こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。
今日は2年前に亡くなった叔父さんの法事に行ってきました。僕が小さい頃にいつも遊んでくれた叔父さんも、病気には勝てずこの世をさってもう2年が経ちました。今日、お寺で親戚の叔父さんや叔母さんにも会いましたが、みんなそれなりの歳になり、年月の早さにまた寂しさを感じました。僕が小さい頃、おもちゃを買ってくれたり、肩車をしてくれたりした懐かしい思い出が頭の中をかけめぐり、あの時に戻りたい・・・と思わず涙があふれてきました(泣)
今、僕にできる事は『叔父さんから貰ったたくさんの思い出を胸に、日々を一生懸命に“生きる”ということなんだ』と今日改めて胸に誓いました。
さて、そんなちょっと懐かしく少し重みのある話から始まった今日のブログですが、今日は連続ブログ小説の第14話をお送りしたいと思います。物語もいよいよ中盤から後半に差し掛かり、ここからは重要な展開が次々と訪れます。果たして、博人と玲奈には幸福が待っているのでしょうか・・・それでは続きをどうぞ。
『夜明けの流星たち』 脚本・演出:猫男爵
☆Story14☆ 『動きだした影』
涼子のアパートでは涼子と弟の純平が夕食を食べていた。
『あれ?姉ちゃん、その赤い薔薇どうしたの?誰かからのプレゼント?』純平は赤い薔薇をみながら話した。
『今日お店に桜木君が来て、この赤い薔薇が好きだから買ったんだけど、あげる相手がいないからって私にくれたんだ。何か凄くキレイだよね。』涼子はニコニコしながら薔薇を見た。
『へえ、赤い薔薇ね。赤?もしかして拓実さん・・・』
『うん?どうかした純平?』
『いや、別に・・・』
『そう?ならいいけど。』涼子は不思議そうな顔をした。
博人は玲奈の過去を知らされ、玲奈に対する感情が強くなる一方で不安を感じながら重い足取りで家へと辿り着いた。ちょうど、隣では美里が店を閉めるところだった。
『あら博人君、今日も残業だったの?毎日遅くまで大変ね。』美里が笑顔で話しかけてきた。
『美里さん、少し寄ってもいいですか?』
『ええ、いいわよ。』美里は元気のない博人の顔を見ながら答えた。
『今、何か用意するわね。ビールでいい?』
『いえ、お茶にしてください。』
『うん、わかった・・・』美里は落ち込む博人を見て何かあったに違いないと思った。
『それで、どうしたの?何があったの?』美里はお茶を博人の前に置くと尋ねた。
『えっ?』博人は少し驚いた顔を見せた。
『博人君の顔見ればわかるよ。何かあったんでしょ?』
『ええ・・・実は・・・』博人は玲奈の事を洗い浚い全て美里に話した。
『そんな過去があったんだね・・・それで、博人君はどうしたいの?』
『どうしたいって・・・玲奈を守りたいっていうか、幸せにしたいです。』博人が小声で呟いた。
『玲奈ちゃんが今の博人君の顔を見たらどう思うかな。ますます不安になっちゃうだろうね。』美里は少しがっかりしたような口調で言った。
『えっ?』博人は思いもよらない言葉に思わず反応した。
『そんな顔を玲奈ちゃんの前でも見せるの?それで幸せにできるの?』美里は優しく語りかけた。
『・・・・・・』博人は美里に返す言葉がなかった。
『まあ、そんな過去の話を聞かされて元気が出ないのもわかるけどさ、きっと玲奈ちゃんはもっともっと辛い思いをしてきたと思うよ。ずっと男の人を信じられなくて、脅えながら生活するって本当に辛かったと思うよ。そして、やっと信じられる人にめぐり逢えたのに、その信じられる人がそんな顔をしていたら、玲奈ちゃんはまた男の人を信じられなくなるよ・・・それでいいの?』
『・・・・・』博人はうつむいたままだった。
