

『夜明けの流星たち』  脚本・演出:猫男爵

☆Story17☆ 『命がけの純情』

翌日、博人は会社のデスクで契約の書類を準備していた。

『よし、これで準備完了だ。あとは契約書にサインを貰うだけだ。!今日の14時にNSEに行く約束だったよな?』

『はい、そうです先輩!』

『ちょっと俺はこれからお昼食べに行ってくるから、直接NSEに行くことにするわ。書類は俺が持っていくから、ロビーで待ち合わせしよう。』

『はい、わかりました。』

稔にそう約束すると、博人は会社を出ていった。

同じ頃、玲奈真希と会話していた。

『そうなんだ。今日は博人さんとランチか・・・じゃあ仕方ないね、私はたまには社員食堂にでも行って食べてくるよ。』

『ごめんね真希、今度美味しいランチご馳走するね。』

『わかったよ、博人さんに宜しくね。』

玲奈も足早に会社を出た。

拓実は建設施工の始まった総合アミューズメントビルの建設予定地にいた。

『第2区画は、今月の下旬までの予定で進めてください。あと、発注確認は下請けの丸新産業の担当が全て引き受けますから、そこへ連絡して下さい。何か問題があればいつでも私の方に連絡して下さい。宜しくお願いします。』拓実は現場監督との打ち合わせをしていた。

そこへ、上司の古屋がやってきた。

『順調にいっているみたいだな。いよいよだな、いよいよ来春にはここにお前の手掛けた城が建つんだな。』古屋は思い深げに話した。

『はい、最初はこのプロジェクトを任された時は正直、俺はどうしたらいいか迷いました。でも部長の一言で目が醒めたんです。俺は今まで自分に自信が持てませんでした。でも、それは自信が持てなかったんじゃなくて、はなっから自信を持とうとしなかったんです。その事に部長が気づかせてくれました。本当に俺は部長みたいな上司の下で働けて良かったです。ありがとうございます!』拓実は思いの丈を古屋にぶつけた。

『何を言っているんだ桜木!もう終わったような話をしやがって。まだこれからが本当の意味での勝負なんだぞ!最後まで気を抜くなよ。』

『はい、わかりました。任せて下さい。』

古屋は嬉しかった。自分の目が節穴でなかったことに、そして拓実の心に自信という一番大切なものが芽生えたことに喜びを感じていたからだ。

そして拓実の顔もまた自信と希望で満ち溢れていた。

その頃、ある場所では警視庁の松田が張り込みをしていた。そこへ警察無線が入った。

『こちら警視庁204、警視庁204、野崎を発見!現在、青山3丁目を西へ徒歩で移動中、どうぞ。』

『こちら松田だ。そのままマル追してくれ、絶対に野崎に気づかれるな。もし何か起こしても俺が現着するまでワッパは掛けるな!わかったな。』

『204、了解。』

松田は唇をぐっと噛み締めると、すぐさま車に乗り込んだ。

南青山の駅前では、玲奈が博人が来るのを待っていた。

『ちょっと早く来すぎたかな。あっ、この場所懐かしい・・・そういえば初めて博人とデートした時もここで待ち合わせしたんだ・・・あの時も、少し早く着きすぎて博人が来るのをドキドキして待っていたっけ・・・』

そんな事を思い出しているうちに、玲奈の瞳からは涙が一粒零れ落ちた。

『だめだ・・・博人の顔を見たら泣いちゃいそう・・・ちゃんと病気のこと話せるかな・・・』

玲奈が母親である真知子に入院する前に一つだけお願いした事。それは、入院して病魔と闘う前に自分の口で博人にその事を全て打ち明けるという事だった。

松田はまだ車の中だった。そこへまた警察無線が入った。

『こちら204、こちら204、どうぞ。』

『松田だ、どうした?』

『野崎は現在、青山1丁目付近を通過、今のところ目立った動きはありません。どうぞ。』

『了解、引き続きマル追続けろ!絶対にあいつは尻尾を出すはずだ。』

松田は空になった煙草の箱を握りつぶし、その表情はさらに険しくなった。

博人を待つ玲奈は時計を見ていた。

『もう来る頃かな博人、なるべく笑顔でいなきゃ!』

そして、その玲奈の背後に一人の男が近づいてきた。玲奈は思わず振り返った!

『ごめん、遅くなっちゃって。』

それは笑いながら走ってきた博人だった。

『もう、何分待たせるのよ博人。』

少しふくれた顔を作り博人を笑わせる、それが玲奈にできる精一杯の演技だった。

『そういえば、一番最初に玲奈と待ち合わせしたのもここだったな・・・』博人もその事を憶えていた。

『そうだよ、ここは私達の思い出の場所だよね。』

『じゃ、ランチ食べに行こう玲奈!凄い美味しいお店なんだって?今日行くところは。』

そう楽しげに話す博人を見ながら、玲奈は病気の事を話すタイミングを伺っていた。

『あのね博人、実は・・・』

『うん?どうした?』

博人の笑顔を見た玲奈は思わず話すことができなかった。『ううん・・・後で、ランチの後でいい・・・』

『・・・そう?わかったよ。』博人は玲奈の顔を見て少し心配になっていた。

その次の瞬間、二人の前に野崎が現れた!

