9月の幻 ~one day~
こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。
さて秋真っ盛りの今日この頃ですが、この時期になると各地で盛んに行われるのが、収穫や実りを祝う「秋祭り」です。今年も各地で色々な催しものや出店(でみせ)が出て、多くの人々を楽しませています。
僕の住む街でも先日、秋祭りが2日間に渡り行われ大盛況を見せていました。僕が子供の頃に比べると、規模もかなり縮小され、楽しさも半減したように見えますが、それでもこの「秋祭り」というのは年に1度の欠かすことのできない大切な行事です。
僕が小学生の頃の秋祭りの日は、授業が2時間目で終わります。そして、そこから「子供みこし」や「獅子舞」、さらには「相撲大会」に「餅蒔き」など色々な催しがありました。
僕ももちろん「子供みこし」に参加し、『ワッショイ!ワッショイ!』の掛け声のもとに街を練り歩きました。そしてその後は「相撲大会」に参加しました。この相撲大会は勝ち抜き戦で一人勝ち抜くごとに賞金が1000円出るので、みんなガチンコで勝負してました。僕は一番良い年で、確か5000円くらい稼いだと思います。そしてそれを小遣いにして、出店の食べ物やおもちゃを買うのです。
当時の出店は色々あり、わたあめ、フランクフルト、アメリカンドッグ、フライドポテト、チョコバナナ、焼きそば、たこ焼き等の食べ物屋さんや、飲み物屋さん、それにスマートボールや型抜き、さらにはお面屋さん、金魚すくい、スーパーボールすくい、射的屋などなど、道狭しと多くの出店が建ち並んでいました。その数あるお店の中でも僕が好きだったのは、「スマートボール」と「型抜き」です。昼頃から夜遅くまで家にも帰らず友達とそこで遊んでいた事を憶えています。
とにかく、子供だった僕らにはまさにそこは「楽園」でした。秋祭りが終わる時がとても寂しかったです。そんな一年で1一番楽しい秋祭りに、僕が一度だけ出会った「たった1日だけの友達」がいます。
小学何年生だったかは憶えていませんが、僕はいつもの年と同じように秋祭りを楽しんでいました。その時も出店を歩き廻り遊んでいました。そこに「フライドポテト」を売ってるお店がありました。僕はそれを食べようとお店の前に立ちました。すると、その店の中にいたのは僕と同じくらいの背丈の一人の少年でした。『誰かいないの?フライドポテト欲しいんだけど・・・』僕はその子に話しかけました。するとその子は『今、留守番してるんだ。フライドポテト一つでいいの?』と僕に言い返しました。
話しを聞くと、その子はそのお店の人の子供でお祭りの時には色んな所に付いて行って手伝っているそうなんです。初めて会ったはずなのに、なぜか僕はその子に対してとても親近感が沸いてきて、まるで前から友達だったような感覚に陥りました。
まもなくして、その子のお父さんが戻ってきて『一緒に遊んできてもいいぞ。』と言い、僕とその子は二人で遊ぶ事になりました。今となってはとても不思議で不思議で仕方ありませんが、僕らは友達というよりもまるで兄弟のように仲良く遊びました。
とにかく楽しかった事だけ憶えています。スーパーボールで遊んだり、僕の家まで来て一緒にゲームとかもしました。あっという間の時間でした・・・夜も更け、その子と僕は普通に『バイバイ!』と別れを告げ、何事もなかったかのようにその子は父親のもとに戻っていきました。
翌朝起きると、当然お祭りの会場にはもう彼の姿はなく、昨日の事がまるで幻のように僕はとても不思議な感覚になりました。次の年も、その次の年も、僕は秋祭りが来るたびにその子の事を探しましたが、あの日以来一度も彼の顔を見ることはありませんでした・・・
あれは幻だったのでしょうか・・・その答えは僕にはわかりません。ただひとつ、僕はその子の名前を聞いてました。彼は『僕の名前はフジだよ!』と言ってました。「フジ・・・」名字だとは思いますが、「富士君」なのか、「藤・・・何とか」であだ名が「フジ」なのか、いずれにしてもそれが唯一の手がかりです。元気でいれば僕と同じくらいの年齢になっているはずです。
今も彼が、日本のどこかできっと元気で過ごしていると僕はそう信じたいです。そして、彼の心の中にも僕と同じように「あの日の思い出」がしっかりと刻まれていてくれたら僕は嬉しいです。
少し肌寒くなった秋風が、そんな昔の「9月の幻」を、そしてあの日出会った「ある一人の少年」の事を思い出させてくれました。皆さんはそんな不思議で忘れられない出来事ってありますか?
それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)
(今日のマニアック有名人しりとり)
り リセンコ(ロシア出身の女子陸上選手。種目はハンマー投げ。77.80mの世界記録保持者でもある。)
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