『博人君なら玲奈ちゃんをしっかり守ってあげられる。私はそう思う。だから、博人君がしっかりしなきゃだめだよ!わかった?』
美里の強い励ましに博人は顔を上げた。『はい、玲奈を守ってあげられるのは俺しかいないから!』
『そうだよ、頑張れ博人君!』
『はい、ありがとうございます。』
博人は美里から勇気をもらい、玲奈を支えていく事を心の中で強く誓った。
翌日、英会話学校では彩香が午前の授業を終えるところだった。
『はい、じゃ今日の授業はここまで。えっと、次の授業までにこの課題をやってきて下さい。それではこれで終わりにします。』そう生徒に挨拶して教室を出ると、椅子に座って待つ涼子がいた。
『あれ、涼子さん!』
『こんにちは彩香さん。』
『どうしたの?』
『ちょっとこの近くに配達があったので寄ってみたの。お邪魔でした?』涼子は申し訳なさそうに彩香に言った。
『大丈夫よ、今ちょうど授業終わったところだし、今日は午前中しか授業入ってないから今日はこれで終わりなの。』彩香は笑顔で答えた。
『良かった!ねえ彩香さん、一緒にランチ行きませんか?』涼子が笑顔でそう言った。
『いいね!行きましょう!』彩香も快く返事をした。
拓実は聖北総合病院にいた。
『桜木さん、桜木拓実さん。第2検査室へどうぞ。』
『はい。』
看護師の呼びかけに拓実は検査室へと入っていった。
『では、まずこちらの記入欄に記入して少しお待ち下さい。その後に検査に移らさせていただきますから。』
『はい、わかりました。』拓実の目は真剣なまなざしだった。
博人は仕事先からの帰り道だった。今日一日は玲奈の事が気になって仕事どころではなかった。しかし、美里の言葉を思い出しながら自分の気持ちを整理していた。ちょうどその時、道路の向こう側で写真を見せながら聞き込みをしている松田の姿が博人の目に入った。
『あの刑事は昨日の・・・でも、3年も前の事件の犯人を何でそんなに追っているんだ?』博人はその松田の行動に少しだけ疑問を感じていた。
涼子と彩香は近くのお店ランチを取っていた。
『彩香さん、お昼はいつもどうしてるの?』
『たまにお弁当作って食べたりしてるけど、だいたいはコンビニで済ましているかな。ほら、あそこの英会話学校ってあんまり若い人いないでしょう?オヤジ達とお昼一緒に食べてもね。』
『それもそうね。』
二人は笑いながら話した。
『ほら、私ずっと地元にいたでしょ。だから東京に出てきても知り合いはほとんどいないし、博人か拓実での誘わないと飲みにも行けないの。』彩香が寂しそうに言った。
『彩香さん、そんな事言わないで、私で良ければ今度誘ってよ!』涼子は明るく彩香に言った。
『いいの?』
『いいに決まってるじゃない!』
『わかった。じゃ今度飲みに行こうね涼子さん!』
二人はとても楽しそうだった。
『ねえ涼子さん、最近どうなの記憶の方は?』彩香がそれとなく涼子に聞いた。
『何か最近ね、前には感じた事のない感覚がふと出る瞬間があるの。例えば、この人どっかで見た事あるかも・・・とか、この曲初めて聴くけど前にも聴いたことあるような・・・とか、昨日お店に桜木君が来て赤い薔薇を買って私にくれたんだよね。それを家に飾ってあるんだけど、それを見ていると何だかとても懐かしい感じがして凄い心が穏やかになるの。はっきり自分でもわからないんだけど、少しずつ何かが変わってるような気がして・・・』
そう話している涼子の顔を見ながら彩香は涼子の記憶が戻りつつあるのを実感していた。
『きっと戻るよ記憶。その方が涼子さんにとってもきっと幸せだよ。』
『そうかな・・・でも、彩香さんは何でそんな風に思うの?』涼子は不思議そうに尋ねた。
『何となくよ。それに涼子さんの本当の笑顔を見たいし。』彩香は一瞬どきっとしたが、ごまかすように答えた。
『ありがとう彩香さん。』