『いやっー!!』玲奈は絶叫した。

『お前か、野崎って野郎は!何しにきた!』博人が玲奈の前に立ちふさがりそう言った。

『誰だお前?最近いつも玲奈といちゃいちゃしているみたいだけどよ!お前、邪魔なんだよ。俺と玲奈の仲を邪魔するんじゃねーよ!消えろ。』野崎は薄笑いを浮かべながら少し低いトーンの声で話した。

『玲奈に指一本でも触れてみろ、許さねーぞ!』

『おもしろいじゃねーか!やってみろよ。』

そして二人は玲奈の前で格闘を始めた。

『ウッ!』

『オアッ!』

二人の殴り合いがエスカレートするにつれ、野次馬も集まりだした。

『誰か・・・誰か助けて!』玲奈の絶叫がこだました。そして次の瞬間・・・

『グサッ!』

『ウッ・・・』

博人が腹部を手で押さえながらひざまづいた。そして、押さえた手のひらには赤い血が・・・

野崎は持っていたナイフで博人の腹部を刺したのだった。

『キャアッー!!』玲奈の悲鳴が響き渡った。

しかし、博人はひるまなかった。その赤く染まった手で野崎の胸ぐらを掴みこう言った。『いいか、刺したきゃいくらでも俺の体を刺せ!でもな、俺は死なないからな!お前が何度玲奈の前に現れようが俺は玲奈を守る!玲奈には指一本触れさせない!いいか、どんな事があってもだ!!』

その命をかけた魂からの叫びに野崎は思わず後ずさりした。

そこへ、到着した松田が駆け寄ってきた。

『野崎!ついに尻尾だしたな!おい和田、時間取れ!』

『はい、12時27分です。』

『よし、野崎龍太、12時27分、銃刀法違反並びに殺人未遂の現行犯で緊急逮捕する。これより署に連行する!』

松田は自分の手で野崎を逮捕した事に満足感を感じていた。

『よし、連れて行け!あとは署でじっくり取り調べしてやる。』そう言うと松田はすぐに博人のものに駆け寄った。

『おい、大丈夫か!今、すぐに救急車来るからな。』

『松田さん、俺なら大丈夫です。ちょっとかすっただけですから・・・』そう言うと博人は立ち上がり、野崎のもとに歩み寄った。

『おい、野崎!』

野崎は思わず振り返った。

『いいか、もう二度と玲奈の前に現れるなよ!わかったか!約束しろ!』

野崎の鋭い眼光を遥かにしのぐ、博人の厳しい眼光に思わず野崎はたじろいだ。

『わ、わ、わかったよ・・・約束するよ。もう二度と玲奈には会わないよ・・・』野崎は少しビクビクしながらそう答えた。

『博人君、あとは俺たちに任せろ。もう二度とあいつを自由にはさせないよ、安心しろ。』松田は博人に優しく声をかけた。

『はい。』博人は少し安堵の表情を浮かべた。

そしてすぐに玲奈のもとに駆け寄ろうとしたその時、博人の目に入ってきたのは、さっきまで悲鳴をあげていた玲奈が路上に倒れ込んでいる姿であった。しかも鼻から出血しながら・・・

『玲奈!どうした!玲奈!』博人は玲奈を抱きかかえ叫んだ。

ちょうどそこへ、松田が先ほど呼んだ救急車が到着した。辺りは騒然となっていた。

『玲奈!!』博人は玲奈の名前を叫び続けることしかできなかった。自分の傷の事など忘れて。

救急隊員により、玲奈を博人は救急車に乗せられた。そしてすぐに救急車は動き出した。

救急車の中では玲奈と博人の応急処置が行われていた。

『俺は大丈夫ですから、玲奈を助けてやってください!』

博人は出会った日と同じように玲奈の手を握りしめていた。ただ、あの日と違うのは、玲奈の白い細い手は博人の血で赤く染まっているということだった。

すると、玲奈が必死に小声で呟いた。『博人、ごめんね・・・』

『何言っているんだよ玲奈!もう安心しろ、あいつは二度と玲奈の前には現れないからな。』

『ありがとう博人・・・聖北総合病・・・』そう言うと玲奈は気を失った。

『玲奈!玲奈!しっかりしろ!聖北総合病院だな!わかった。聖北総合病院に行って下さい!お願いします!』

博人が自分の身を呈して守った玲奈の命、しかしその命は病魔という博人にとっては予想しなかった敵により奪われかけていた。その真実をまだ博人は知らないまま、二人が出会ったあの日と同じように、二人を乗せた救急車は無情にも運命の旅路の果てへと進んでいた。そこへ待ち受けているのは、終着駅なのか、それとも・・・ To be continue

自分の命を張ってでも野崎から玲奈を守った博人でしたが、悲しくも玲奈は病魔の力にはどうすることもできなかった。この先、二人に未来はあるのでしょうか・・・感動のクライマックに向けて、いよいよドラマは動き始めました。次回、第18話も乞うご期待!

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

(今日のマニアック有名人しりとり)

き キャロライン洋子(きゃろらいんようこ。元女性タレント。子役からドラマ・舞台等で活躍した後に、CMやクイズ番組にも出演していた。後に活動の場をアメリカに移すが程なくして活動を停止した。)

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