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2007年10月17日 (水)

夜明けの流星たち(第11話)

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。

最近は本当に寒いですね。峠や山間部ではすでにもちらほらしているようです。もう間もなく「冬」がやってきますね。暖房が恋しい季節になってきました、風邪には十分に気をつけて下さいね。昔から『風邪は万病のもと』と言いますからね。

さて、今日は連続ブログ小説第11話をお送りしたいと思います。

遂にお互いの心が通じ合い、幸せの道を歩きだした博人と玲奈。しかし、そこに待ち受けていた現実は二人の想像を遥かにしのぐものでした。二人の前にはこれからどんな世界が訪れようとしているのか・・・そして、刑務所から出所してきた野崎という男は一体これから何をしようとしているのか・・・それでは続きをどうぞ!

『夜明けの流星たち』  脚本・演出:猫男爵

☆Story11☆ 『悲劇の扉』

海から帰った数日後、博人はいつもの様に会社のデスクにいた。そこへ大木が出張から帰ってきた。

『部長!聞いていただきたい話があります。』博人は威勢のいい声で大木のもとへ歩み寄った。

『何だ川嶋。また契約でも取り消されたか?』

『いえ、その逆です。新規の契約が取れました!しかも相手はNSEです!』

『川嶋、冗談も休み休み言え!こっちは疲れているんだ、そんな冗談に付き合っている暇はないんだ。』大木は全く信じようとしなかった。

『部長!俺の目を見て下さい。俺が嘘を言っている様に見えますか?それとも部長の目は節穴ですか?』

その博人の声に大木は目の色を変えた。『川嶋!本当なんだな!NSEと契約できるんだな?』

『はい!』

『良くやったな川嶋!NSEだぞ、あのNSE。よし、早速その契約進めてくれ。山崎!すぐに川嶋をサポートしてやれ!』

『はい、わかりました。』

大木の顔は喜びで溢れていた。

博人は誇らしげな表情で稔と目を合わせていた。

『やりましたね先輩、これで部長も先輩の事を見直してくれますよ。』

『ああ。よし、稔!早速NSEへ行って細かい詰めの話してくるぞ!行くぞ!』

『はい、先輩!』

博人と稔は急ぎ足で会社を後にした。

ちょうどその頃、玲奈真知子は病院へ向かうタクシーの中だった。

『もう、検査ぐらい一人で行けるのに何でお母さんまで付いてくるの?』

『お母さんもちょっと風邪気味だから今日はついでに看てもらおうと思って・・・』真知子は嘘をついていた。

『でも、この前検査したばっかりなのにまた検査だなんて、私どこか悪いのかしら?お母さん、先生から何か聞いてないの?』

『何も聞いてないわよ・・・先生も言っていたでしょ、定期的な検査が何回か必要だって。病院っていうところはそういう事にうるさいのよ。』真知子はうまく言葉を濁した。

『そうか、それなら仕方ないね。今日の夜ね、博人とご飯食べに行く約束してあるからご飯はいらないからね。』

『玲奈ったら彼女になったと思ったら、もうすっかり川嶋さんの事呼び捨てになったのね。』真知子は楽しそうな玲奈の顔を見るのが辛かった。

時を同じくして、拓実もまた会社のデスクにいた。拓実は事務のカオリに話かけた。

『ねえ、カオリちゃんはさ、もし自分の記憶が無くなっていてだよ、少しずつその記憶が蘇りそうになったとしたらどう思う?やっぱり思い出すのとか辛いかな?』

『うん・・・その状況になってみないと解らないけど、思い出したいんじゃないかな。だって、知らないままでいるのって、ある意味幸せなのかもしれないけど、自分の人生の一部分を知らないなんて、それって本当の幸せなんかではないと思う・・・』

『そっか・・・』

『でも、桜木さん何で急にそんな事?』

『いや、何でもないんだ。ありがとう。』

拓実は悩んでいた。真実を涼子に打ち明けるべきなのか・・・

そこへ古屋がやってきた。『桜木!例のプロジェクトは順調に進んでいるみたいじゃないか。油断するなよ!油断というのが一番の敵だからな。』

『はい、わかってます。必ず成功させますから!』

『よし、その自信のある声なら大丈夫だな。頼むぞ!』

『はい。』

『ところで桜木、忙しいところ悪いんだが、うちの取引先の常務がちょっと交通事故で入院していてな、それで見舞いに行かなきゃと思うんだか、あいにく今日は営業の連中はみんな出はらっていてな、悪いんだがお前が見舞い持って病院行ってくれないか?』

『はい、かまいませんが。』

『悪いな桜木、入院先は聖北総合病院だ。よろしく頼むな。』

『聖北総合病院?はい、わかりました。』

拓実は上司の古谷の指示で病院へと向かった。

病院では玲奈の検査がすでに始まっていた。

そして、真知子は玲奈の検査が終わる前に二階堂に呼ばれて診察室へ来ていた。

『鈴木さん、診察室にお入り下さい。』

『先生、玲奈の症状はどうなんでしょう・・・』真知子は不安そうに二階堂に尋ねた。

『鈴木さん、最近の玲奈さんの生活で変わった事は特にないですか?』

『変わった事といいましても・・・最近、玲奈には大切な人というか彼氏ができまして、とても明るくなったぐらいで、病気に関係する様な症状とかは特に見られないですが・・・』