『ねえ、その「さん」で呼ぶのお互いにやめない?』彩香が言った。
『えっ?』
『歳も同じなんだし、もう私たち友達でしょ?「さん」とかいらないよ。呼び捨てにしようよ!』
『そうする?』
『じゃ、これからはそうしようね涼子!』
『うん、わかったよ彩香!』
『何か照れるね。』
『そうだね。』
二人は笑いながらそう呼び合っていた。そして彩香はこれで少し涼子との距離を昔に戻せたような気がした。
仕事を終えた博人は、どうしても松田の行動が気にかかり警視庁の松田のもとを訪れていた。
『主任!川嶋さんという人が主任に会いにきてますが。』
『川嶋?誰だ・・・』そう首をかしげながら松田は待合室へ向かった。
待合室では博人が椅子に腰を掛けていた。
『お待たせしました松田ですが。君は昨日の・・・』松田は思い出したようにそう言った。
『忙しいところすみません。』
『どうしました?何か野崎の事でわかったことでも?』松田は真剣な表情で博人の顔を見つめていた。
『いえ、そういうわけではないんですが、刑事さんに聞きたいことがありまして。』博人もまた真剣な表情だった。
『何ですか?』
『刑事さんは何で3年も前の事件の犯人をそんなに必死になって追っているんですか?しかも、その人は逃亡しているわけでもないし、刑期を終えて出所しているっていうのに、以前に交際があったというだけでわざわざ出所した事を玲奈に教えてくれるなんて、普通じゃない何かがあるんじゃないかって思って・・・どうしても気なったもので。別に何でもなければいいんですが・・・』
その博人の質問に松田は無言だった。そして、煙草をポケットから取り出し、火をつけ、ひと呼吸おいて口を開いた。
『あいつに、野崎龍太に、俺の妹は殺されたんだ・・・』
『えっ?殺された?』松田の思わぬ答えに博人は息を飲んだ。
その頃、玲奈は仕事の帰りにスーパーで夕食の買い物をしていた。
『白菜と人参とバターね。あとはいいの?』玲奈は真知子と携帯電話で会話していた。
『じゃ、買い物終わったらすぐに帰るね。はい、じゃあね。』玲奈は携帯を切り、レジで会計を済ませ店を出た。
そして家路へと歩き出した。そこへ一つの人影が玲奈の前に近づきそして歩みを止めた。
玲奈はその歩を止めた人影の主の顔を見て思わず立ち止まった。と、同時に手に持っていた買い物袋が玲奈の手からすり落ちた。
『玲奈、久しぶりだな。』その人影の主は呟いた。その声は低くかすれた男の声だった。
『・・・・・・』玲奈は小刻みに震えて何も言えず、その場に立ち尽くすだけだった。
そう、その低い声の男の正体は、野崎龍太だった・・・
今、玲奈の前に訪れた悪夢の記憶。そしてまた一つ、松田の隠された過去が博人の前に舞い降りてきた。二人に訪れかけていた幸せのパズルが音をたてて、少しずつ壊れかけようとしている事を、都会の星空はただ冷たく見守るだけだった・・・ To be continue
いかがでしたか第14話。次回は松田に隠されたその謎が明らかに。そしてとうとう玲奈の前に姿を現した野崎。玲奈は一体どうなるのか・・・もちろん、こうしている間にも玲奈の体に宿る病魔はその力を強くする一方なのだが・・・次回第15話を乞うご期待!
それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)
(今日のマニアック有名人しりとり)
ひ(び) ビスコンティ(アルゼンチン出身のサッカー選手。アルゼンチンリーグ所属時は得点王にも輝き、アルゼンチン代表の10番を付けたこともある。1993~1996年まではJリーグ横浜マリノスに所属し、リーグ優勝に貢献した。)
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