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2007年10月22日 (月)

ありがとう、ノリック・・・

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。

昨日、三重県鈴鹿サーキットでは2輪レース全日本ロードレース選手権の最終戦が開催されました。レース前の一番熱気が溢れる時間だというのに、サーキット内は沈黙と涙にくれていました。本来であれば、この場所で多くの観衆に熱い走りを見せ、たくさんの拍手と歓声を浴びていたはずの一人のスーパースター追悼レースにこのレースがなろうとは本当に人生とは何が起きるかわからないです・・・

皆さんは「ノリック」と呼ばれていたバイクレーサーをご存知ですか?彼の本名は阿部典史(のりふみ)、愛称「ノリック」として全世界のバイクレースファンから愛されたレーサーです。

実はその彼はもうこの世にいません・・・悲しすぎる事実ですが、今月7日に事故死により帰らぬ人となりました。

僕がその一報を耳にしたのはニュース番組でした。『バイクレーサーの阿部さんが交通事故により帰らぬ人となりました。』というキャスターの声を聞き、僕は思わず自分の耳を疑いました。『阿部って・・・まさかノリックじゃないよな?』・・・しかし、悲しくもそれはノリック本人でした。

海外でバイクレースに参戦していたノリックは、今年から拠点を日本に移し全日本選手権シリーズに参戦していました。そして、その日は市道の片側2車線の右側をスクーターで走行中に、前方の左側車線を走行中の大型トラックが急にUターンをし、それを避けようとしたが間に合わず衝突、当初は意識があったものの搬送された病院で2時間半後に帰らぬ人となってしまったのです。享年32歳です。ちなみにその道路はUターン禁止区域でした・・・

世界で活躍した超一流レーサーの最期、それは病気でもサーキット上での事故死でもなく、「たった一人の無謀なトラック運転手の交通違反によるもの」という悲しい結末でした。悲しいです・・・悔しいです・・・それは天国にいるノリックが一番思っているかもしれません。

彼がこの道でデビューを飾ったのは1993年です。全日本ロードレースに18歳という若さで参戦し、いきなり総合優勝という史上最年少記録を更新するという離れ業を成し遂げたのです。そして翌年、ノリックは世界最高峰のロードレース世界選手権(WGP)に日本GPのみ参戦し、1995年からは本格的に参戦を始めたのです。

僕が初めて彼を知ったのはちょうどこの時期です。大学生だった僕が、深夜に何気なく見ていたテレビで、バイクレースが放送されていました。スポーツ好きの僕はついつい見いってしまったのですが、そこで多くの世界のバイクレーサーを前にして、長髪をなびかせて見事な走りを魅せる一人の日本人がいたのです。いつの間にか、僕はその走りの虜になってました。確か、そのレースは5位くらいに終わったと思うのですが、それ以来ノリックの大ファンに僕はなりました。

彼の魅力は何と言っても「攻める走り」です。先頭に立てば、後輪を滑らせながら華麗に逃げ切り、前に追うものがあれば果敢に抜きにかかる走りをする。そのために転倒することも多かったですが、それは彼がいかに限界ギリギリまで「攻めの走り」をしていたかという証です。

もう、あのノリックの走りを見れないと思うと辛くて仕方ありません。年齢も僕と1つしか変わらない歳でしたし、型にはまらない彼のスタイルと、屈託のない優しい笑顔、そして決していばらず飾ることのない彼の性格、すべてが大好きでした。

WGP通算3勝という栄光と、世界中のファンの心にしっかりと焼き付いているその数々の思い出を残して、今彼は天国へと旅立っていきました。でも、いつまでも悲しんでいる事をノリックは望んではいないと思います。彼は天国でも、あの愛嬌のある笑顔でいつも僕たちファンのことを見守っていてくれることでしょう。だから、僕は安心して心からノリックにサヨナラを言いたいです。『安らかに眠れよ、ノリック』と・・・

奇しくも昨日はF1ブラジルGPで中嶋一貴(10月12日のブログ「偉大な父を超えろ」でご紹介した)という一人の日本人ドライバーがデビューし、見事に10位完走を果たしました。車とバイクで種類は違うとは言え、同じモータースポーツのレーサーです。去る者がいれば、これからが始まりの者もいます。これから多く誕生するであろう、日本人レーサーには、ぜひノリックのような人の心にいつまでも残るレーサーになって欲しいと心から思います。

阿部典史、享年32歳、あなたの生きた道は決して無駄にはしません。あなたが残したたくさんの思いでは僕の大切な宝物です。本当にありがとう、ノリック!

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

(今日のマニアック有名人しりとり)

け(げ) ゲルハルト・ベルガー(オーストリア出身の元F1ドライバー。あのアイルトン・セナの最大の親友でもあった。1980年代~1990年代にかけてベネトン、フェラーリ、マクラーレンなどの名門で活躍し、通算10勝を挙げている。)

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