夜明けの流星たち(第7話)
こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。
今日も曇り空、そして小雨の一日でした。太陽さんが恋しい今日この頃です。今日は「敬老の日」でした。皆さんはどんな「敬老の日」をお過ごしでしたか?
僕の祖父母はすでに他界しているので、もう何もしてあげれませんが、生前はよく肩たたきやお手伝いをしてあげました。今でも僕にとっては祖父母は大切な存在で、いつも仏壇の中の写真を見ると心が落ち着きます。いつまでたっても爺ちゃん婆ちゃんに対する感謝の気持ちは忘れないようにしたいですね。
さて、今日は連続ブログ小説の第7話をお送りしたいと思います。
遂に博人と二人で時を過ごした玲奈には博人に対する思いが溢れかえっていました。そして、徐々に二人の距離が近くなることを博人も少しずつ実感するのでありました。今、二人の恋はとても小さいながらも、確実に花咲く時に向かって歩き始めていたのだが・・・
『夜明けの流星たち』 脚本・演出:猫男爵
☆Story7☆ 『苦悩と恋心』
遊園地を後にした博人と玲奈は夜の街路樹の中を歩いていた。
『博人さん、今日はありがとうございました。一日付き合っていただいて。』
『こちらこそ、ご飯までご馳走になってありがとう。今度は俺が何かご馳走するよ。』
『えっ?本当ですか?』玲奈は驚きとともに嬉しさでいっぱいだった。
二人は別れを惜しむように、ゆっくりと話しながら歩いて行った。
涼子はアパートで弟の純平とテレビを見ていた。
『純平、彼女できたんだって?』
『何で知ってるんだよ姉ちゃん?』純平はびっくりした顔で言った。
『この前、桜木君から聞いたわよ。純平は凄く幸せそうだって。良かったわね純平!』
『そっか、拓実さんから聞いたのか。俺の事よりさ、姉ちゃんもいい加減に彼氏作れよ!いい歳なんだからさ。』
『失礼ね、いい歳だけ余計よ純平!』
『拓実さんなんかいいんじゃないの姉ちゃん!優しいし頼りがいがあるしさ。』純平は二人に元の関係に戻ってほしい一心だった。
『今はいいの彼氏とかは・・・別に桜木君が嫌だとかそういうんじゃないのよ、ただ今はもっとやりたい事があるっていうか。』
『そっか・・・』純平は少し落胆した様子だった。
『ねえ、前から聞こうと思ってたんだけど、純平は何でそんなに桜木君と仲が良いの?ただのお姉ちゃんの友達だっていうのに。』
涼子の質問に純平は思わずドキッとした。『いや・・・何かさ拓実さんって兄貴みたいで何でも話せるっていうか、俺さずっと兄貴が欲しいって言ってたじゃん、だからだよ。』
『へえ、そうか。純平、早くのその彼女を姉ちゃんにも紹介しなさいよ!姉ちゃんが純平に相応しい人かちゃんと判定してあげる。』
『何だよそれ、親みたいな事言って。』
『そうよ、お姉ちゃんは純平の親代わりなんだから!わかった!ちゃんと紹介するのよ。』
『わかったよ。うるさい姑だこと。』純平は拓実の気持ちを思うと少し複雑な心境だった。
翌日、会社には仕事をするいつもの博人の姿があった。
『部長!俺、もう一度東和商事に行って話してきます。絶対に契約取ってきます。』博人は強い口調で大木にそう言い残すと会社を出て行った。
同じくして拓実もまたクライアントの部長と交渉していた。
『何度もお話した通り、当社のプランには絶対的な自信があります!ここに建つアミューズメントビルには当社の威信がかかっているという事もありますが、このビルにはここを訪れてくれる人々の夢や希望も含まれているんです。その人たちを裏切る事はできません!』
拓実の熱意が通じたのか、クライアントの部長はしばらくして口を開いた。『わかりました。マキュアリーさんにそこまで言われたら仕方ないな・・・じゃ、全てそちらににお任せします。でも、マキュアリーさんにもこんなに熱くなれる人がいたなんてね。』
『ありがとうございます!』
少し苦笑いしながらそう話すクライアントの部長に拓実は深く頭を下げた。
彩香もまた、悩んでいた。
『私はこれでいいのかな・・・私が選んだ道は間違ってないよな・・・』自信を持って上京してきたはずの彩香だったが、実際は不安に押し潰されそうになっていた。
『そうだ、今日拓実暇してるかな?電話してみよう!』彩香は早速、携帯電話を取り出し拓実に電話した。
拓実の携帯が鳴った。
『はい、もしもし。何だ、彩香か・・・』
『失礼ね!何だは無いでしょう、何だは!すいませんね可愛い女の子からじゃなくて!』
『ゴメン、そう言うつもりじゃないけどさ。』
『ねえ、拓実さ今晩あいてない?』
『うん、特に予定は入ってないけど。』
『じゃあさ、飲みに行こうよ!博人も誘って三人でさ!』
『彩香、何かあったか?今日は、やけにテンション高くないか?』
『ちょっと仕事でね・・・少し飲んで弾けたいのよ。』
『よし、わかった。じゃ、仕事早めに切り上げて行くよ。ピッチハウスでいいよな。』
『じゃ、博人には私から話しておくね。』
『了解!じゃ、後でな。』そう言うと拓実は少し彩香の事を気にしながら電話を切った。
その頃、博人は会社へと戻ってきていた。
