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2007年11月19日 (月)

夜明けの流星たち(第16話)

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。

さて、今日は連続ブログ小説第16話をお送りしたいと思います。

この夏にスタートしたこの小説も、今日の第16話を入れていよいよ残すところあと5話です。

博人が必死に守ろうとする玲奈には白血病という大きな病があり、博人はその事実をまだ知らない。そんな中、玲奈は野崎という過去に暴力を受けた男に再会する・・・一方で博人は刑事の松田から野崎の過去の話を聞かされ、玲奈を守ることを誓うとともに野崎に対する怒りを感じていた。それでは続きをどうぞお楽しみください。

『夜明けの流星たち』  脚本・演出:猫男爵

☆Story16☆ 『決断』

博人玲奈、そして彩香を乗せたタクシーが玲奈の家の前で止まった。その音に気づいて家から真知子が飛び出してきた。

『玲奈!大丈夫!』

『大丈夫よお母さん、もう大丈夫だから。』

『怖かったでしょ?あの男、絶対に許さないわ!』真知子は怒りを抑えきれなかった。

『お母さん、博人が私を守ってくれるんだから大丈夫よ。それに、今日は彩香さんが私を助けてくれたの。』そう言うと玲奈は彩香を紹介した。

『あなたが彩香さんね。本当に今日はありがとうございました。何て御礼を言えばいいのか・・・』

『御礼だなんて・・・私はたまたま通り掛かっただけで。』

『これじゃ、私が博人に最初に助けられた時と同じだね。』玲奈はそんな冗談を言って明るく振舞った。

『そんな冗談が言えるなら大丈夫ね、少し安心したわ。』真知子も安堵の表情を浮かべた。

『玲奈、あなたはこんなに守ってくれる人たちがいて本当に幸せね。その事だけは絶対に忘れちゃだめだよ、わかった?』

『うん。』玲奈は素直に真知子の助言を聞き入れた。

『玲奈、いいかどんな些細な事でもいいから何かあったら、ちゃんとお母さんか俺に話すんだぞ。絶対に守ってあげるからな。』

『ありがとう博人・・・』博人の優しい気持ちに玲奈は思わず涙が零れ落ちそうになった。

玲奈を送り届けた博人と彩香は、玲奈の少し落ち着いた顔を見届けると、家路に向かい歩き始めていた。

『そんな過去があったんだね玲奈ちゃんには・・・辛かったよねきっと・・・』彩香がうつむきながら呟いた。

『でも、これはいずれにしても乗り越えていかなければならない壁だから。』博人の目は真剣だった。

『そうね、それに博人がいれば必ず玲奈ちゃんも乗り越えていけるよ。』彩香は自分の中で博人に対する思いをかき消そうと必死だった。

『きっとあいつは野崎は、また玲奈の前に現れるはずだ。もう二度とあいつを玲奈に近づかせないためにも、その時がチャンスなんだ・・・』博人はいつになく怖い顔をしていた。

『博人、大丈夫?あんまり無茶はしないでよ・・・』

『わかってるって。』

そう答える博人を見ながら彩香は不安な気持ちでいっぱいだった。

それから数日間、博人は仕事も早めに切り上げて、帰宅する際には玲奈と一緒に帰っていた。そのかいがあってか、野崎が姿を現すことは無かった。

『博人、心配してくれるのは嬉しいけど、大丈夫なの?今、大事な契約の仕事があるんでしょ・・・そっちは大丈夫なの?』

『大丈夫だよ、仕事はちゃんとやっているから。玲奈はそんなこと心配しなくていいよ。』博人は笑顔で玲奈にそう言った。

『それならいいんだけど・・・』玲奈は少し浮かれない表情だった。

その時、博人の携帯が鳴った。

『もしもし、あっ松田さんですか。はい、今のところ何も起きてませんが・・・野崎の情報は何か入りましたか?』

『こっちは全く手掛かりなしだ・・・ここ数日、あいつの行きそうな所をくまなく当たってはいるんだが、全部空振りだ・・・だが、絶対にあいつは動いてくる!何かを企んでいるはずだ。だから、君の細心の注意を払っていてくれ。どんな小さな事でもいいから何かあったら直ぐに連絡をしてくれ。』

『はい、わかりました。』博人は玲奈を守ることで頭がいっぱいだった。

玲奈はそんな博人の顔を見て少し心配になっていた。自分の病気の事を忘れるくらいに。

「ピッチハウス」では拓実と彩香が二人でカウンターに腰を掛けていた。

『そうか、玲奈ちゃんにそんな過去があったとはな・・・でも、博人の気持ちもわかるよ。そんな危険な男を大切な彼女に近づけたくない気持ち、それは当たり前だし、守らなければっていう正義感、それも当然だよな・・・』拓実はしみじみとそう語った。

『それもそうなんだけど、私が心配なのは博人が無茶な事をしないかなって事なの。今の博人は何か普段の博人とは違うような気がして。』彩香は拓実にそう言った。

『彩香・・・博人のこと諦めきれないのか?』

『・・・・・』彩香は少し黙り込んで、そして話しだした。

『ううん・・・大丈夫だよ!あれはもう終わったこと、私と拓実だけの秘密でしょ?博人には玲奈ちゃんっていう大切な人がいるんだから、もうその話は終わり!わかった拓実!』

『うん・・・』拓実はそんな痛々しい彩香を見るのが辛かった。

玲奈が家に帰ると、真知子が待っていた。そしてその顔には少し元気が無かった。

『どうかしたのお母さん?』

玲奈の呼びかけに対し真知子は口を開いた。

『玲奈、すぐに入院の準備をして!ついさっき、病院から連絡があったの・・・検査の結果が出て、あんまり状況は良くないいって・・・あなたの体は少しでも早く治療に入らなければならない状態だって。玲奈、最後まで諦めちゃだめよ!生きるのよ!わかった!』真知子は涙ながらに玲奈に叫んだ。

『お母さん・・・』玲奈も言葉に詰まった。

『わかった。私、頑張るから!できる事をしないで諦めるよりも、今自分のできる事を精一杯やらなきゃ!だって、博人が私の事を守ってくれているんだもん。今度は私が自分で自分の体と闘う番だよ!』

『玲奈・・・』真知子はその玲奈の心のこもった言葉に思わず涙が溢れてきた。

『お母さん、入院は明日の夕方でもいいかな・・・その前に一つだけお願いがあるの・・・』t玲奈は真剣な表情でそう言った。

ついにその時が来てしまった・・・玲奈は目の前にある大きな壁と今必死に闘おうとしていた。その暗黒の心の中には、博人というたった一つの希望の光りがあり、それだけが今の玲奈の気持ちをコントロールしていたのだ・・・    To be continue

さあ、いかがでしたか第16話。玲奈を必死に守ろうとする博人、そしてついに病魔との闘いの時が訪れ、博人のためにも強い気持ちで闘うことを「決断」した玲奈。お互いがお互いの事を一番に考え、そして未来を信じている姿が都会の夜空にはどんな風に映し出されていたのでしょう・・・次回第17話で事態は急展開を見せます!乞うご期待!

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

(今日のマニアック有名人しりとり)

め 目黒萌絵(めぐろもえ。2006年トリノ五輪日本女子カーリング代表選手。生まれ育った南富良野町で小学3年生からカーリングを始め、4年生の時に釧路から転向してきた同じく日本代表の寺田桜子を誘い、カーリングチーム「空知こざくら」を結成して以降、数々の大会で結果を残し、現在に至る。現在は弘前大学に在学中。)

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