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2007年8月27日 (月)

夜明けの流星たち(第4話)

こんばんにゃ~ 北の猫男爵です。

あ~やっぱり寂しい・・・姪っ子がいない時間がこんなに寂しいものだなんて・・・ふとした瞬間につい姪っ子の名前を呼んでしまって。『そっか、もういないのか・・・』と、しんみりしてしまいます(泣)少しずつ気持ちを切り替えていきます。

さて、今日は連続ブログ小説第4話です。

運命の出会いの翌日、まるで何事も無かったかのようにいつもの日常に戻った博人と、病院で目が覚めて昨日の出来事を少しずつ思い出す玲奈。これから二人に先に待っているものはいったい・・・

『夜明けの流星たち』 脚本・演出:猫男爵

☆Story4☆ 『光と闇の中で』

建築現場では拓実がクライアントの説得に励んでいた。

『お願いします。こちらの予算で何とかお願いします。我が社のプランはどこにも負けない自信があります。必ず後悔はさせません。私を信じてもらえませんか。』拓実は必死に頭を下げた。

『そう言われてもね、何度も言うようだけど、こちらにもこちらの事情がありますからね・・・』クライアントもすぐに「うん」とは言わない。

『もう一度考え直して下さい。お願いします!』拓実は何度も何度も頭を下げた。拓実にはそれしか方法がなかった。

『困るな、そんなに頭下げられてもな・・・一度考えさせてもらうよ。とりあえず今日のところは今までの話は白紙に戻させてくれ。』そう切り捨てると、クライアントは立ち去って行った。

『そんな!待って下さい!』拓実は脱力感でいっぱいだった。

ふらふらとあてもなく歩く拓実は、気がつくと涼子が働く花屋の店先に来ていた。店先では笑顔でお客さんに応対する涼子がいた。

そして涼子が拓実に気がついた。『あれ、桜木君じゃない!どうしたの今日は?』

『いや、ちょっと近くまで来たから涼子ちゃんの顔でも見ようと思って寄ってみたんだ。』

拓実は辛さに耐え切れず思わず涼子の顔を見に来たのだが、昔の恋人関係を忘れて友達という立場でしかない涼子には、その事は言えるはずもなかった。

そんな切ない想いを断ち切って拓実が話しかけた。『涼子ちゃん、お昼は忙しい?もし良かったら一緒にご飯食べに行かない?』

『いいよ!行こう!私、美味しいランチのあるお店知ってるからそこに行こうよ。』涼子は笑顔で答えた。

予想外の涼子の答えに拓実は一瞬、涼子の記憶が蘇ったのかと錯覚してしまい、何とも言えない感情が溢れていた。

その頃、聖北総合病院ではお昼休みを利用して真希玲奈のお見舞いに来ていた。

『あら、真希ちゃん!わざわざ来てくれたの、ありがとうね。』

真知子のその声で、横になっていた玲奈は起き上がった。『真希!』

『玲奈!あんた大丈夫なの?ごめんね、昨日やっぱり私がちゃんと送れば良かった。』

『真希のせいじゃないよ。飲み過ぎた私が悪いのよ。』

『そうよ、真希ちゃん気にしないで、玲奈が悪いんだから。』真知子は優しく真希をかばった。

『何か冷たい飲み物でも買ってくるね。待っててね真希ちゃん。』そう言い残すと真知子は病室を出た。

真夏の陽ざしが降り注ぐ中、博人が聖北総合病院に着いた。受付で博人は落とした定期入れを貰っていた。そこに、ちょうどジュースを買いに来た真知子がいた。

博人の姿を見かけた真知子は、昨晩の事を思い出していた。『あっ、確かあの人は昨日、病院の入口ですれ違った人だわ。』

真知子は博人が玲奈を助けてくれた人ではないかと瞬間的に想像した。

そこへ、ちょうど婦長の結城が通りかかった。

そして真知子は結城に尋ねた。『婦長さん、今、受付の前に立っている人、あの人じゃありません?昨日、うちの娘にここまで付き添ってくれた人は?』

少し博人の顔を見てから、結城は答えた。『あっ、そうです。あの人ですよ。間違いありません。お名前までは聞かなかったですけど。』

それを聞いた真知子は博人のもとへと歩み寄って行った。『あの、すいません。失礼ですが、私、鈴木と申します。鈴木玲奈の母です。昨日、娘を助けていただいて一緒にここまで来てもらった方ですよね?』