『どうでした先輩?』稔は心配そうに博人の元へ歩み寄ってきた。
『ダメだったよ・・・でも、今回は見送るけど次回は是非うちに頼みたいそうだ。』
『じゃ、良かったじゃないですか。』
『本当に良かったのかそれで!』大木が博人の元へとやってきた。
『次は間違いなく契約取れる保証なんてどこにもないんだぞ川嶋!わかるか?』
『わかってます。でも部長、もう一度俺にチャンスを下さい!同じ失敗はしません!』
何か気持ちの中で迷いが消えたかのように博人は大木に対して声を荒げた。
『そうか・・・よし、わかった。もう一度だけだぞ、次は失敗するなよ!』大木はそう言いながら博人の背中を叩くと、その場から立ち去っていった。
博人には大木の思いが伝わっていた。そして、その言葉の重さもよくわかっていた。
ピッチハウスには三人が集まっていた。しかし、博人は浮かれない表情だった。
『ねえ、どうしたの博人?そんな暗い顔して・・・仕事で何かあったの?』彩香が心配そうに言った。
『いや、別に何でもないよ。』博人はごまかすように答えた。
『もう、らしくないよ博人!もしかして壁?・・・』彩香がぼそっと呟いた。
『えっ?今、何って言った彩香?』博人は聞き返した。
『ううん、別に・・・あっ!そうだ!今度さ、みんなで海に行こうよ!ほら、博人の親戚の叔父さんが持っている海沿いのあのペンション。前にみんなで行ったでしょ、あそこに行ってみない?』彩香が楽しげに提案した。
『懐かしいな、いいなそれ!なあ博人行こうぜ!』拓実も乗り気で博人に問いかけた。
『じゃあ、久しぶりに行くか!』博人もまんざらではなかった。
『よし、そうと決まったら話は早い方がいい。今週末っていうのがどうだ?』拓実が切り出した。
『もう、拓実はせっかちなんだから。』彩香は笑いながらそう言い、そして拓実に提案した。
『ねえ、涼子ちゃんも誘ってみたらどうなの拓実?』
『俺はかまわないけどさ、涼子が何て言うか・・・とりあえず声はかけてみるよ。』拓実は嬉しい反面、不安もあった。
そして博人が口を開いた。『あのさ、実は二人に紹介したい人がいるんだ。仲の良い友達っていうか何ていうか、その子も連れてきていいかな?』博人は照れ臭さを隠すように言った。
『ああ、勿論いいさ!なあ、いいよな彩香?』
『うん・・・』彩香は少し複雑な心境だった。
『あっ!わかったぞ。前にお前が言ってた道端で倒れてたっていう女の子だろ。いつからそんな関係になったんだよ!お前もすみに置けないな。』拓実が博人をからかった。
『だから、そんなんじゃないって!』
楽しげに話す博人と拓実を前に、この話を持ち出したはずの彩香だけが優れない表情だった。それを押し消すように彩香が切り出した。
『だったらさ拓実、涼子ちゃんの弟も誘ったら?その方が涼子ちゃんも来やすいでしょう。それに人数多い方が楽しいし。』彩香にはそう言うのが精一杯だった。
『よし、じゃ早速みんな各自連絡を取って用意するように!』最後は拓実が音頭をとって締めた。
店を出た博人は家路に着く間、歩きながら玲奈に電話していた。
『もしもし、川嶋だけど。』
『博人さん!どうしたんですか?』
『実はさ、今週末に俺の友達たちとみんなで海に一泊しに行くんだけどさ、もし良かったら玲奈ちゃんも一緒に行かない?』
『えっ!本当にですか?私なんかを誘ってくれるんですか?』
『うん、もちろんだよ!』博人は少し弾んだ声で話した。
『嬉しい!じゃ、ぜひ連れてってください。ありがとう博人さん。』
『詳しい事は決まったらまた連絡するよ、おやすみ。』
『はい、おやすみなさい。』
玲奈は喜びを隠し切れなかった。直ぐに、母親の真知子にその事を話した。
『お母さん!今週末にね博人さんのお友達と一緒に海に一泊してきていいかな?』
『えっ、海に?そうね・・・最近どこにも行ってなかったもんね。いいわよ、楽しんでおいで。』玲奈の微笑ましい笑顔を見た真知子は少し考えたが、そう答えるしかなかった。一方で、病気の不安を抱えながらも・・・
家路に向かう博人の足取りは弾んでいた。仕事に対する「苦悩」は心のどこかにおいてしまい、今彼の心の中心にあるものは確かに玲奈に対する感情だった。この時初めて、博人は玲奈に対する「恋心」を感じたのであった。
さあ、いかがでしたか連続ブログ小説の第7話。それぞれがそれぞれの心の中に抱える苦悩が見え隠れする中、確実に博人と玲奈の運命の赤い糸はお互いがお互いをたぐり寄せていくような感覚に導かれいったのでありました。二人の気持ちは成就するのか・・・次回第8話をお楽しみに!
それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)
(今日のマニアック有名人しりとり)
や 八木さおり(1980年代に活躍したアイドル。1988年に出演した日中国交正常化15周年記念映画『パンダ物語』が大ヒット。整った色気のある顔立ちで多くのファンを獲得していた。小室哲哉が彼女の大ファンであったことは有名である。)
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