『そうですか・・・』

『先生!何か悪い兆候でもあるんですか?』

『鈴木さん、はっきり言っておきます。』二階堂は真剣なまなざしで真知子を見た。

玲奈は検査が終わり病院の廊下を歩いていた。

『それでは失礼します。』

『あれ?拓実さん?』

『玲奈ちゃん!』

『どうしたんですか拓実さん、こんな所で?』

『会社の取引先の人が交通事故で入院してたんでお見舞いに来たんだよ。それより玲奈ちゃんは何で病院なんかに?』

『お恥ずかしい話なんですけど、急性アル中で倒れてから何回か定期的に検査に来ているんですよ。色々と検査って時間がかかるみたいで。もうお酒はこりごりです。』玲奈は照れ笑いを浮かべていた。

『そうだ!お母さんに紹介しますね。この前の海の件の御礼も言わないと。』

『御礼だなんてそんな気を遣わなくてもいいよ玲奈ちゃん。』

『いいんですよ、お母さんもすぐそこにいますから。』

『う、うん。』

玲奈と拓実は待合室に来た。

『あれ?どこ行ったのかなお母さん?』

『あっ、看護婦さん!すいません、鈴木ですけどうちの母知りませんか?』

『鈴木さんなら診察室の方ですけど。』

『ありがとうございます。』

『行こう拓実さん!』

『うん・・・』

博人は資料室で稔と契約の作業をしていた。

『なあ、稔・・・』

『何ですか先輩?』

『お前は何でこの会社に入ったんだ?』

『何でって、やっぱりこれからの時代はこういう業界が社会から一番必要とされるだろうし、こう見えても一応理工系の大学出てますから、自分にあった仕事かなと思ったんで。でも、何ですか突然?』稔は不思議そうに尋ねた。

『お前は偉いな、ちゃんと動機があるじゃないか。俺なんか別にこの道に進みたかったわけでも、この会社が希望だったわけでもないんだ。どこでも良かったんだ・・・ただ、自分が社会から必要とされるのか試したかったんだ・・・あの頃の俺は・・・ただ呆然と生きていたんだ。でも、今は違うぞ!ここに来て仕事を覚えて、今はある程度の仕事を任されている。一応、会社からも必要とされているみたいだしな。』

『一応って何ですか。先輩は会社にとって大切な存在ですよ!』

『稔、お前は偉くなれよ!そしてお前みたいに理想を持つ若いやつを立派に育ててやれ。お前なら必ずそれができる。』

『何言ってるんですか先輩!俺は先輩の下で先輩と一緒に仕事がしたいです。そんな事言わないで下さいよ。』そう話す稔は少し不安な表情を見せた。

博人は心の中で、今自分が人生の岐路に立たされている事を強く実感していた。

玲奈と拓実は診察室の前に来た。中からは真知子と二階堂の話し声が聞こえた。

『いいですか鈴木さん。正直言ってこのままだと玲奈さんの命は長くて半年、進行が早ければ3ヶ月の可能性もあります。白血病というのは私達にも予測できないほど進行が早いケースもあります。』

真知子は全身から血の気が引いた。

『ただ、抗癌剤治療に時間を費やせば進行を食い止める事もできますし、玲奈さんに合った骨髄を移植すれば治る可能性もあります。しかし、世界では多くの患者さんが玲奈さんと同じ病で闘い移植を待っています。ですから、いつになるか保証はできません。今の我々の医療技術ではそれぐらいが精一杯なんです。だから、頑張りましょう!最後まで諦めずに。』

『先生、でも玲奈にはこの事を何て言えばいいんで・・・』真知子は泣き崩れながら尋ねた。

『それは・・・本当の事を話すしかないでしょう。本人の生きるという強い意志もなければ病気とは闘えません。』

『でも、玲奈のあんな幸せそうな顔を見ていたら・・・』

その時、診察室の前にいた玲奈は呆然と立ち尽くしていた。

『玲奈ちゃんが白血病・・・』一緒にいた拓実は思わず息を飲んだ。

『お母さん!私、死にたくない!』玲奈は思わず真知子の胸に飛び込んでいった。

『玲奈!あなたまさか今の話を・・・』

『嫌だよ、死にたくないよ!何で私が死ななければならないの?』

『玲奈・・・』

『先生!嘘でしょ、嘘だって言ってよ!』

二階堂には返す言葉が無かった。

『玲奈、あなたを死なせたりしないわよ!お母さんが付いているから頑張って治すのよ!』

『お母さん・・・』玲奈はただ、真知子の胸の中で泣き崩れるだけであった。

『玲奈ちゃん・・・』拓実はどう声をかけていいか解らなかった。

『あなたは?』真知子は診察室の前に立ち尽くしている拓実に声をかけた。

『僕は、博人の友人の桜木と申します。今、偶然そこで玲奈さんと会って・・・』

『この前、玲奈と一緒に海に行って下さった方ね?』

『はい。』

『お願いです。この事は誰にも言わないで下さいね。川嶋さんにも言わないで下さい・・・お願いします。』

『はい、わかりました・・・』

今、玲奈の前に訪れた現実はあまりにも残酷なものだった。やっと二人で幸せの扉を開けたはずだったのに、開かれたのは悲劇の扉であった・・・

遂に、玲奈は自分の病気の事を知ってしまった。そして、その事をまだ知らない博人。果たして二人の人生は果たしてこの先どうなるのか?次回第12話をお楽しみに!

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

(今日のマニアック有名人しりとり)

ち 超新塾(ちょうしんじゅく。ワタナベエンターテイメント所属の5人組お笑い芸人。もともとは5人全員が吉本興業のNSC出身で、2001年にグループを結成した。メンバーはイーグル、ドラゴン、タイガー、コブラ、マンモスの5人。)

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