不意に話しかけられた博人は少し間をおいて答えた。『はい、そうですけど・・・』

『やっぱりそうでしたか、ありがとうございました。昨日、病院の入口ですれ違った様な気がしまして。本当にありがとうございました。』

『いえ、僕はたいした事はしてませんから。それで、娘さんの様子はいかがですか?』

『はい、お蔭様で大事には至らず、今はもうピンピンしています。午後から検査をして何もなければ家に帰れます。それも、あなたがすぐに助けていただいたお蔭です。失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?』真知子が尋ねた。

『川嶋です。川嶋博人と申します。』

『川嶋さん、良かったら玲奈に会って行きませんか?玲奈もきっと御礼が言いたいはずですから。』

真知子にそう促されて、博人は真知子と共に玲奈のいる病室へと向かった。

拓実と涼子はランチを食べていた。

『ここ、なかなかお洒落なお店だね、料理も美味しいし。』拓実は楽しそうに涼子と会話していた。

『ねえ、桜木君は彼女とかいないの?彼女とこういうお店にきたらいいのに。』

『彼女なんていないよ、俺なんか全然もてないしさ。でも、気になる人はいるかな・・・』

『えっ、そうなんだ、うまくいくといいね!私、応援するよ!』

そんな笑顔を見せる涼子を見るのが拓実には辛かった。「俺が好きなのは涼子だよ」と心の中で念じる事しかできなかった。

そして、拓実は涼子に思い切って聞いてみた。『涼子ちゃんは好きな人とかいないの?』

『今はいないね。何か今はそういう人はいらないかなって。』

『そうなんだ・・・でも、涼子ちゃんならきっと良い人見つかるよ!』拓実は心の中でどこか安堵の心境になっていた。

博人は真知子と玲奈の病室の前に来た。

『さあ、どうぞ。』真知子が博人を中へと促した。

『それじゃ、失礼します。』

『玲奈、こちらは川嶋博人さんよ。昨日あなたを助けてくれた方よ、命の恩人よ。』

『鈴木さん、そんな命の恩人だなんて・・・どうも川嶋です。体調はどうですか?』博人は照れくさそうに玲奈の顔を見て話しかけた。

玲奈は驚いた表情で答えた。『あ、ありがとうございました昨日は・・・お蔭様でだいぶ良くなりました。』玲奈は救急車の中で見た、ぼんやりとした顔を思い出していた。そして、温かいあの手を・・・

『それは良かった!』博人は笑顔で答えた。

『ご迷惑をかけてすいませんでした。本当にありがとうございました。』

『それじゃ僕はこれで、仕事に戻らないといけないので・・・』と言い、博人は帰ろうとした。

『あの!今度何か御礼させて下さい。そうだ!食事でも御礼させて下さい。』玲奈が言い出した。

『いや、そんな御礼だなんて、僕はただ当然の事をしただけですから、そのお気持ちだけで十分ですよ。』

『川嶋さん、私からもお願いします。御礼させて下さい。ね、お願いします。』真知子も博人に強くお願いした。

『そうですか、それじゃお言葉に甘えて・・・じゃ、ここに連絡下さい。』そう言うと博人は取り出した名刺に携帯電話の番号を書いて玲奈に手渡した。

『それじゃ、失礼します。』

立ち去る博人を真知子は送って行った。

『ねえねえ、何か良い男だよね玲奈!顔も良いしさ性格も優しそうだよ。これが運命の出会いってやつ?』見舞いに来ていた真希が玲奈をからかった。

『何、何言ってるのよ真希!私はそんなつもりじゃなくて、ただ御礼がしたくて!』

『あれ?何をそんなにむきになってるの玲奈。あれれ・・・』

『だから、違うって!』

玲奈は真希に言われて照れ笑いしていた。と、同時に博人に引かれる気持ちが芽生え始めていたのも確かだった。

博人の会社では、が博人の帰りを待っていた。そこへ博人が帰ってきた。

『先輩!遅いですよ!部長が待ってますよ!東和商事が契約断ってきたんですよ・・・』

『何だって!』

博人は大木のもとへ行った。

『部長、どういう事ですか?』

『川嶋!聞きたいのはこっちの方だ!「他社の方が誠意を感じたから、今回の契約は無かった事にして下さい。」そう言われたよ。川嶋、お前に期待した俺がバカだったな・・・』そう言うと大木は博人の前から立ち去った。

『部長、待って下さい!部長!』

博人は落ち込んでいた。自分の存在とは何なのか・・・会社にこき使われ、失敗すれば雑巾のように粗末に扱われる。夢を抱いて入社した時の晴れ晴れとした気持ちは、もうどこかに置き忘れてしまい、将来に目標があるわけでもない。誰も道標を示してくれるわけでもない。道標は自分で探さないといけない。ただ言える事は、出口の見えない洞窟の中に自分が立ち尽くしているという事だけ。ただ、それだけであった・・・

聖北総合病院では、玲奈の検査を終わって結果が出ていた。

婦長の結城が玲奈の病室へとやって来た。『鈴木さん、お母さんだけで宜しいので診察室の方へ来て下さい。玲奈さんは帰る準備していて下さい。今日はこれで帰れますよ。』

『良かったわね玲奈。お母さんちょっと行ってくるから待っててね。』

玲奈は喜ぶ表情を見せていたが、真知子は微かな不安を感じていた。

診察室では担当医の二階堂が座っていた。

『先生、鈴木さんお連れ致しました。』

『はじめまして、担当医の二階堂です。どうぞ、お座り下さい。』

『先生・・・玲奈はどこか悪いんですか?』

二階堂はひと呼吸おいて口を開いた。『娘さんは軽度のアルコール中毒でしたので、今日一日安静にして体調も元に戻りました。何の問題もありません。ただ、検査した中で少し気になる点がありまして・・・』

『先生、何ですか?教えて下さい。』

『いいですか、これはまだ症状が出ていないので何とも言えないのですが・・・娘さんは血液中の白血球の数が一般の人と比べると少し多いです。まだ、はっきりとした事は言えませんが、極端に白血球が増えたりすれば、白血病が発症する恐れがあります・・・』

真知子は全身から血の気がひく感覚を覚えた。

夕焼けを背に家路へと歩く博人。そして、博人に思いが芽生え楽しそうに病室で帰る支度をする玲奈。都会の夕陽はただ穏やかに二人を優しく照らし、まるでこれからの二人を見守るかのごとく包んでいた。これから二人に襲い掛かる残酷な運命の結末をかき消すように・・・      To be continue

物語は予想もつかない方向へと進んでいきました・・・果たしてこの先、二人を待っている残酷な運命とは・・・次回、第5話をお楽しみに。

それでは今日はこのへんで。チャオ(ciao!)

(今日のマニアック有名人しりとり)

ち 鎮西清高(ちんぜいきよたか。長野県出身の地質学者。専門は古生物学。現在は京都大学名誉教授。)

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コメント

毎日、関係ないコメでごめんなさい(>_<)
最後の報告デス!
今朝、決勝戦惜しくも4対1で負けちゃいましたが、笑顔の準優勝です☆
今日もいい試合で楽しいゲームでした!
私も銀メダルもらっちゃいました!
猫男爵さんも応援いただいて、ありがとうございました!!
あと、この場を借りて・・・
Hこサン、ドリンクありがとうございます!
応援きていただいて、アリガトウございました!!
m(__)m

投稿: さっと | 2007年8月28日 (火) 07時43分

さっとさん
お疲れ様でした。惜しかったですね!残念だけど準優勝でも素晴らしいです!!
さっとさんにとっても今大会は忘れられない大会になったことでしょう。選手の皆さんも、そしてさっとさんも毎朝早起きご苦労様でした。
銀メダル今度見せて下さいね!僕も来年に向けてこれから自主トレに励みます。
来年はどこかの大会で対戦できたらいいですね。その時は胸を借りて戦いますのでヨロシクです。
本当に準優勝おめでとうございました!
Hこさんも早朝からご苦労様でした!

投稿: 猫男爵 | 2007年8月28日 (火) 11時02分

え!?玲奈が・・・

野球ちょ~う面白かったですよ!
感動しました。ホントに。
8番Kバが、あわや・・・!
そしてまさかの敬遠?(笑)
楽しませてもらいました。

今度は猫さんが投げてるところを応援に行きます!(もちろん決勝戦で)

投稿: Hこ | 2007年8月28日 (火) 12時33分

Hこさん
野球観戦楽しかったようですね。Kバは大活躍じゃないですか!すごいよKバ!ミニバレーの仲間として誇らしいですね☆
Hこさんには一度、早朝から野球見にきていただいたのに、もう僕はベンチに下がってましたよね・・・あの時は申し訳ありませんでした。
今度は活躍しているところをお見せできればと思ってます。でも決勝戦は無理です(笑)そんなチームでないですから僕のチームは(笑)

投稿: 猫男爵 | 2007年8月28日 (火) 18時00分

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